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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2009年刊。
元は1998年にアイスノベルズにて刊行されていた分の新装版に当たる。
今は漫画、小説内で未成年の飲酒喫煙描写は自粛されているようだが、当時の作品ではこの話みたいに高校生でも時々酒を飲んでいたりタバコを吸っていたりする場面に遭遇する事がある。
じゃあその一方で、何でエロ描写は過激になっていくんだ!!って疑問や憤りについては謎だが。
ちなみに紙文庫と電子書籍を比較してみたところ、主人公の悠紀が飲酒・喫煙で寂しさを紛らわせる描写に関しては変更されていない。
冷え切った家庭環境に心休まらない瑛司と悠紀は、満員電車内で偶然出逢ったきっかけから日頃抱えていた葛藤から逃れたくて身体の関係を持ってしまう。
しかしもう一度逢いたいという思いが勝って、ズルズルと逢瀬を重ねていく。
この二人は不倫関係になるのだが、瑛司側の夫婦の描写が一切なく、新婚当初から破綻している事情があるせいか禁忌さは極めて薄い。
それよりも深刻だなと感じたのが悠紀の家庭事情のほうで、高校生なのに彼が抱えている孤独さが相当根深い。
たとえ暴力は一切振るわなくとも、仕事に没頭するあまりに息子には全く構う事なく無関心でいられる父親なんて、充分にネグレクトに値する。
瑛司の側に居たいのに、プライベートに干渉しないのを意識しすぎたのが災いしてしまい、一旦二人の関係が途絶えてしまった末に悠紀は倒れてしまうが、可哀想なばかりでなくちゃんと救いもあるのでご安心を。
悠紀が寂しさのあまりに欲した愛情ってのは、恋人(瑛司)からのものと家族(父親)からのもので、彼にとってはどちらも欠かせないものだ。
それが十代の彼目線で、切実に欲している気持ちが書かれている良作だと思う。
1998年アイスノベルズを加筆修正されて文庫化したものだそうです。あとがきの後にショート12ページがあります。
表題作は、家族の愛に飢えている二人が出会い、惹かれ合うというストーリーです。
ショートは本編終了後の同居している甘い生活の話です。そうめんであたふたするのが可愛いです!
悠紀(受け)と瑛司(攻め)両方の視点で進んでいくので、惹かれていく心情が分かりやすいです。なので、不倫があんまり得意でない私でもそれほど抵抗がなかったです。
説明しづらいのですが、読後の印象ではピュアという表現が似合う作品だと思いました。運命の出会いというより、出会ったタイミングが良かったのではという気がしました。たぶんちょっとズレていたら続くことはなかったのではと。その繊細な雰囲気が高星先生のイラストはぴったり合っていると思います。
父親の愛情も分かりますし、瑛司は離婚して心機一転という丸く収まるエンドで読みやすい作品です。社会人×高校生カップルがお好きな方にお勧めです。
ただ、瑛司は結婚している状態で悠紀に手を出しますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。
う~ん・・・何と言ったらいいんでしょうか。
私はうえださんが大好きなんですが、正直うえださん作品を読んだという感じがしませんでした。
いえ、これがデビュー作だとすると十分な水準だとは思います。ただ、私の好みではなかったですね。私が(あくまでも個人的に)うえださんに期待するものがなかったというか・・・
ほかの作品のレビューでも書いていますが、私は『うえださんの年の差(年上攻)もの』はほぼ合いません。『年の差(年上攻)』というシチュエーション自体はもう堪らなく好きなんだけど。
設定そのものは好みなんです。『年の差』も『健気受』も『切ないすれ違い』も好きなんですよ。
なのに何故!?というくらい乗れませんでした。
と言いますか、設定は好き要素ばかりなんだけど、実際読んだらなんか違ったんです。
『健気受』はこの上なく好きですが、この悠紀(受)の『健気さ』はどうも・・・それどころか『これ、健気かなあ』とさえ考えてしまった。
それに『すれ違い』も、背景にあるのがお互いの家族・親子関係で、それがちょっとしつこいというかうるさ過ぎ。
ラブが霞みそうなくらい、親子の問題が目立ってると感じてしまいました。
しかも、結局のところ事実としては『不倫』です。
私は『不倫』は絶対無理とは言いませんが、できればBLでは読みたくない題材です。特にメインCPの間では(当て馬なり第三者との不倫ならまたちょっと違うかな)。
何とも微妙な作品でしたね。
ただ、高星さんのイラストはとても綺麗で素敵でした。
一回りの年の差カップルなので、瑛司はオトナなんですよねぇ。それがいいような悪いような。
狡さだって見え隠れもしてますし。
それに対して、悠紀は恋の駆け引きすら出来ないコドモ。
瑛司の気持ちが欲しくて欲しくて仕方がないけれど、それを口に出すと関係が壊れてしまうかもしれないという恐怖。
甘えたいのに甘えられない。
カラダから始まった関係だけに、好きだって言えなくて、ひとりであれこれ抱え込んじゃって。
このあたり、かなり辛かったなぁ。
悠紀がこんなにも思い悩んじゃったのは、結局父親にもかなりの度合いで責任があることは間違いがなく。
お互い、自分の中で考えて、解り合えていなかったことが原因ではあるけれど、こんなにも拗れる前に何とかしようと思わなかったのか父!
父への思いが強すぎて、瑛司についフラフラとなったわけじゃないよね、悠紀。
オバチャンはそれだけが心配なんだよ~。
でも、いろいろと抱え込んじゃう悠紀には、大らかでオトナな瑛司がしっかり甘やかせてあげて欲しいなぁ。悠紀も、瑛司のそばでしっかり未来へと歩んでいって欲しいです。
ストーリーの流れが少しだらだらしていた気がします。
恋愛模様より親子の愛情について書かれていたように思います。
攻めも受けも親子関係に苦労していて、お互いにそのことを話した訳じゃないけど雰囲気などから「似た境遇だ」と感じとり、惹かれていきます。
大人びて見える悠紀ですが父親に自分への興味を持ってほしくて悩んでいます。その葛藤が私にはちょっとだらだらしすぎに感じました。特に進展もなかった気がするし…
健気に頑張っている子が好きな人には楽しめる気がします。
絶版となっていた、
うえだ真由さんのデビュー作の文庫化です。
11年前の作品ということで、
文章をちょこちょこ直されたそうですが。
ストーリーは全く変えていないそうです。
11年前のノベルズ版をお持ちの方は、
今回の文庫版と読み比べてみるのも
面白いかもしれません。
私は残念ながら、
ノベルズ版を持っていませんが……
ストーリーは高校生とサラリーマン。
年の差恋物語です。
親の愛情に飢えている高校生・悠紀が、
寂しさを忘れるためにサラリーマン・鷹宮を自ら誘い
関係を持ってしまいます。
『一度だけ』という約束が、
二度、三度と続いていく逢瀬。
体から始まった関係から、
いつしか相手を愛しいと思う気持ちが生まれますが。
お互いに事情があるので、
好きだと告げる事が出来ません。
好きという気持ちを見ない振り、
気がつかない振りをして、
自分の気持ちをセーブする、
二人の姿が切ないのです!!
何となく『愛されているのかも?』と
感じていても、それを確認出来ないもどかしさ。
両片思いのすれ違いを
たっぷり楽しめる作品でした。