お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
Kreutzer Sonate no yume
ちょ…、最後、声あげて号泣してしまったじゃないか。
悲劇的な結末しかありえないのは途中からはっきり分かるのですが、それでも耐えきれなかったです。
ロミジュリ設定での悲劇は、大円団と同じぐらいの予定調和なんですよね。
水壬楓子さんのデビュー作です。投稿作品。
物語への愛というか魂を感じました。
手抜きの存在しえないデビュー作って、その作家さんの情熱のすべてが詰まってるってよく言われますが、この作品もそんな感じでした。
舞台はイギリス。
アイルランドとイングランドの血で血を洗う歴史がバックグラウンドにあります。一個人の力ではどうにもならない、テロや戦争、侵略の歴史。
なにも知らないままで恋を育むふたりの幸せな前半と、すべてを知ったあとのひたすら苦しい後半、その対比がすごかったです。
ゆっくり育てあげてきてたふたりの優しい恋だけじゃなく、ふたりがそれぞれ大事にしてた仕事や音楽、人間関係といったものが、すべてボロボロと壊れていく…。
たまらんかったです。
悲しい予定調和なのに、なぜか美しい。
ラストシーンはまるで映画みたいでした。映像が見えたし音楽が聴こえました。