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kaku mo gouin na kare ni boku wa
広告業界に関係する男たちのお話が2話入っています。
表題作は、顔も身体もお仕事も、三拍子揃った俺様気味な川埜と、美貌の割りに気さくで真面目、CM製作のセンスはいいものの小さい会社のためになかなかそれが発揮できない塚越が、ある企業のCM製作のオリエンテーション会場で出会ったことから始まります。
塚越の才能は認めながら、出来レースから手を引くように言ってみたり、都合も考えずに代わりの仕事を回してきたり、セクハラととられてもおかしくないようなアピールをしてきたり、終始、川埜の傍若無人ぶりが発揮されているのですが、それでも仕事における川埜の指摘は的確で、憧れ尊敬できる部分が多いので、塚越はどんどんほだされていくのでありました。
このお話の特徴は、なんといっても川埜が“強引”な割りに当りがやわらかいところでしょうか。
やっていることは結構強引なのですが、なにかにつけさらりとかわしてしまうようなスマートさがあるのです。今までよくあるタイプの俺様とは一線を画している感じ。
塚越くんの、美貌にも才能にもおごらずに、いつも一生懸命頑張っている姿も好感が持てました。
スピンオフ作品【かくも冷淡な彼に僕は】、カバーイラストはこの二人です。
川埜と同じ会社のデキる後輩、代議士の家系に生まれたゲイの二階堂と、二階堂家に何かわだかまりのある、フリーカメラマン・小曾根のお話。
仕事で組むことになった二人ですが、二階堂が一生懸命な割りに小曾根の方は機嫌が悪くて・・・。
間違いなくマゾっ気があるでしょうと言いたくなるくらい打たれ強く我慢強いド近眼(ここ重要)の二階堂は、以前から小曾根のファンでもあって、嫌がられていることはわかっていながら、現場が上手く回るよう、自分の仕事をこなしています。
ある日酔っぱらった小曾根ととうとう関係を持ってしまい・・・
仕事で組むことになった塚越に向ける小曾根の視線に嫉妬し、それでも抱かれることを悦び、心が自分に向いていないことに気落ちする日々。
追い討ちをかけるように嫌いな理由を聞かされ、さらに父親の賄賂疑惑事件が・・・
こちらのお話で何が凄いといえば、二階堂の人間性でしょうか。
自分を殺し、冷静に判断し、周囲が滞りなく回るように気を配る、普通だったらキレてしまってもおかしくないくらいの逆境に置かれても、その冷静さを崩さす静かに仕事を全うする。一番大人で男前なのはこの人だと思いました。
で、その彼の内面の葛藤たるや痛々しいくらいなので、最終的に誤解も解けて小曾根に受け入れられたときにはよかったねと涙ぐんでしまいましたよ。
全編を通して、広告業界の裏側や代議士の事件など、お仕事スキーにも満足のいくお仕事っぷりでうれしかったです。
表題作とそのスピンオフの中編の2編です。
まずなんといってもイラストがいいです。
朝南さんのうっとりすような艶っぽい男達です。
表題作 『かくも強引な彼に俺は』
川埜。
見てくれ良し仕事もできて金もある。人生で一度も挫折したことがない一流広告会社のトップ営業マン。
こういったパーフェクトな男は男にも女にもモテモテで自信家で傲慢な男なんだろうな、それでもって誠実で努力家の受けを翻弄し意地悪く攻めるドSだったりするんだろうなと思って読み始めました。
主役二人はだいたいそんな感じの人たちでしたが、1冊の半分というボリュームで初対面からいろいろあって愛が生まれるに至る展開が早すぎてすごくもったいなかったです。
才能はあるのに小さな広告代理店ではなかなかチャンスに恵まれない塚越。参加しようと思っていたコンペで、川埜からこれは出来レースだから参加しても無駄だと言われればプライドの高い塚越は憤慨し参加して勝ち取ってやる!と思ったけれど上司からここは引いておいて恩を売れと言われてしまう。
というはじまり方からして期待してしまったのですが、広告会社の仕事の面白さや派手さをもっと見てみたかったです。
そんな中で、始めは嫌味なやつだと思っていたのにだんだんいいやつじゃんになって、でもゲイじゃないしと葛藤し…という段階が短縮されて萌えきる前に終わってしまいました。
いつのまにか塚越がうっかり川埜とそんな関係になってしまったみたいで(短くてはっきり書かれていないので最後まで致されたのか不明)
まさに朝チュン状態。
義月さんの作品でなんで…な気分なのですが、すごく中途半端です。
最後にもう一回そういう機会はありますが、そちらもあっさりした感じで肩すかしでした。
こってり濃厚なシーンがないとダメということはないけれどあまりにも薄味過ぎるのも残念な気分です。
そしてスピンオフ編 『かくも冷淡な彼に僕は』
異例なことにカバーイラストは表題作じゃなくてこちらです。
塚越のことをそういった意味でも気に入ったカメラマンの小木曽と川埜の部下の営業マン。
政治家一家の長男として生まれたサラブレッド、でも政治の地盤は継がないと決めている二階堂。ゲイなので秘密がばれスキャンダルになる恐れがあるので政治家にはならないと祖父と父には明言している。
前作ではちゃらめだけどとっても男前な感じのカメラマンさんがここではなんか冷たい皮肉屋さんです。
なんか恨みでもある?っていうくらい二階堂には厳しいです。
仕事で付き合ううちに誤解から印象を悪くしていたことが分かったんですけど、こちらの方もやっぱりページ数が少なくて設定は面白そうなのに駆け足な印象。
1冊丸ごとでもっと仕事がらみや心情の変化を丁寧に描いてくれたら一層楽しめたと思います。
スピンオフと合わせて2冊でもきっと買ってしまったと思います。
圧縮版でお財布に親切(?)と思わなくもないけれど、惜しいです。
これって義月さんの本ですよね?って確認したくらいエロがあっさりでびっくりしました。
ですがキャラはなかなかひと癖もふた癖もあってこゆ~い人々でした。
何と言っても朝南さんの絵が、カッコよすぎなんですよ。
表紙は表題作のカプでなくて「冷淡な彼」のほうで、中表紙のカラーイラストが「強引な彼」のほう。
これからも見てわかるように、「冷淡な彼」のほうのヒゲのキャラが全てを喰っちまってるんですわ!
ものすごい曲者だったんですよ。
お話は広告業界を舞台に大手広告代理店に勤めるイケメンと弱小代理店のプランナーが「かくも強引な~」のお話。
何だか二人とも絵にかいたようなイケメンで、おまけに業界ですから夢のようなカプ。
しかし、二人ともワーカホリックでかなり仕事の部分の描写が多いです。
あと強引とされる大手代理店の川埜ですが、塚超がキレイだからとコナかけて、能力を計るように見て何度も食事に誘ってあきらめない押すタイプの人ではありましたが、強引かというとそうでも・・・
「かくも冷淡~」なでは「強引」に出てきたヒゲのカメラマン小曽根が憎たらしいほどの存在感です。
これって好き嫌いがはっきり分かれそうなキャラですが、惚れる人は惚れる、キャラ惚れを催す人ですよ。
ゲイで代議士二世の二階堂は、元から小曽根のファンでしたが代理店に入り彼と仕事をするようになり、憧れの目でみるものの恋人なんて夢のまた夢とあきらめてはおりました。
しかし、何かと仕事で一緒になるうちに小曽根にもてあそばれて。
悪い大人の小曽根は真面目な二階堂を泣かせたくて意地悪ばかりするんですよね。
絶対、そのうち二階堂に捨てられると思うな~
仕事の話が大部分を占めるものの、難しくなく、あっさりと読めてしまって以外な一冊です。
萌えかといわれると・・・キャラ惚れはしたんですが・・・中立ということで。
やっぱり義月さんにはガッツリエロが欲しいかな?