A・KI・RA~路地裏の迷い猫~

A・KI・RA~路地裏の迷い猫~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
6
得点
31
評価数
13
平均
2.7 / 5
神率
7.7%
著者
中原一也 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
楠本弘樹 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784775514009

あらすじ

「うち来るか? 飯くらい食わせてやるぞ」繁華街で拾った少年・明良につい親切心を起こしたフリーライターの葛城。居候となった明良は人懐こくて遠慮がなくて、アパートの個性的な住人達ともすぐなじんでしまう。しかしある日、葛城が入手した写真――そこには、男達に弄ばれる明良が…。動揺を抑えられない葛城に、明良は部屋を出て行く。そこに現れたのは…! 愛に不器用な男と、愛を知らず彷徨う少年の胸に迫るラブストーリー!

表題作A・KI・RA~路地裏の迷い猫~

36歳,フリーライター
16歳,拾われた少年

その他の収録作品

  • 淋しがり屋の猫

レビュー投稿数6

中原一也らしい作品

熱血漢のジャーナリストと、世の中に見捨てられた少年、
割に古典的なテーマではあるんだが…。
中原作品には、社会の底辺に生きる人びとを書きだすには定評があるわけですが、
そういう人びとを決してしめっぽくなく、淡々と描いているところに好感が持てます。

このテのストーリーは英田サキにもありそうな感じではありますが、
英田サキよりも泥臭く、かつ、ときどき不器用ゆえの優しさのにじみ出ている人が
脇をかためているのが中原作品の特徴か?

年の若いうちから、人生の辛酸をなめてきたがゆえに
愛されることを知らない少年と、世の中の欺瞞に、静かに怒れる男との出会い。
なかなかよろしい話です。BLらしくないテーマではありますが、おすすめです。

1

年の差カップル

文章やストーリーどちらも独特な雰囲気のクセのある作品でした。
それでも、中原作品の中では、比較的読みやすいかと思います。
中原先生らしい作品ではあるので、中原作品デビューをしたい方にはオススメかも⁉
オヤジスキーな私♡
ただ、受様がショタ系になるので年齢的に微妙さを感じたものの、そのほかはサラリと楽しめました。

不良系のオヤジなんですけど、結構、不器用で理知的な攻様と…
跳ねっ返り少年の上、愛を知らずに生きてきた受様の不思議な組み合わせでした。

内容はフリーカメラマン葛城 × 繁華街をうろつく野良猫野郎の明良の年の差&年上攻もの

フリーライターの葛城は無銭飲食未遂で暴行を受けていた明良をみかねて助けます。
そのまま自宅につれて帰り食事をさすと、お礼だと自らの身体を差し出そうとする明良に絶句。
葛城は、『ありがとう』って一言いや〜いいんだと教えるものの、今ひとつ意味がわかっていない明良。

両親も居なく、施設育ちの明良は、そんな事を教えてくれるような大人が周囲にはいなかったんです。
だから、「ありがとう」の言葉の持つ温もりを知らなかった…。

そんな、愛情に餓えていた明良は、葛城と出会い、個性的な『かえで荘』の住人たちのお陰で徐々に変化が…。
人の温もりや愛情…そして幸福感を知ることになります。

明良の過去や、葛城の職業柄、事件を追っていた内容も現になって行き…危険や寂しい境遇が再び押し迫ったいきます…。

葛城の、大人が故に、自分の気持を抑し殺そうとする姿、愛し愛されることを始めて知った、明良が葛城を一途に想う姿…
読んでいると、痛いくらい切ない気持にさせられました。

アパートの住人たちがユニークな人達で‼
特に、葛城を取り合い喧嘩ばかりする美紅と明良の関係がいいんです。
いつもはキャンキャン言ってるのに、美紅がご飯作ったり、それを幸せそうに食べる明良の2人にホッとさせられるんです。
結構、重たくて痛い系のお話展開なので、このシーンは微笑ましかったです。
あと、葛城と暮らし始め、優しくされ、大人に懐いき、子供らしい面を見せていく明良が可愛らしかった‼

最期の方は、まだ子供な明良に本気になった葛城が、大人として、将来を見据えた恋愛をきちんと考えていて…
と普段は無精髭で粗暴な葛城の真剣さが伝わってきて、男前度はUPするし、気持も充分わかるんだけど…。
でも、そこまで考えが回らない明良が寂しそうだったので、もう少し恋愛ボケした葛城でいてあげて欲しかったです(笑)

ただ、明良への気持を押さえ込もうとする葛城が、行きずりの青年と青姦してるシーンはちょっと罪悪感が残って嫌でした(笑)
あと、葛城か追っていた事件も中途半端さが残るので、続いたら面白いかもしれないなあ〜と思いながら読みました‼

比較的読みやすいですけど、クセのある展開のお話なので、精神的に痛いのを好まない方は避けた方がいいかもしれないです(笑)
それが大丈夫なら楽しめる作品です‼

1

オヤジがウリをやってる少年を拾う話。

キラキラ加工の表紙に少々圧倒されたのもあって(初めて見たので)、
正直あんまり期待しないで読み始めたんですけど(失礼ですみません・・・)、
いやいや、思いのほかとても楽しめました~☆

オヤジがウリをやってる少年を拾う。
なんだかよくありそうな展開だなぁと、最初は思いました。
自分はBL歴が短いんで実際に前に読んだというわけじゃないのですが、イメージ的に。
でも、そんな思いはすぐに消し飛んで、夢中になって読んじゃいました♪

拾われた少年が一緒に住むことになったボロアパートには、
元ヤクザでいつも喧嘩ばかりの2人の男に、ソープ嬢に、インド人と、個性的な住人が。
そりゃもちろん、
拾ったオヤジ × 拾われた少年
の話が中心なわけですが、上記の個性的な面々などとのふれあいなどを経て、
少年が当たり前のことを感じ吸収していく様子が、丁寧に書かれているのがよかったです。

あと、未成年の少年に手を出すことへのオヤジの葛藤も、
堂々巡りの悶々とした描かれ方はしていなくて、信頼できる人に相談したりと、
ちゃんとアクションを起こしていて好感がもてました。

あ~、でも違う相手とヤル場面が出てくるので、それは嫌な人には嫌かもしれませんね。
自分はそれもリアルっぽくていいなぁと思ったのですが。

ある面はとてもシリアスだけど、アットホーム感も感じられ、生々しいエロさもあり。
そのバランス加減がとても読みやすい素敵な一冊でした。

5

本気のオヤジは、ぅんごいの

ついうっかり怪我した迷い猫を拾っちゃったオヤジのお話。

この愛を知らずに育ってしまったコネコちゃんが、オヤジの住んでいるぼろアパートの一癖ある住人達と付き合ううちに、安心できる自分の居場所を見つけていくのですが、愛されたことがないので、なかなか自分に素直になれず、憎まれ口ばかり。
対するオヤジの方も、アキラがどんな生活を送ってきたか知っているだけに、親切が恋愛感情に変わっているのを自覚しても、関係を進めるのに躊躇してしまいます。
そんな硬直状態が続いているとき、椎名の追っていいる事件がらみで、アキラが拉致されてしまい…

物語の根本は、甘甘な年の差ラブですが、そこに、談合だの天下りだの汚職だの虐待だのっていう、シリアスな味付けが、「味付け」っていう絶妙な活かされ方をしています。
アパートの住人達との関係も絶妙。
結末も希望のもてるハッピーエンドで、最終的な読後感はとてもよかったです。

1

意外と社会派なお話だよ

施設を逃げ出し身体を売りながら生きてきた明良を保護したフリーライターの葛城。
正義感溢れ、モラルをはずれまいとする葛城と、温かい家庭を知らない明良のアパート生活が始まります。

ソープ嬢美紅をはじめとする個性溢れるアパートの住人たち、葛城の取材を妨害しようとする男たち、2話目では葛城の兄の子・友喜が絡まって、守り守られるだけの関係から、どうにも我慢ができなくなる状況に発展していくのです。

明良が魔性なのはともかくとして、葛城が明良への気持ちをどうにか踏みとどまらせようと足掻く様がなかなかいじましいところです。
なんとかいい人でいようとするオジサン。
明良が成長するまで我慢すると言い出したときには、却って呆れそうになってしまいましたが、やっぱり我慢が効きませんでしたね。

2話目の友喜とのお話では、明良が結構子供化していて大人気ない気もするのですが、一旦子供時代をやり直しながら周りの人との人間関係を築いていくのが、正しい成長のさせ方なのかなとも思いました。

また、お話の中で時々語られる、今の世の中への苦言もなかなかよかったです。天下りの問題、老老介護や補助金の問題、家庭崩壊の問題、心から発する言葉の持つ意味など、そのへんのモラルの無い人に読ませてあげたいくらいです。

ちなみに、一番好きな登場人物は、美紅ちゃんです。BLなのに、女の子が魅力的・・・

2

淋しさがわからない孤独

拾った子猫が不幸で同情のあげくに……と言うのはよくある話しと思いますが、大概の受けというのは淋しさをわかっていながら淋しくないフリをするパターンが多いと思うのです。
強がりというか、それがプライドだったりする。
それがこの明良は淋しいことさえ感じていない、わかっていなかったりする。
ついでに「ウリ」の何が悪いのかさえまったくわからない。

生い立ちが生い立ちなだけに、確かに生きていく為には最低限必要なものがあり、それを手に入れて何が悪い……と言われればたいていの大人は黙るしかないでしょう。
それが駄目なら盗むか死ぬしかない。
この攻めの葛城もしかり。
だから彼を連れて帰り、自分の手元で養うしかその答えがなかったのです。
そして葛城は思う、悪いのは明良ではなく周りの大人でありこの国(政治)であると。

葛城はフリーターで世の矛盾と戦っている男なのでなおさらそう思うのでしょう。
ちょっと現実に帰っても、豊かだと言われるこの国で幸せだという子供達が何割いるのでしょうね。
忙しい両親や身勝手な大人に振り回される子供達がずいぶん居ると思います。
総中流家庭と言われながら、実は生活に困っている子供達だって多いはず。
葛城でなくともちょっと考えてしまったのでした。

前半の話は無自覚な明良が哀れではありましたが、無自覚なだけに本人に悲壮さがありませんでした。
後半、葛城のアパートに住み着いた明良はそこの個性的な住人達にも可愛がられて幸せだったのですが、そこにライバル出現。
なんと葛城の甥@10歳の少年。
このチビッコに猛烈にヤキモチを焼く明良。
それは現実を実感して地に足が付いたからこそなのですが、「幸せ」を感じ取った後はそれをなくしたくないと必死になってしまう。
そこはもう16歳の明良が10歳児のレベルになってしまって本気でやり合ってしまう。

これを浅はかとか、愚かとは言えないものが漂います。
見ようによっては幼稚園児並みの対抗意識が哀れさを誘って泣けました。

やはり子供は子供らしく育って、順当に大人の階段を上がって欲しいとつくづく思ってします。

「愛とバクダン」を彷彿とさせましたが、中原さんはこういうお話が上手いと思いました。


3

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