お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
トリプルキャストの2巻です。
戸越の件は1巻でひと段落、この巻では鷹の兄、龍之介がメインのお話です。
1巻の続きではなく、龍之介が何故鷹の体に入ることになったのかという回想が続きます。時系列が結構バラバラと飛びます。
大事な親友・毛利に告白されて動揺したまま事故にあった龍之介。すぐ目覚めると言われたのにもう二年も目覚めないまま。
龍之介は毛利と対峙するのが怖くて、弟、鷹の体の中で暮らしています。
鷹の体の中には今三人の人格が同居していることになるのですが、ちょっとネックに感じるのは肝心の鷹のことがこの巻まで読んでもやっぱりよくわからない。
せっかく主人公なのにあまりに表に出てこないので何だか主人公ぽくないといいますか。
このお話、あと一冊で龍之介のこと、戸越のこと、鷹のイジメのこと、すべて方がつくのかな?
戸越と虎のエピソードは、この巻でもやはりせつなくて読んでいて苦しかったです。
戸越と虎はあんなに愛しあっていても一緒になれなかったんだから、龍之介は生きているんだから逃げないで立ち向かって欲しいと思うしそうするべきだと思います。
親友と思って暮らしていた日々を壊したくないと逃げる気持ち。でも本当は友情以上になっていることを本当はずっとわかっています。
ここで逃げるか立ち向かうか、友情と愛情のはざまという物語は学生で親友同士のBLにおいて永遠のテーマかもしれません。
それを本当にじっくり描いている作品です。
ただ、個人的にはやはりカップリング萌えやラブストーリーのドキドキのような普通のBLを読んで感じる楽しさのようなものはほとんど感じられませんでした。落ちついた作品です。読物として面白い、というタイプの作品でした。