サガン。
何を隠そう今更「天と地と」本です。
そうです、歴史なのです。
武田晴信×長尾景虎なのです。
その昔「天と地と」の映画をやっていた頃ふと見つけたこの本の総集編を絵が綺麗だからと手にとって。
晴信と景虎なら歴史上でも有名な人物なので知ってるからと読んでみたわけです。
そして、それから永らくの時が過ぎて。
自分の中の歴女率?が上がってきたところで再度読みたいと思った時には手離した後で。
探し回ってはみたのですが「総集編」を見つけられず。
それならと手にしたのがこの「地の巻」なのですが、実は「天の巻」が先にあって。
散々探してはいるのですが現段階ではまだ見つけられておりません…orz
というわけで。
出会いの部分は「天の巻」で語られているようでその後の2人についてになるのですが。
「とうのみね」
諏訪御前のために休戦した晴信。
諏訪御前を見舞いながら鬼の夢を見る。
鬼のかたちは景虎。
一方で、景虎は女のために休戦した晴信に自分が取るに足らない人物とみられているようで…。
諏訪御前の目から見た晴信のことも語られていて、それがどこか印象的。
「帚木」
領内の土地争いなどをきっかけにして出奔してしまった景虎。
いく道で怪我をし、後を追ってきた加当に手当てをしてもらうことになるのだが思い出されるのは同じように以前手当てをしてくれた晴信。
そして2人は以前晴信が見せてくれた寡婦桜へと向かう。
また思い出されるのはその桜のもとで晴信と過ごした日々。
寡婦桜と呼ばれる所以がなんとも象徴的。
「野迷」
出奔してしまった景虎を追う晴信。
そこで見た景虎はそれまでの生気が感じられず。
晴信はそんな景虎を抱いて…。
景虎の迷いを振り払うような晴信の行いが印象的。
それはまた晴信の見る夢の鬼の正体でもあって。
「朝嵐」
出奔した景虎は加当を通じて晴信と再会を果たす。
そこで交わされる言葉は素直なものではないけれど、それぞれに武士として敵将として生まれた故に歩まねばならない道があって。
それが確かに「恋」であったとそれぞれに知っているのに決して報われない。
いや、最後の最後で景虎が晴信を追ったことで報われたとも言えるのかな。
同じ道を添い遂げることはできなくて。
次会う時は戦場で。
そんな恋のおわり。
昔に出された本でもあるし史実が主体になっているせいもあるのか恋愛面を重点的に描かれているわけではなくて。
なので、えろ描写とかはほとんどないしBLってほどでもないのかもしれませんがお互いがお互いをライバルと認めているような空気感はとても好きです。
念のために言っておきますが、2人とも歴史上の人物ではありますが、恋愛関係にはありませんので!
(晴信は男の愛人もいますけどね!)