言葉にしてはいけない

kotobanishitewaikenai

言葉にしてはいけない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×25
  • 萌9
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
48
評価数
15
平均
3.3 / 5
神率
0%
著者
櫛野ゆい 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北上れん 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
価格
¥850(税抜)  
ISBN
9784862636843

あらすじ

志乃は、亡き姉の恋人だった十歳年上の池上を愛している。それは『言葉にしてはいけない』秘密の想い。穏やかな紳士だが恋には激情的な、深く傷ついた池上を放っておけず、同居し見守ってきた。時折、「眠らせるため」を口実に乳首を弄り慰め、敏感な池上を淫らに喘がせる。きっとこんな反応は俺しか知らないと、昏い悦びに浸りながらも、その恋心を自分の胸だけに秘めておくことが辛くなり!? 一途で熱い年下攻、ただ一度の恋!!
(出版社より)

表題作言葉にしてはいけない

受様に片思い中の創作料理の厨房担当
亡姉の元恋人のオーダーメイドスーツ店店主

その他の収録作品

  • 言葉にしなくてはいけない
  • あとがき

レビュー投稿数5

言葉にする勇気と大切さ

事故で亡くなった姉の恋人・池上を密かに愛している志乃は
悲しみに明け暮れ睡眠も充分にとれず
自傷行為までしてしまう池上を放っておけません。
料理が出来ない池上の為にご飯を作り、
夜は時々、何も考えず眠って欲しいと
10歳も年上の池上の体に触れ
喘ぐ艶やかな声と反応に悦びを覚えますが
自分の欲望はかろうじてぶつけずに済んでいました。
3年もそんな生活が続き、
あと少しだけでも傍にいたいと望んでいながら
苦しさを抑えきれなくなり…。

誰かの不幸の上に成り立つ幸せって
特にそれが家族だった場合
ものすごく罪悪感があるんだと思います。
もう誰かと幸せになることは考えられないという池上を
自分がどうにかしてあげたい、
けれどこの関係を崩すべきではない。
まさにタイトル『言葉にしてはいけない』のとおり
心に閉じ込めておかざるを得ない想い…ツライですね。

池上の先輩の鷹野が
志乃の前では池上はいつも穏やかでいると聞いた後
それは感情を押し殺しているからだと言われ
ショックを受けたシーンは私も傷つきました。
傍にいたのに池上を理解してやれていなかったこと、
姉の弟だから思い出させてしまうという事実。

それでも志乃の優しさはちゃんと池上に届いていたし
池上も志乃を……。
志乃が、あまり感情を表に出さず
ぶっきらぼうなところがあって男くさくて良かったです!!
そんな志乃が池上を愛撫する様子…ぐほぁ……!!!

『言葉にしなくてはいけない』では
あんまーい二人に会えます!!!
長い間片想いをしていたから
思いが実った矢先に池上がイタリアへ行ってしまったので
(一週間だけですが)
電話で「夢だったんじゃないかと…」と吐露するのが可愛かった。
だからってテレセはハードル上げ過ぎだよ!?ww
帰国後はここぞとばかりに愛をねだる池上は
凶悪だなオイって思いながらも
やっぱり気持ちは伝え合わなくちゃね!
志乃の運転は集中できなすぎて怖かったけど(w)
池上のプロポーズにはまいりました!!!
あれじゃ運転どころじゃない……。

ナイスアシストの鷹野、幸せになってほしいけど
池上じゃなくてむしろ志乃を狙ってたって
すごく意外でしたww

私は終始、羽多野さん×平川さんのお声で
脳内再生させていただきました!
池上はもう平川さんしか考えられなかった!!
喘ぎとか…ふふ…楽しかったデス。
羽多野さんは低めな感じをイメージ。
鷹野は余裕のある大人だから…帝王がいいな(またか!)

北上れんさんのイラストも色っぽくて素敵でした♪

1

言葉にしてはいけないと思っていたのは

「言葉にしてはいけないこと」「言葉にしなければ、伝わらない」がテーマの表題作と続編の中編二本立てです。
表題作は志乃(攻め)、続編は池上(受け)の目線で進んでいきます。

表題作は志乃の長い片思いがメインの話です。ベッドシーンから始まるのでそれなりに甘いかと思えば、結構切なかったです。
志乃が愛する池上は、事故死した姉の元夫です。池上は姉の遺言がなければ後を追っていたくらい愛しており、二人の関係には、志乃の姉の影が付きまといます。姉が落ち度のない素敵な女性だったため、互いに罪悪感を覚えてしまうのが切なくて辛かったです。そんな重くなりがちな雰囲気の中、猫「スープ」と山口の存在は息抜きになりました。

表題作の設定が「愛する者の死」という重いネタを取り扱っているためか、1冊丸ごとの長編でなくて良かったと思います。

その分、続編「言葉にしなくてはいけない」は、表題作で激情家だと評された池上から語られる表題作の後日談で、まだぎこちないながらも二人が共に過ごしていく甘い暮らしが感じられて素敵でした。

二人の職業も面白かったです。
志乃は料理人で、ある意味、「中」から自分色の変えていく仕事。
池上はオーダーメイドスーツ専門店の店長で、「外」から自分色に染めていく仕事。
そんな風に考えると非常に楽しかったです!

切ない展開ですが、辛いばかりでなく、底辺に甘さが漂う作品です。二人とも真摯で好感が持てますが、受けが亡き妻を愛するあまり自傷する場面がありますので、苦手な方はご注意ください。ちょっと強引で一途な年下攻めがお好きな方にお勧めです!

余談ですが。自分の印象では「志乃」の名前は細い身体の受けっぽい印象なのですが、開始早々17ページにある北上先生のカッコいいイラストで外見の刷り込みがしっかりできたので楽でした。BLは受けは不思議に女っぽい名前が多いのですよね…。

1

一途にずっと

とにかく生殺し加減がハンパじゃないヽ(*`□´*)/
私ならちん子腐って落ちる。きっと…

元々は姉の恋人だった。想いをはせても叶わない恋だということは解っていた。ところが、姉は突然の事故で帰らぬ人となってしまう。くすぶる想いは募るばかり。姉を想って手首を切る姿を見た日から、眠りたいと願う受への奉仕は始まり~な流れ。
一途に世話を焼き、受のためにと耐える姿はいじらしいww
のっけの『触るだけ』の行為がどれだけもどかしかったか(TωT、)メゥ
しかも、勤続3年て…どんだけ…
今回はでもまぁその関係~…なお話でありまして、なかなかに可愛い作品でした。
年上に尽くす年下も大好物。
にしても、受の心が変化していく様子が描かれなかったのはちと残念でもあります。攻は最初から好きの一辺倒なわけなので、心の動きが少なすぎた感。悪くはないんですが…なにか…ものたりなさを感じてしまいました。
濡れ場に関して
初めて体を繋げるシーン。予想外にアッサリ終わってしまってショボン…だったんですが、最後。受視点でのエロが相当腰に来ました!!
や。このためにぬるかったのかな(*´ω`*)と思えるくらい。
まぁ…どの地点で受が攻を好きになってどう気持ち変化したのか解らないために、受がなぜにそこまで積極的に~なのか。キャラクター的にも謎…というか、自分的にしっくり来ない部分もあり…

トータル
文章や言葉のつかいかたがうまい。
濡れのエロがウマですww
心の動きや、におわせる仕草~な感じがでたらもっと読み手としてドキドキするかなーなんて思いました。へふん
次回にまた期待

1

心に秘めているだけではいけないのです

今回は受様に片思い中の創作料理の厨房担当と
亡姉の恋人でオーダーメイドスーツ店店主のお話です。

出会いから恋人としてまとまるまでと
その後の二人の甘い日々を収録。

攻様は
悪友がオーナー兼店長の創作料理店の
厨房で働いています。

両親が離婚した際に、
新しい母に馴染めなかった攻様は
年の離れた姉のアパートで居候となります。

その姉の恋人として出会ったのが
オーダーメイドスーツの店を構える受様でした。

微笑みと敬語を崩さない受様は不思議な魅力が有り
攻様は彼に好意を抱くようになっていきます。

そんな頃、攻様の姉が交通事故で急逝、
残された受様はかろうじて生きているという
酷い状態になります。

姉の死後、
受様のマンションに仮住まいしていた攻様は
受様の手首の複数の浅い傷痕がやるせなく
少しでも楽になれるようにと快楽に誘い
彼と伴寝するようになります。

それから三年、
受様の手首には自傷の痕跡すら無くなり、
攻様はそろそろ潮時かとは思いつつも
この関係を続ける事も止める事も
ましてや思いを告げる事も出来ずにいます。

そんなある日、
攻様は伊国から帰国した受様の先輩兼オーナーに
受様を返してくれと迫られて?!

恋人の弟を毎日見ていたら
忘れる事なんて出来るわけがないだろうよ

三年経ってもまだ姉の死が
受様に消えない痛みを残していると知った攻様は
彼のマンションを出る決意をしますが…

無口な年下の料理人と
見かけによらず激情家の職人カプの恋物語。

姉の恋人だと知りつつも受様に惹かれた攻様は
突然の恋人の死を受け入れきれない受様を
どうにかしたくて手を出してしまうのですが
最後の理性で一線までは越えません。

しかし、攻様との生活の中で
半ば慣習化していく行為に気持ちを抑えきれず、
本当の意味で彼を手に入れたいと思う攻様と

恋人の死を乗り越えられない自分を
何くれとなく支えてくれた攻様が
いつの間にか失えない存在になっていた受様。

今の関係を失ってしまう事を恐れる二人は
互いに思いを口にする事ができません。

受様の先輩の帰国で
二人の間がかき回されてしまいますが、
彼と言うきっかけが無ければ
まとまる事は無かったのかもと思わされるほど
お互いに踏み込むまでが遠かった二人。
そのヤキモキ感がとても良かったですね♪

続編は受様視点で
伝える事の大切さをより実感させられる
まとまった後のラブい恋人達の生活を収録。
本編よりも甘々な台詞が結構エロかったです。

今回は好きと言えないままに
攻様と関係してしまった受様のお話で
火崎勇さんの『傷痕』をご紹介します。

0

年下ワンコ嫁攻めは無口なの。

前作も本物と人間のワンコが登場しましたが、今回もまたまた登場です。
しかし、今回はちょっと無口な男前でした。

姉が交通事故で亡くなって、その悲しみから抜け出せない姉の恋人池上を好きな弟の志乃。
池上が自傷行為をするのを止めようとして、最後まではしないのですが快楽を与えて眠らせるのがすっかり習慣になって早3年。
池上の姉を思う気持ちに踏み入ってはいけないと、好きだという気持ちは言葉にできない志乃の苦しみ。
そんな二人の元で子犬を飼うことになり、やっと池上の自然な笑顔が見られるようになる。
また池上の店のオーナーで先輩の鷹野の登場で、やきもきする志乃。
子犬がベランダから落ちたことで初めてお互いの気持ちを確認しあう二人。

ざっと、そんな流れの中で志乃の、池上の気持ちが現れるシーンで、じょじょにどんなこだわりをもっていたかがわかります。
犬を飼う時も、「志乃の犬だから」と二人の犬にしようとしない池上の本心。
大切なものを失った時が怖いからと言う池上に逆上しても志乃は最後まで池上を犯すことができない。
その池上を見て、姉にはかなわないんだと思う志乃。
二人の気持ちは本当は通じているのに、臆病になってすれ違っていただけなんですね。
お邪魔虫の鷹野も、池上を好きだけどそういう意味ではなく、むしろ志乃を気に入っていたという、曲者な人間ですが、池上の本質を見抜いている結構イイ人だったりして、悪い人は一人も出てきません。

題名通りに、そのテーマを貫いたブレのない作品だったと思います。

「言葉にしなくてはならない」は結ばれた後のあまあまの二人。
あれからすぐイタリアに出張になった池上に、テレフォンSEXを強要する志乃に、照れて電話を切ってしまうかわいらしい池上。
帰国した池上を待っていたのは、辛抱たまらん志乃。
ここでも鷹野が志乃に協力するなど、憎たらしいけどイイ人を演じてます。

池上・35歳・・・おじさんでもなく若者でもなく微妙な年齢ですが北上れんさんの絵がいい雰囲気を出して描かれていました。

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