条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
愁堂さんお得意の、サクッと楽しいライトミステリーです。
ちょっと色っぽい、深夜の45分ドラマと言った感じの短編が2編入っています。
メインキャラは「絶世の美少年」に「絶世の美丈夫」です。
BL小説は一般的に、現代物でもメインキャラがそれなりに美形なのはお約束ですが、
この作品は、時代設定が「昭和初頭」と言う、耽美とダンディズムの時代なのもあって、もう、臆面もなく「絶世」とか「希代」とか言い切っています。
そんな「絶世の美青年」で「希代の名探偵」が関わることになった事件には、当然のように「没落華族」の「絶世の美少年」が登場。
この二人が出会えば、当然、恋に落ちる。
それでも……
この「……」も展開の読める軽い物ですが、「だから何?」ってもんですよ。
このステレオタイプなお約束感がいいの!
ベタベタな展開で、適度にエロエロ、
2時間ドラマのようにサクッと読んで、「あー楽しかった」
安心して楽しめる佳作です。
ドイルとか乱歩の探偵小説を『少年少女版』でお読みになった姐さまはいらっしゃいませんか?
なんか、それを思い出しちゃったんですよねー。
『昭和に元号が変わったばかり』の『東京市』で洒落た『ビルヂング』に事務所を構える『天下の名探偵』月ノ瀬薫のもとに、警視総監を父に持つ将来有望な警察官で親友の妹尾信之介が『密室殺人事件』の解決を求めて訪ねて来る。おまけに犠牲者が『子爵』で、何か隠し事をしている様子のその息子は、息を呑むような『美少年』……もう、この始まりだけでも胸躍るではありませんか!
おまけに彼ら、何かあるたびに「失敬」って言うんだよ!
探偵小説なので『謎解き』です。
ただ、その謎解きもそれほど難しいものではありません。
そこがいい!
だからこそ推理小説上の、あるいはBL上の『お約束』をニヤニヤしながら楽しめるってものです。
浮世の憂さを忘れて、しばしの羽伸ばしをするのには最適の一冊でした。