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トリプルキャストというタイトルが何故なのかと思ったら、設定が複雑ながら良く考えられているお話でした。
BLというより、どちらかというとBL要素のある読み物という感じでした。
ストーリーがしっかりしていて、ヒューマンドラマのような感じです。ですが恋愛のドキドキや萌えとはちょっと違います。
この作品は死ネタになっているのが冒頭すぐわかるのですが、私は死ネタが悲しくて苦手…。あらすじを読んでわからなかったので、最初から分かっていたらもしかしたら手にとらなかったかもしれません。最後は感動的なラストが待っています。
戸越という中学教師の視点でお話は進みます。
鷹という生徒がいじめられていて、何とかしたくて鷹の保護者と話をした帰り、車に轢かれそうになった鷹を庇って戸越は死んでしまいます。
戸越は思いを伝えたい人がいて、まだ死ねないと強く願った結果、鷹となって目覚めます。
鷹は実は霊媒体質で、いじめも不思議な力のある鷹が周りと一線を引いているのも原因の一つ。
鷹が主人公なんだと思うのですが、視点がずっと戸越のため、結局最後まで鷹という人間の人となりが私にはわかりにくく感じました。
イイコなのはわかるのですが、実態がなくふわふわしている感じです。
鷹の身体の中には、もう一人、事故で昏睡状態の鷹の兄、龍之介も住んでいて、戸越を入れて3人の人間が鷹の体内で暮らすことに。
戸越はずっと好きだった男性への思いを抱えていて、すでに結婚して子供もいるその相手に、鷹の身体を借りて「戸越をどう思っていたか」問いかけます。
苦しくてせつないのですが、綺麗なお話だと思いました。
しかし、まだまだ問題は残っているので、お話はこの1冊では何とも言えない感じでした。
最後まで読んでこそ評価できる作品かなぁと思います。