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horizon blue
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
南の孤島、刻々と変わる海の色、空の色。
島の自然の力に、癒され、見失っていた自分を取り戻し、再生していく。
一見穏やかに、普通に日々を過ごしているような宮緋。
崇臣は、宮緋に、芸能人としてではなく、都会から来た、一人の男として扱われていくうちに、見失っていた自分を取り戻していきます
そして、宮緋への思いが何であるかにも。
心の中に育てた感情が、恋だと認識して、それからようやく、本当の意味で結ばれる二人。
実に爽やかで、祝福感に溢れる結末でした。
この夏、どこか南の島へ行って、ゆっくり海を見たくなるような、
これがCD化されるなら、一誠は近藤さんで、宮緋は阿部さんがいいかなぁ。
ワケありの芸能人・小早川(22歳)とワケありの青年・宮緋(27歳)のひと夏のお話。
この“ワケあり”の内容がなかなか明らかにされないのがこのお話の特徴かと思います。
自分も克服しなくてはいけないものを抱えていて、祖父母が経営している民宿に居候している宮緋が、海に身投げした小早川を助け、不本意ながら同居生活をするうちに・・・
不自由な島の生活で、何もできない小早川のことを疎ましがりながらも仕事を手伝わせたりと、
一緒に行動するうちに少しずつ心を開いていく宮緋。
始めのうちは傍若無人な態度を見せてもいたけれど、意外と素直ないい奴だった小早川。
小早川の方が宮緋に積極的にアピールするようになり・・・
そこでやっと、宮緋の過去が明かされていくわけですが、それは小早川の悩みよりはるかに辛いもので・・・
それぞれが簡単には克服できない問題を抱えているのに、相手がはまり込んでいる深淵から引きずり出してやろうとしている様は、そのぶつかり合いが痛々しくも見えますが、
彼らには必要なものだったのねとキュンとくるものでもありました。
夏の海、台風の夜、船の上の一夜、ホライズンブルーの海、これからの季節に読んでこそでしょうか。
ワケありの部分をここに書いちゃうと面白さが半減しそうなので、自重しておきます。
真崎さんは割と好きな作家さんなのですが、表紙のなんとなく儚げな雰囲気につられて読んでみました。
舞台は本土から出ている船の定期便で行かないと行けないような離れ小島。
そこで民宿を営んでいる祖父母を手伝っている宮緋とある日着の身着のままでその島を訪ねてきた崇臣が主人公です。
2人は普通でない出会い方をするのですが、一緒に時間を過ごすうちに2人に訪れる変化がゆっくりと描かれています。
娯楽施設が一切ないような田舎の島のゆったりとした時間の中で過ぎていく1日1日。
素朴な島の人達とのふれあいや美しい海の情景を読んでいると、こちらも癒される気がしました。
主人公は2人とも素直に感情を口にするタイプではないので、恋愛面ではなかなか焦らされました。
切なさ度も高めだと思います。