ともふみ
性格最悪おデブちん、半世紀童貞うだうだ枯れオヤジ、肉体兄弟中身6歳児攻め等々…商業誌でもかなりやらかしていらっしゃる木原音瀬さんですが、誰のストップもかからない同人誌で颯爽と登場!オヤジルネッサンス(合同誌)は偉大です。
今回の受け様はつるっパゲ(まであと一歩)を気に病んでパンチパーマのかつらを死守する40代後半のペット葬祭会社社長。
もう一度言いますが受けです。しかもお相手は前途洋々な23歳の青年。
どう考えても勢いだけで決めただろこれというネタ設定もなんのその、面白くて時に鼻につんとくる立派なBL小説に仕上がっています。
ハゲ社長が可愛くて仕方なかった…どんなイリュージョンを使ったの。
某仁賀奈さんとは違い、流石にパンチかつら受けは商業誌化はないかと思います。当分は。ので、ファンの方は入手をお勧めします。
主人公は攻めの渋谷青年23歳。
8人兄弟の長男で世話せずにはいられない骨の髄まで長男体質、やや無神経だけど基本は優しく常識人。弟らの育児と家事で青春時代を奪われ、誰とも付き合ったことのない童貞ノンケ君です。
問題のハゲ社長の会社に勤めていて、社長のことはパンチかつらは痛すぎるけど純粋にいい人だな、という認識。
その社長堀内氏もノンケで、動物好きの優しいいい人。
ただし病的なくらい自分のハゲを気にするあまり、勢い余ってチョイスした(としか思えない)男らしいパンチパーマのかつらを心の支えにしており、子供にかつら疑惑をかけられただけで1週間も仕事ができなくなるほどの精神的ダメージを受ける繊細さんなので、かつら事情は会社では公然の秘密です。
ある時ちょっとした誤解から「渋谷は自分のことが好き」だと勘違いしてしまった堀内社長は、戸惑いながらも真剣に交際を検討します。
悲しいくらい(笑)いい人なんです社長。
社長がもう可愛いくて!
一人で空廻っているオヤジ、滑稽スレスレの可笑しさです。
何のコントが始まったのかと思うくらい一人で美味しいとこ取りの社長。あんたが大将。
渋谷もまた妙に冷静に受け止めるもんだから、変な笑いが込み上げます。
コメディって実はシリアスより難しいと思うのですが(特に小説)、すごいなあ…幅広い。
完結編のfinalでは詳しい解説がついているのでそっちだけでも読めますが、個人的にはこの1+2+3のコメディ部分にぷすぷす吹きまくったくらいなので、両方合わせてお勧めします。
爆笑必死の二人のやり取りに悶絶してほしい。
これだけお色気皆無のエッチシーンもなかなかありゃしないかと思います。悲しいくらいに可笑しいエッチ。
楽しすぎて字数制限に門前払いをくらいました。
笑いを貴方に!そして完結編ではやや切なくなりますゼ!
禁断のハゲ・パンチ・カツラ の三つが登場するのはきっとこの作品だけなのでは?
しかも年下攻め、あの「NOW HERE」より5歳も離れて25歳差です。
ワクワクしちゃいました。
堀内はハゲです(しかしデブ・チビではありません)
30代から髪がみるみる薄くなり、気にしていたところパンチのカツラと運命的な出会い(?)をしてかぶるようになります。
周りはカツラと気付いていますが、誰も口に出していいません。
なぜなら堀内は余りにナイーブだからです。
渋谷も皆に合わせて当然の如く黙っていましたが、ある日カツラであることがバレ(しかも修理もする)堀内と渋谷だけの秘密ということに!?
渋谷は8人兄弟の長男で、家事や弟達の面倒を見る、実に世話焼きの律儀でマメな男です。
ここがポイントですね!
社員旅行で、酔った女性社員が堀内の頭に「ハゲLOVE」と落書きをしたことから勘違いの恋が・・・
もう、あとは読んでください。
淡々と何気なく書かれていますが、爆笑に次ぐ爆笑です。
堀内が乙女すぎます。
渋谷が面倒見よすぎます。
この二人の初体験は、もう悲しすぎて、おかしすぎて、、、
一体この二人はどうなっていくのか?
結末は「LOVE&CATCH FINAL」に続きます。
「NOW HERE」の姉妹編としても存在しそうな作品です。
おじさん度を仁賀奈さんと比べて読んでも面白いです。