真音 1

shinon

真音 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×215
  • 萌8
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
10
得点
271
評価数
66
平均
4.2 / 5
神率
56.1%
著者
谷崎泉 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻生海 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
真音
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344816527

あらすじ

母親の借金を背負った新藤は、暴力団に連れてこられ、本部長の富樫に気に入られてしまい…。雑誌連載の人気作、遂に新書化!!
出版社より

表題作真音 1

諏訪組本部長
21歳,母親の借金を背負った青年

レビュー投稿数10

少年院を出て間もない青年の転機

読み応えある二段組みで骨太な小説。
文章に癖があるって訳ではないが、食事に例えて言うならば早食いできずにじっくりと噛み砕きながら味わうように読み進める必要があった。
三人称なのに進藤、富樫、槙原の視点がしょっちゅう切り替わるが、それを追ううちに登場人物に感情移入してしまいそうになる。
まず読み始めてみて、薄幸とか心に傷を負っているっていうのと一線を引いた感じの、欲や願望が欠落したかのような雰囲気の進藤に惹かれた。

一巻は少年院を出て間もない進藤がヤクザ者の槙原との出会いから富樫への引き合わせ、更に『さめ』に連れていってもらった事が転機へ繋がっていく。
天涯孤独の身となった進藤が、槙原やさめさんに世話を焼いてもらう様子に人情味があっていいなと感じる。

一方、初対面で進藤の何処にピンときたのか分からないまま執着を見せる富樫に対して、全くなびこうとしない進藤。
必死に拒むが逃げ道を塞がれていく、それでも富樫を拒否する日々の中で進藤がその後どうやって彼を受け入れていくのかが今後気になる。

また、富樫と彼を組のトップにしたいと思っている槙原やさめさんの、敢えてお互いの過去に触れようとしない大人同士の態度には何があったかってのを充分に匂わせるものがある。

5

さっさと次巻へGO!

進藤は母親の借金がもとでヤクザの槙原と出会い、槙原の上司である富樫に何故か気に入られつきまとわれる。槙原にはなつくけれども、富樫には最初の出会いから苦手意識を持つ進藤だけれども、強引に押し倒されてしまう。富樫は富樫で、なかなかなびかない進藤を訝しみつつも、どんどん進藤に嵌まっていく…。
理不尽の塊みたいな富樫なのですが、どこか憎めないです。
富樫はヤクザではあるのですが、成り行きでそうなっただけで、面子や義理を重んじるヤクザを面倒に思うような、ヤクザの世界でもアウトローな感じで、サポートする槙原は苦労しています。
槙原は槙原で、何かしら事情があるのか、富樫と槙原の関係は特別な感じで…。
いつの間にか話に引き込まれてて、次巻を手にとる間ももどかしいほどです。読んだのが全巻出版された後でよかったと思いました。

1

過去が気になる

それぞれ雰囲気のある富樫、進藤、槙原の3人のキャラが作品を引き立てていました。
欲がなく全てを諦めているかのような淡々とした進藤の過去が気になります。

富樫にちょっかいを出され、その理由が全く分からず嫌悪感を抱いていた進藤でしたが、強引な富樫のペースに引き込まれついに体まで奪われてしまいます。
心は許していないのに、体は反応してしまう。
初めてを奪われた進藤がエロいです。

3人とも口数が少ないので、いろいろ気になって、早く2巻が読みたいです。

1

すぐに続きを手に取る!

母親の借金を負わされた21歳の進藤。
勤め先の工場にヤクザの槙原が訪ねてきたのをきっかけに、
工場を辞めさせられ、そして新しい日々が始まる。
槙原から連れて行かれた先で出会った、
猛禽のようなヤクザの幹部・富樫……

出会い頭に迫ってくる富樫と、逃げる進藤。
この二人の関係はどうなっていくのか?
進藤、富樫、槙原、それぞれが抱える過去は?


1巻はまだ導入部という感じだが、
呑み屋の女将のさめさんの造形も魅力的で
続きを読むのを我慢出来ない。


新宿の街のくすんだ色合いの中で、強烈な存在感を放つ富樫と
淡々と強く澄んだ存在感の進藤。
この二人の関係がどうなるのか?
BL的には、進藤は富樫に落ちるのか?が焦点なんだろうけれど
それよりも描かれる男達の物語自体に惹き付けられる。
先が気になりHシーンをまるっと飛ばして読んでしまったのは、
BL読みとしては邪道の極みだろうが、これはそういう作品なのだ。


書き下ろしの「邂逅」は、10年前の富樫と槙原の出会い。
地味な槙原がまたいいのだが、
書き下ろしも2巻の書き下ろしに続く……って……
ああ!


BL的には糖度も低めだし、萌えというよりもっと真剣に物語に向かってしまうので
評価が難しいのだけれど、間違いなく面白い。
谷崎作品は「しあわせにできる」が大好きだった。
あのコミカルさはないが、キャラクターの魅力は同等かこちらが上か。

富樫は、久遠寺と映を合わせて極道にしたようなタイプ。
受けの進藤は、不幸な育ちだが弱くなく可哀想でもなく、
多くを望まず、かといって縮こまってもいない、独特な個性が美しい。


8

さて、一体どっちがハマっていくのか。

ずっと気になっていたお話。
ようやく手に取りました。

母親が残した借金を取り立てに、ヤクザがやって来た。
とぼけることもできたのに真面目に返済を考えていると、とある暴力団の事務所に連れて来られた進藤。
そこで本部長という肩書きの富樫に出会い、気に入られてしまう。

自分に自信があり傲慢で何でも手にしている富樫は進藤に、何でもくれてやる、と甘言を囁き続けますが、進藤は何もいらないとつれない態度。

何にも動じず、いつも冷静な進藤。
その過去はワケアリで、どこか仄暗い雰囲気を漂わせながらも、どこか真っ直ぐで澄んでいる。
富樫に翻弄されながらも決して流されず、そこに富樫もどんどん惹き寄せられ…。

もっとあまあまラブラブさを求めている方には物足りなく感じてしまうかも。
だけど男として、人として、どこか惹かれてしまう登場人物たちに、BL要素云々よりもストーリーを楽しんでしまう。
進藤や富樫は勿論、槙原やさめも一癖あり、おもしろい。

さてこれから一体二人はどうなっていくのか。
一体過去に何があったのか。

富樫と進藤。
一体どっちがハマっていくんでしょうね。

4

ややこしげな過去のある人だらけの

ふと思い立って久々に電子書籍版を購入しなおしての再読。ちなみに電子書籍版には口絵や挿絵は収録されていませんので、イラストも重視される方はご注意ください。

このシリーズ、ざっくり分類するとヤクザものBLだったりするのでしょうか? 借金を返せない主人公が「ならば身体で返せ」とばかりに暴力団事務所に連れて行かれて…というのは、BLに限らず古来より(?)幾度となく見たパターンですが、その後の展開が独自路線を行きます。

中心となるのは、ヤクザの抗争とか、主人公と"いわゆる攻め"である富樫の肉体関係…ではなく、それぞれに複雑な過去を抱えているらしい主要登場人物たちの心模様です。

派手さはありませんが、1巻を読むと続けてラストまで一気読みしたくなる作品ですね。

0

独特の静けさ

羊の個人的な感想ですが、谷崎さんの小説は良くも悪くも淡々としていて、独特の静けさがあります。今回はそれがすごくいい雰囲気を出していると思います。

まず物語は、進藤(受け)のところに槙原というヤクザが借金の取り立てに来るところから始まります。
この進藤、感情が抜け落ちているというか、何もかも諦めているというか・・・
感情に「現実感が喪失している」のです。

槙原は、進藤の異質さに気づいて、自分の下で使おうと組の事務所に連れていくのですが、組の本部長、富樫は進藤の独特の雰囲気をすぐに気に入ってしまい、「俺のもんになれば望みの生活をさせてやる。金が欲しいならいくらでもやる。」
今どきヒヒジジイでも使わねーよ!そんな口説き文句!
相手を見て口説き文句は考えましょうね。。。進藤には望みも欲もないんですから。

この辺は少々マンネリ気味の展開なのですが、それだけが軸で物語が進むわけじゃないのが、なんかイイ!
ほとんどは進藤の淡々とした日常風景。その日常生活の中心は富樫ではなく、色々面倒見てくれる槙原と、槙原の行きつけの定食屋のばあさん、「さめ」なんです。

槙原、いい味出してます。進藤に仕事紹介してやり、飯食わせてやり、借金つくって逃げてた進藤の母親が事故で亡くなると、葬式代まで立て替えてやる。甘くはなく、ちゃんとヤクザでおっさんなのに、なんだかイイ人。。。

自分から連絡の取れない進藤は、毎日槙原が仕事場に来るのを待ち、会えないかと行きつけの定食屋に日参する。ワンコですね。
このへんからだんだん可愛くなってきちゃいました。進藤が。
野良犬生活をしていたら、ご飯を食べさせてくれた人がいた!いい人だ!みたいな(笑)。

そんな進藤の日常にとって、口説いてくる富樫はただの闖入者です。
時々現れては、オイタをしたり、食事に連れ出したり。進藤も知らなかった母親の実家突き止めて、進藤を連れて行ってやったりします。
でも報われない。
軽井沢まで連れて行って「この別荘買ってやる」と求愛しても、「富樫さん、根本的に間違ってるんですよ」なんて言われちゃう。
いよいよ進藤を最後まで抱いたのに、その後会いに行ったら、「富樫さんを頼る理由はない、あなたのものになるつもりはない」なんて言われちゃう。
もう富樫がだんだん不憫になってきちゃいました。(笑)
草食動物に恋をして、毎日お肉をプレゼントして求愛してる狼みたいです。
根本的にプレゼントするものが間違ってることに気付かず首をかしげる狼。可哀相でいいです。

それに、富樫は過去に色恋沙汰で何かひどいことになったことがあるらしい???
いったい何があったんだ! ものすげー気になるところです。
一巻は、ここまで!
早く続き読みたいよ~~~。

9

異色作

ヤクザに親の借金、というとBLのテンプレものに思えますが、この話はちょっと違うようです。
莫大な借金のカタに綺麗な男の子が愛人になる……みたいな単純な話ではないようです。
そもそも借金の額が38万とか少額だし(それでも返せないんですが)、一応ボスの富樫は進藤を自分のものにしたい下心はあるものの、部下の槇原は進藤に仕事(パチンコ店員)を紹介して、さらに利子はいらないから……などという展開。
どうやら話はまだ入り口のようです。

ページを開いたら二段組み、嬉しさにわくわくしたのですが、私は本来どうもこの作者さんとは相性が悪いらしく、何度か読んでいるのですが相性が良かったのは「目眩」だけです。
長期シリーズも途中で投げ出したし。
でもこの話は相性がよさそう。続きが気になります。
二段組みで250ページほどを読んだのにまだよくわからない。
ちなみに富樫と進藤は一応Hはあったのですが、まだ恋人じゃありません。
しつこい富樫を進藤が躱すような形で進展は遅々として進まない。
登場人物も多くて魅力的です。
今のところあくどい人物は居ませんが、これからだと思います。
進藤の面倒を見ている槇原がいい人で進藤は富樫よりもこちらに懐いています(カップルにはならない関係ですが)
「さめ」というお料理屋のおばあちゃんもなかなか魅力的な人。
恋愛とは関係ない人たちがなかなかいい味で、BL要素の他にも楽しめる話です。

どうやら富樫、槇原、進藤、もしかしたらさめさんも過去にかなりの曰く付きで、まだそれが明らかになっていません。
その辺が彼らが結びついているきっかけというか原因と言おうか……彼らの人生、生き方の根底にあるようです。
まだまだこれからの話なのかも知れません。
それでも魅力的な話しに思えました。

同時収録の「邂逅」は富樫と槇原の出会い編です。
まだ前半部分の話のようで、出会ってはいますが理解し合ってはいないのでこの話もこれからです。
次回、続きがあるそうなのでこちらも楽しみです。
早めに出てくれることを祈りながら次回も必ず読みます。

しっかりしたストーリーを望む方に
満足度 : ★★★★★
(神作品にならないのはまだBLの展開がわからないから)


5

素直に先が気になった

谷崎さんの続巻ありの作品。
暴力団関係のお話です。


受けの進藤は、何もかも諦めたような様子で感情表現が乏しく、三ヶ月前に少年院から出てきた青年。

攻めの富樫は諏訪組の本部長。
跡目争いで、現在身辺が騒々しく面倒に感じています。


始め進藤は、職場に現れた暴力団員の槙原(富樫の部下)のせいで工場を解雇されますが、その後、槙原によって職と住むところを紹介されます。
槙原が顔つなぎ代わりに合わせたせいで、進藤に興味を持ち積極的に関わっていく富樫。

富樫がなぜ進藤へ惹かれたのかは、あまり表現されていません。
反面、槙原が進藤の世話を焼く理由はきちんと説明されているように感じます。
この時点では、槙原の方が真摯に進藤へ接していて、富樫が進藤を構うのは珍しい相手への興味というだけのようにも思えました。

カップルのふたりの他のサブキャラが皆、悪い人でないので、嫌な気分になりませんでした。
今後、次巻ではどうなるのかひじょうに楽しみです。

読みながら気になったことが一つ。
それは視点がひじょうにわかりづらかったこと。
よく、章ごとに攻め受けで視点が変わることはありますが、この作品は同じ章の中でも視点が誰のものかわかりません。
というか、混ざっている感じ。
それならば誰のものでもなく、筆者視点かと思いきや、進藤であるように読める行もあったり、槙原であったり富樫であったりと行によって色々に読みとれます。
わたしが理解不足なのかもしれませんが、その辺りが読みづらく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
谷崎さんの作品は、先に『リセット』を読んでしまったせいで、こちらの文体が読みづらく感じるのかもしれませんが。

5

老女と主人公の関係性が好きすぎた

まだ1巻だからか、ストーリーの盛り上がりが感じられず、上手くハマりきれなかった。メインカプより老女と主人公の関係性が好きすぎたせいもあるかも。
今のところ進藤に必要なのは槙原とさめさんで、富樫は進藤に道を外させる悪い大人のよう。残り2巻でひっくり返してくれるといいな。

進藤は感情の起伏がなく、常に淡々と事を進める主人公。育ってきた環境はあまり良くなく、少年刑務所から出て来たばかりで、一見不憫タイプっぽい。
が、槙原に出会ってからは、身分証がなくても住むところ・働くところに困らず、何かあってもトントン拍子に上手くいき、人間関係にも恵まれている。

槙原がいなくなることを不安に感じたり、さめさんとの触れ合いで人間らしい感情が芽生えたりと、進藤はしっかり再生への道を歩んでいる感がある。この二人で支援体制は整っていて、富樫の介入が進藤にとって良い影響と思えないのが微妙。

基本的に進藤視点で進むので、ヤクザ側のゴタつき事情は表面的にしか分からない。話のメインではないかもしれないが、富樫の描写が進藤に見せる顔しかないのでは、魅力の全ては伝わってこず物足りない。

富樫との関わりで、進藤の中で自分の気持ちが迷子になっていく。進藤の再生において、槙原は物理的・精神的支援でさめさんは人間性の提供、富樫は破壊と性愛担当なのかな、と思ったり。

1巻のみを読んだ時点では、進藤とさめさんの交流がとても魅力的で、ここをメインにした物語を読んでみたくなった。個人的に、スネに疵を持つ若者が老人と関わる話に弱い。

進藤の抱える闇の原点といえるものはまだ明かされておらず、富樫も匂わせだけで語られていない過去を持っていそう。これらが次巻以降でどう絡み合っていくのか、期待しても良いのかな。

巻末短編は、本編で気になっていたところをじっくり描いてくれている。こちらも途中までで次巻へ続くという。槙原と富樫の関係性は萌えられそうな予感。続きをすぐ読みたい。

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