伊吹亜弓
4作品レビュ無理なので、大好きな「セブンティーン・スイート」について。
侑が初恋の人で、キスもセックスも総てが侑と初めてな真面目くんは 付き合いだして時間が経っても、まだそういった行為や、侑自身にも少し戸惑っている様子です。
対する侑はヒロと一緒にいるのが嬉しくてしょうがないらしく、 いつも家のためにすぐに帰ってしまうシンデレラに、ちょっと悶々としている感じです笑。
王子様は高校生なりに紳士なので、ヒロを(ベット以外で)困らせるようなマネはしませんが、 この不器用と優しさと少しの欲求不満と嫉妬のバランスが堪らないぃぃ………!!!!!!(悶死ッ
二人が結ばれた秋の文化祭から時は流れ、もうすぐクリスマスがやってきます。
ヒロと一緒に過ごしたくてケーキを予約したりとわくわくな侑ですが、 ヒロにはクリスマスの夜は家族とともに過ごさなければという考えがあったので、ちょっとがっくり…。
でもヒロも、友達の梅野に「クリスマスは恋人と過ごすもの」と言われたりして、なんだかびっくり…。
二人にはやっぱり少しの齟齬があるのですが、お互いが大好きだからそれは仕方ないですよね。
ヒロはやっぱりまだちょっと気持ちがドライというか根本的にストイックなようで…、 クリスマス、「二週間目にした」と言って、侑からのアプローチに戸惑っています。ほんと可愛いったらありゃしない!
侑もそんなヒロが可愛くて仕方が無いのでしょう。ジャンケンでするかしないか決めようと言ってきます。 しかしただのジャンケンではない!そこは駆け引き上手な王子様らしく。
「俺、チョキ出すから」………!!!!!
ジャンケンの結果は、もうご想像のとおりです!はー、小悪魔王子、タチが悪くてキュン死しそうでした。
…でも、チョキで勝てても、ヒロを抱いても、侑はやっぱり少し寂しいです。
恋人達にとって大切な日にも、可愛いシンデレラは帰ってしまうのですから。
でもシンデレラだって王子の気持ちが全然分からないわけではない。同じくらい王子が大好きなのです。
だからヒロは、家族が寝静まった夜に、数時間前に去った侑の家へと自転車を走らせます。
侑からのプレゼントのマフラーを巻いて、侑を思いながら走ってゆくのです。
もう…この描写で泣かずに、人は何で泣くのだろうと思うくらいに泣きました。
せつない初恋、大好きな恋人……恋って素敵だな、と再確認するようなお話でした。
再録集だけあって少々お値段が張る一冊ですが…だからなにか?というくらいに萌えと感動が凄まじいです。砂原先生のファンは必読ですっ