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ちょっと時代を感じる本ではあるけど、すごくよかったです。
主人公の二人は成人してるのにすごくピュア。
顔も心も天使みたいだって周りの人に言われているのですが、大袈裟でなくてものすごく純粋で、青春小説だなあと感じます。
「Stay」というバンドを取り巻くメンバーでのお話で、音楽業界ものです。
主人公の天と和泉は幼なじみで、デビューする前からの仲間で今は同居する恋人同士。
周りのメンバーにも一応公認の仲(?)なので周りに恵まれているなあと感じます。
和泉視点のお話と天視点のお話が入っていて、えろ度は低め。
二人は互いをものすごく大事にしています。
喧嘩もいっぱいするのですが、それも必ずといっていいほど相手を守るめなので、ものすごいノロケ話を読んでいる気分にもなるのですが、二人をまるまる好きになってしまえばすごく可愛くて萌えられるお話だと思います。
互いの主張と、譲れないものと、相手を信頼する気持ちと、そういうもので構成されています。
温厚で綺麗でしっかり者でそつのない和泉と、愛想が悪く人見知りで、感情がすぐ表に出て口も悪い天。
この正反対に見える相手がお互いに足りないものを補い、うまく支えあい、むしろ相手が相手でいられるために自分にできることを「役割」として行っている。そしてそれがとても自然です。
お互いに一番は相手で、自分が傷つけられても怒りませんが、相手が傷つけられたら容赦をしません。そういう関係がとても萌える。
一見乱暴に見える天のほうが実はお人よしで、温和に見える和泉のほうが本当に怒ったら容赦なくどこまでも悪役になれると自覚しているところも面白いです。
天は冷徹になりきれない性格で、和泉は天のためなら冷徹になりきれるのですね。
そして相手にそういう行動を撮らせているのは自分だということも、わかっている。
周りのバンドメンバーも個性的で味があります。
この二人の成長をもっと追いかけたくなる作品でした。