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──私の前に跪くのだ 最も屈辱的に抱いてやる
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
当時は気が付かなかったのですが、最近読んだとき裏表紙のあらすじが凄くいいなぁと思ったのでレビューを。(ちらっと見たところ電子書籍はなかったのですが…)
あらすじは嘘はついていないんですよね。美形チームの任務には確かに夜の相手も含まれていたし、王子が指名したのは三十路過ぎの進藤でしたし。でも指名した理由は…という予想を外した展開が面白かったです。
ややコミカルな雰囲気が山田ユギ先生の挿絵との相乗効果ですごく良かったですし、いつものアラフものに食傷気味の方に良い作品でした。
帯『―私の前に跪くのだ 最も屈辱的に抱いてやる』
一応アラブモノなんでしょうが、これはずっと日本が舞台です。拉致も監禁もオークションもないです。
日本にアラブの王子・バースィル〔攻〕がやってきます。
その来日中に、進藤〔受〕が勤める百貨店の展示会として、マリーアントワネットの首飾りを貸してもらえるかどうかの交渉がかかっているのですね。
その責任者が新藤で、王子がゲイだという情報から新藤は社員の中から美形ばかりをえりすぐりイケメンおもてなし部隊を作ります。
しかし王子は彼らには全く興味は示さずにイケメン作戦失敗と思いきや、王子に選ばれたのは彼らイケメン達ではなく、三十路の進藤だったのですなー。
前半はややコミカルちっくめいた文章でサクサク読めます。
進藤や百貨店の社長に恩があり、恩人と慕っています。
それ故に彼の希望通り、王子に抱かれ必要な書類を手に入れるのです。
最後は社長が私欲の為に書類が必要だったとわかるのですが、うーん、彼はちゃんと罰せられても良かったんじゃないかなあ、許されちゃったけど。
あと首飾りが実は偽者だったというのにはちょっと、へ?ってなりました。
ラスト近くでちょっとありゃっていう部分もあったんですが、一風変わったアラブモノで結構楽しく読みました。
アラブの王子様に一目惚れされちゃう、百貨店広報の三十路課長さんのお話。
一応攻めはアラブの王子様ですが、舞台は日本の老舗百貨店。
アラブ物と言うよりは、基本的にはリーマン物でしょうか。
もっと言うと、主人公の三十路課長の進藤が、百貨店社長に恩義を感じていて、あくまでも職務に誠実だったりするので、むしろ昭和の人情物の趣だったりします。
TVの2時間ドラマが一度見始めちゃうと、つい、最後まで見ちゃうのと同じように、先の展開は充分にわかっていても、サクサク、ぐいぐいと読み進んで、途中で読むのを止められない。
なんといっても、読み終わってから、いろいろツッコミ所が残るところがTVドラマと一緒っぽい。
そして、山田ユギさんのイラストの進藤課長が素敵な眼鏡のクールビューティなので、
とりあえず出演者さんが目の保養になったからそれで充分って思うところもTVドラマと一緒かも。