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正直に言って、ディアプラス文庫で出し直しになりましたが、表紙の雰囲気は花丸文庫版のほうが好き。
月村さんお得意のグルグル後ろ向き思考の受けとポジティブな明るい攻め、そして謎がある脇キャラ、そのちょっとひんやりする黒い思考、そういった月村さんの作品の醍醐味を楽しめる話。
わたしは好きです。
月村作品には、珍しく大人カプです。しかも、人気作家と、人気俳優という華やかなキャラ!
おおー珍しいとページを開きましたが。。サイン会もないし、編集部にせっつかれているシーンも。。ファンに追いかけられる所もないし。。(-"-;A ...
田舎の一軒家で、友人や編集さんへの人間不信を募らせながら執筆にも行き詰まっているぐるぐるの主人公・・
いつもと、あまりかわりませんでした。f^^;)
日常生活を淡々と追いかけながら、細やかな心理描写が売りですから、華やかな人気作家や、俳優が出てこようが、そのあたりいつもの月村先生でした!
本音と建前が違いすぎる友人や編集との人間関係に疲れきって、衝動的に田舎に引っ越してしまった一夜
引っ越しの最中ファンだったと、俳優の川嶋にサインを求められ・・いつの間にか川嶋のペースにまきこまれて、町内行事には参加するわ、近所の方々とお友達にさせられるわ・・振り回されるような毎日のなか、川嶋には本音をさらすことができて本当の自分を出せるようになり・・
全部ひっくるめての自分を好きだという川嶋の愛の力で肩肘はっていた力が抜け、自分の書きたかったものが見えてきます。信頼がいかに人に力を与えてくれるかというお話でした。
ミステリー小説家と芸能人という組み合わせですが、派手なお話ではなく、懐かしい片田舎を舞台にしたほのぼのとした作品でした。
落ちついて、静かな気持ちになります。ズドンと心にくるようなシーンはないけど、読んでいて落ちつく感じです。
主人公の一夜は自分の外見や立場のためにそこそこ努力してそこそこ卑屈。
感受性が強く人の喜怒哀楽に共感しやすい、そしてそこそこの意地悪な人も出てきて、わかりやすいお話だと思います。すらすらと読みやすかった。逆を言えばふわっと読み終えてしまう感じでした。
大志は芸能人だからといってこなれて洒落た男性ではなく、人好きのする親しみやすいタイプです。でも少し軽くて、もしかして節操なしなの?と思わせるような言動もあります。
出てくる人みんな、意地悪な人はいますが、根っからの悪人という人はいないと思います。でも自分勝手な人が多い。
一夜は主体性のない人間ですが、主体性がないとは責められるほどのものではないと思います。
人間とは自分勝手なものだと思いますが、一夜は一夜なりに生きていると思ったので、一夜を取り巻く人間たちの、自分の幸せのための自分勝手さが私はちょっとむかむかしました。
田舎の描写はとてもよかったです。
最後の、ぼろい一軒屋の部屋でゴロゴロしているイラストもとても好きです。
どうでもいいような話をして、食べなくてもいいようなお茶請けを食べながらゴロゴロ過ごす。
それは全部無駄なことで、この本でかかれている日常は近所付き合いだとか、バザーとかゴミ広いとか噂話とかささいな日常の無駄の重ね合わせです。それが日常をつくっているというこのお話の根本は共感できる箇所がたくさんありました。
しかし最後まで納得いかない箇所が一つ。
ずっとファンだったという大志に対して、出会ってから二週間で、本気で何かを手に入れようとしたことのなかった一夜が、ゲイではないのに、大志に抱いた恋心がこちらが納得できるようにかかれていないと思った事です。
なんで恋になったんだろう、と思いました。
ここが上手くかかれていないと、お話としては良くても、BLとしては「自分の読みたかったもの」とはちょっと違うかなぁという感じでした。
月村さんってつくづくマイナス思考な受けが好きだなぁと思いました。何冊か読みましたが、みんなマイナス思考です。しかも重度の。この作品の受けも例に漏れず、スーパーマイナス思考でしたw
主人公は作家です。二人組のユニット作家という設定です。ユニットを組む相手とはソリが合わず、迷いのなかで田舎の一軒家へと引越してくる。
そこで出会ったのが、年下のイケメンの俳優くんだ。
俳優くんはその作家のファンだと公言し、なついてくる。
明るい俳優くんに引きずられるように近所づきあいも始まり、世界が広がってくる――んだけど、マイナス思考は止まらない。
こんなマイナス思考の男に惚れ、かたくなな心を解きほぐすようにあやす月村小説の攻めは、懐が広くてほんとに寛容だなァと思いますwこんな男、私も一匹ほしいもんだよ。
人気ミステリ作家ユニットの片割れ、一夜は自分に自信が持てないくせに見栄っ張り。
相方への意地で田舎に引っ越してきた彼が出会った隣人、大志は今をときめく人気俳優だった。
ひとなつっこい大志は何かと一夜を町の行事に誘ってくるが、人間嫌いの彼はそれをことごとく無視していた。
それでもなついてくる大志に次第に心を開かされていく一夜だったが……
俳優×作家。
自分に自信が持てないくせに見栄っ張りで意地っ張りの作家一夜と、辛い境遇でもいつも自然体で強い俳優の大志。
人嫌いの一夜が大志に惹かれていくとても過程が自然で安心して読めた。
きらきらしい肩書きの人たちが主人公だけれど、舞台が田舎町のせいか、穏やかでやさしいお話。
その中ではぐくまれる二人の絆。コンプレックスや痛みがせつなくて、そのギャップにぐっとくる。
おもしろかった。
新装版買い直そうかなあ。
人間ドラマとしてはちょっとしたトリックもあって面白かったと思います。主人公をはじめ彼を取り巻く人達すべてにバックボーンの描写が用意されていて、色んなことがすんなり行かないリアリティが感じられました。
その分、肝心の二人の恋愛感情の盛り上がりがよく分かりませんでした。受もそうだけど、特に攻の彼が…。一体いつ、どこでそんなに?
日常系BLといえばそうなんでしょうが、BL小説というよりは一般小説を読んだような読後感でした。2010年の新装版では二人の「その後」が描かれているようなので、機会があれば読んでみたいです。