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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
このお話、もうほんと、私的にツボでシリーズ中でも一番好きな作品なのです。
受けはため息の出るよな麗人エシル皇子、でも外見を裏切る勇敢な騎士でもあります。攻めは傲岸不遜なフレア、その名のように炎のごとく苛烈な王。
互いの国は不仲です。でも幼い時、ふたりはであったことがある。虚弱だったエシルを外に連れ出し丈夫にしてくれたのは、じつはフレア。
再会は争乱のなか。
エシルの胸中にはフレアへの思慕とともに自国への侵攻に対する怒りが・・・
フレアはエシルが幼かったあの子だとは気がつきません。ただその美貌に心揺さぶられ、また意のままにならぬ(外交的に)ことにいらだちます。
ロミジュリというよりは、ほぼ対等な力関係にある者同士のせめぎあい?
誤解からはじまった体の関係ですが、互いに複雑な思いを抱えながら、ある意味、相思相愛。
後にハーレクイン的展開(すまなかった、誤解だったと言ってヒーローが、ヒロインに跪くってパターンね!)もあったりして、まるく納まるのだけど。
エシルに仕える小精霊リルが無茶苦茶カワイイ!
鳥かごに閉じ込められるほど小さいけど、エシルのためなら一歩もひきません。
精霊と王の組み合わせで、国を守護する世界。ちょっと十二国記風かな。
シリーズの序章というかんじで、本筋の事件はここからだけど。ラブのほうでめちゃ萌えてしまいました。
エシルとリルの出会い、リルが成体にメタモルフォーゼする場面等、美しい見せ場も多く、読んでいて実に楽しく心地よかったです。
攻・エン国の国王 フレア(32)
受・シュン国の皇太子 エシル(28)
聖霊の加護を受けて成り立つ世界の国の物語。
エン(火を3つ書きます)国は、文字通り火の聖霊に護られた国。
温泉がよく出てます。
ある年、もともと雨の少ないエン国に全く雨が降らず、水が不足して困っていました。
水の国であるシュン(泉を3つ書きます)国からの水量も不足し、このままでは全てが干乾びてしまうという事態に。
供給量を増やして欲しいと頼んでも、シュン国の王は表に出てこず、皇太子のエシルは「NO」という返事しか返してこない。
こうなれば実力行使とばかりに、フレアはシュン国に攻め込み、エシルを人質にして水の供給量を大幅に増加させます。
エシルが供給量を増やそうとしなかったのは、シュン国でも水が足りているというわけではなかったからです。
国王と聖霊の一組で国を護っています。
しかしシュン国の国王(エシルの父)は病気で、おそらく命は長くはない。
国王の生命力が弱ると、守護する聖霊の力も弱くなります。
そのため水の国であるシュンでも水が不足していたのです。
フレアに捕らえられエン国への供給量を増やしたことで、逆にシュン国が深刻な水不足になり、暴動が起きます。
それを知ったエシルは国に戻ろうとしますが、フレアに阻まれ、組み敷かれてしまう。
抵抗するエシルに、
「おとなしくするなら、水量を考慮するぞ」
と言われて、憎からずフレアを想っていたエシルは承知してしまいます。
エシルは虚弱な子供時代に、素性を隠してエン国の温泉で療養していた時期があり、そのときにフレアと出会い親しく遊んだことがありました。
フレアはその時の子供がエシルだとは知らないのですが…印象的な面影をエシルに見ており、同一人物だったら良いのにと思っているあたり、最初から両思いです実は。
脅迫に近い取引から始まった2人の関係ですが、新婚旅行かと思うくらい甘々ですよ(笑)。
シュン国の王位交代をきっかけに、世界のあちこちに綻びが生じ、今後のシリーズでは世界が大変な事になりそうですが、2人は誤解も解けて幸せさんです。
結構シリアスな設定なファンタジーなのに、なんだか物語が軽い印象が強かった。
説明的な文が多すぎたのが原因?
地の文で説明されるんじゃなくて、人物達の行動で世界観を表現されていたら、質感のあるファンタジーになったんじゃないかなぁ?
「大好きなひと。」は聖霊同士のラブです。
成人したてのリルが可愛い~。