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himawari no kotoba
「アオゾラのキモチ」「オンレジのココロ」に続く、大人なカップルの話。
メインは、朗の叔父である相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。
二人は、高校の時にカップルになって以来、つかずはなれずの距離で恋人とは呼べない関係を続けてきた。
そんな中、昭生の過去のいざこざから、朗が巻き込まれる事件が起こり、改めて、伊勢との関係も含め、自分の過去に向き合わされることになる。
という話でした。
続き物なので、前までの巻の話をきちんと知っておかないと、朗に何が起こったのか、志鶴に何が起こったのか、というあたりが全然わからず、読むことをオススメします。
読んでいて思ったのですが、昭生が一番、成長できておらず、精神年齢も低いんじゃないかと思ってしまう……
まあ、トラウマを抱えた大人は、実は一番過去に引きずられやすいのだということがよくわかる話ではありました。
こういう痛みは、共感ができるからちょっと辛いですよね。ここまでこじれることはないですが……
なんにせよ、こじれにこじれてこじらせまくった関係を、二人がどう修復するかの話でした。
個人的にこのシリーズで一番嫌いな巻です。
受けの異常な家庭環境、クソみたいな攻め、メンヘラ真っ逆さまな受け、何から何まで気色が悪い。
CP的にはミントが(脇キャラがクソですが)好きで、それ以外はそれぞれ「この受けはクソだか」とか「この攻めはクソだか」とか「もう脇キャラが鬱陶しすぎるな」とか言いながらも読んだんですが、この巻だけは無理でした。
まず受けのメンヘラがすごいです。
これは異様な家庭環境が原因だとは思うので、同情の余地はありました。厨二病のまま大人になった可哀想なメンヘラなんだなぁ、と納得しました。
しかし攻め、テメーはダメだ。
最初の受けとのいざこざはまだ若さゆえ、で済ませられますが、猿でも分かりそうな決定的な失敗を犯し、それで発狂した受けを見て自分がしでかしたことの大きさを知り、その後罪悪感で何年も受けに付き纏い、最後は自分のメンヘラ加減を自覚して歩み寄る受けに「それじゃあ君はこの先どうしたいの?」
もうコイツなんなんだ?って感じでした。
メンヘラの受けに粘着しているところを見ると、多分精神的にはマトモではないのでしょうが、モラハラ臭さがすごいです。
受けを傷付けてしまい、謝罪を受け入れてもらえず、何年想い続けても叶わない。
確かに可哀想ですが、普通にストーカーです。
あと受けは早急にカウンセリングを受ける必要があるように思います。攻めのように「俺は謝ったし誠意を見せ続けた、それにお前だって悪かったんだから、誠意を見せろ。ん?謝ったら次はどうするんだ?ン?ンンー?」みたいな態度を取る奴といると精神を病むだけです。
恐らく共依存とかトラウマとかの関係で離れられなくなっている恐れがあるので距離を取って通院して欲しい。
そして受けの保護者(姉と義兄とその愛人)をまとめてボストンバッグに詰めて川に流したい。
クソみたいなメロドラマ演じる前に子供達を他所にやれ。子供にクソを見せるな……。
受け姉が後半に「攻め君と仲直りしなよ〜」と受けに説教をするシーンがあるんですが、ただでさえ自分の所為でクソ情緒不安定になってる弟のメンタルを穴ぼこ豆腐にした男と復縁させようとする神経に、読んでるだけでどうにかなりそうでした。
確かに受け姉も可哀想な生い立ちですが、子供に歪んだ家庭を押し付けるのは立派に虐待だと思います。「アタシも恋したぁい」とか言っている場合ではない。
受けが姉を指して「アイツは天使だ」って言ってるシーンがあるんですが、虐待児って本当に可哀想なんだなぁとしか思えませんでした。
多分受けは攻めと出会わなければただのメンヘラ、攻めは受けと出会わなければただのモラハラ野郎として一生を終えていたと思います。
でも出会ってしまったが故に、クソメンヘラとクソモラハラ野郎に育ってしまった哀れな共依存カップルと成り果てた感じしかしなくて「なぜ…どうして……」とぐるぐる考えてしまいました。
シリーズ3冊目なので、前2作品を読んでいた方がベストです。
未読の場合は、序盤の店に関係人物がどっとやってきた場面で語られるあれこれは軽く流しておいた方が読みやすい気がします。栢野や朗との関係、喜屋武との過去は後でも語られるので、そちらで理解した方が私には楽でした。
1冊すべて表題作の長編です。昭生(受け)の視点でストーリーは進みます。
皆さまもレビューされていますが、大きなポイントは二つだと思いました。
昭生の姉・ひかりをどうとらえるか。
伊勢の浮気を許せるか。
私は両方とも無理でした…。
ひかりは夫に恋人をつくるように頼みますし、他の家族にも多大な影響を及ぼしている女性です。書きようによってはモンスターになる人物だと思いました。相手が断れないと知っての「お願い」は「命令」に等しいですよね…。
みんな愛し合っていてハッピーというラストですが、恋人(愛人)の亜由美の立場で考えてみたら、ひかりの死を望んだこともあったのではと複雑な気持ちになります。そんなにできた人間ばかりじゃないのは、昭生と伊勢で分かることですし。子供が生まれたとき、亜由美の存在ができたとき、父親が死んだとき、離婚のタイミングはあったでしょうに、妻の座は譲らないとか勝手すぎて怖いです。
ストーリーの肝となる伊勢の浮気ですが…高校時代のたった一度の過ちだしとは思うのですが、吐くほど動揺してた昭生が、一度裏切られたことで信じられなくなるのに非常に共感しました。一日に2人と寝て、比較してあっちを選んだなんて最低ですし、腹いせにそのことをあえて告げるのも酷いと思いました。昭生が他の男に抱かれたと教えられ殴りましたが、気持ちも寄せた自分の方がよほど酷い仕打ちをしたのを棚に上げてと腹立たしかったです。伊勢も反省しているから辛抱強く接していたんでしょうが、時々キレるのが読んでいてまた腹が立って…昭生より私の方が怒っていた気がします(笑)司法試験も昭生が言い出したわけでもないので単なる自己満足に過ぎないのに…と何もかも癇に障りました。
昭生の告白の後の、この十年「別れたつもりはなかった」という伊勢にカッコイイ!となるべきなんでしょうが、「先に別れを言いだしたのは自分じゃないか」と高校時代の場面を思い出して冷めてしまいました。撤回したら良いの?覆水盆に返らずって言葉もあるよと。結局、高校時代の意趣返しのように浮気したり、昭生の好きだからこその告白に「知るかよ」と返したのが本心で、伊勢もそう大人な人物じゃないんだなぁと感じました。終盤の昭生の告白に上から目線なのもムカつきまして…寛容そうで端々に無理が見える伊勢は好きなタイプじゃなかったです。昭生の弱さも丸ごと受けいれられるようなイイ男になろうとするなら素敵だったのですが、許して許してで鬱陶しかったです。
浮気や愛人という不確かな関係を好まないタイプには、素直に楽しみづらい作品だと思いました。ストーリーとしては素敵でした。すれちがいって大好きですし、泣いてしまった場面もひとつではないのですけれど、どうしたら許してくれるんだって許しを得る前提の伊勢がどうにも…許さなくてもいいから傍にいてくれとなぜ言えなんだ!!「やり直すことができる」を加害者の理屈だと一度感じてしまうともうどうにもダメでした。
意地っ張りで繊細な受け、弁護士の攻め、長い間膠着状態のカップル、すれ違い設定がお好きな方にお勧めです。ひかりの自分勝手だけど不思議な魅力や、伊勢の努力を素直に受け入れられる方にお勧めだと思います。私には合いませんでしたが、作品としては素晴らしいです!
前2作品のドラマCDで、昭生(受様)の声を鳥さんがあてている上、
崎谷作品でレビュー高評価なので気になってはいたのですが、
レビューから、痛そう(精神的に)だったので、
なかなか手が出せずにいました。
結果は‥やっぱり痛かった><
複雑な(と簡単にいうにはあまりに複雑な)
家庭環境に育ったせいで他人と距離を置く昭生と、
同級生の伊勢逸見(攻様)。←どっちが苗字??とつっこみたい
歪ながら思いが通じたと思ったが…。
自分が傷つかないように壁を作ってきたのに、
心を許したと思った相手に裏切られてしまう。
それも、昭生が最も嫌うやり方で。
この辺りの描写は昭生に感情移入しすぎて辛かった。
10年もの間、二人はお互いの周りをぐるぐるまわっているだけ
のような気もしますが、ずっと隣にいた人と
ただ幸せになるのに10年もかかったのかと思うと、
ある意味壮大だな…と思います。
ちなみに、他のレビューではひかりが嫌いな方もずいぶん
いらっしゃるようですが、←実はそれもあってなかなか手が出せなかった
私はあまり嫌いじゃあなかったです。
この前作は2つとも前向きの恋を描いたものという印象だったのですが…
いい意味で最後に重いのきたなーって感じです!
自分の周りの環境や気持ちに整理がつけられなくて素直じゃない受け、それを支えようとして勘違いから受けを裏切ってしまった攻め。
どっちも悪くないのに(いや、受けが素直になれば早く通じ合えたかもしれないけど…笑)どんどん悪い方向にすれ違いは進んでいき…切なすぎる!
この作品では、今まで明かされていなかった細かい部分を知ることができたり、なによりこのシリーズは攻めがメロメロなのが私の超好みなところなので…
とっても楽しく読みきれました!
それに、朗視点での家族の感じ方、昭生視点での家族の感じ方が全然違って…そこも見所ではないでしょうか?
とにかくこのシリーズを手にできて良かった\(^o^)/
この続きも出てるようなので、早い内にまた読み進めたいですね!
さてさて。信号機シリーズ第三弾、大人組のご登場です。
過去作品2つでは何やら匂わすような二人でしたが…うっわ、ややこしwwというのが感想でした。
物心つくまえに相馬家の実態に慣れて育った朗とは違い、ある程度育ってしまった昭生の方がトラウマが強いのかもしれません。
受け入れ難い家族の関係。それによって『浮気』が昭生の中では地雷になってしまったのは仕方のないことかも。
だけど伊勢ばかりを攻められない。
だって昭生もコドモなら、当然伊勢だってコドモだったんです。
目に見える愛、耳で聞く愛。そんな確かなものを求めてしまうのも、仕方ない。
それからの二人はもうつかず離れず、腐れ縁というか執着というか。
伊勢よ。それだけ待ち続けることが出来たアンタは実はマゾなんじゃ(笑)
わたし個人の意見としては、一番の罪作りなのはひかりではないのか、と。
死ぬ死ぬ言ってないで普通に恋したらいいじゃん。
ある意味、悪役なのかもしれません。笑
器のデカい女、なのは彼女は多くを望めないから、受け入れる方が楽なんだと思います。
そしてやっぱりあった、喜屋武救済w
完全に救っているわけではないですが…奴もどこか不器用なんでしょう。
と、思ってしまうあたり、崎谷さんに躍らされているのかもしれないww
読んでいる間もやもやとして、ラストで晴らされるんですがその後もしばらくもやもやの消化に時間がかかり、今はすっかり賢者タイムに。そんな読後感のお話でした。
年少組よりも実は臆病でヘタレだった昭生のお話でした。これほどヘタレだとは思わなんだ・・・。かわいくていじめたくなる、弄びたくなるようなかわいさで、かなりな大物のツンデレ。
相馬家(というかほぼひかり)関連は本当に罪つくりですね。読んでいて朗だけでなく昭生の成育歴にも大きく影を落としていたのがわかって、ひかりが許せない気持ちになってしまいました。
元々の性格もあったんでしょうが、それにしても。ひかりは結局死ぬ死ぬ詐欺のようで、看病疲れする家族のことを本気で考えたことあるのかな?と思ってしまいました。その辺は昭生との会話と滋のセリフで多少フォローされていましたが、足りなかったです。
それとどうしても謎だったのが、昭生がひかりの容態が悪くなると情緒不安定になってしまう部分でした。「恋をして」という呪い以外にも実は何かの呪縛があるんじゃなかろうかと勘繰ってしまいました。
どうしてここまで?と思っていたし、成育歴として相馬家関連は本当にひどくて昭生がかわいそうでした。伊勢にももう昭生のことは許してあげたらいいのに、と思いました。
ひかりや滋の言葉は昭生には酷だと思いましたが、喜屋武のよう男にも救いを描く崎谷さんがどうして?と考えていて、もしかしたらと思い当たったのが「大人になったら自分の責任」ということでした。
どんなにひどい成育歴を過ごしてきたとしても、そのせいでつらい経験をしたとしても、必要なものをもらえなかったとしても、大人になったらその全部を含めて自分として、自分の足で立って生きていかなくてはならない、ということ。たくさんの武器と恵まれた能力を持っている人もいれば、頼りない武器だけで力もなく、それでも歩いていかなければいかない人もいる。公平なスタートでもなく千差万別だけれど、それでもその先の未来は等しく誰でも変えていくことができる。だからもう、育ちを理由に甘えることはできないよ、ということを言いたかったのかな?と。
昭生には少し厳しく思えるような伊勢の言動も、そんな考えからだったのかな?と思いました。
そう思って眺めてみると、信号機3部作で自立できた子から彼氏ができてるような気がして、素敵なパートナーシップのためには自立が必要だと暗に示唆されているような気がしました。
ヘタレな昭生も泣きべそかきながらも、やっと何とか頑張って幸せになるラストは本当にホッとしました。まだまだ臆病だから頼りないけれども、苦しみが長かった分、伊勢と幸せになってほしいと思います。
・・・伊勢の異常な粘着度には、困ることもあるだろうけどw
BLとして、というよりも昭生の人としてのお話にBLが深く関わって、考えさせられる作品でした。割と重いけれどそこに崎谷エッセンスが降りかかっていて、しっかり読ませる作品になっていたと思います。
この本について、いろんな評価を見て回ったのですが、
「すっごくおもしろかった!」という人と、「重すぎて辛かった」の二つに分かれていました。
まあそれもそうかな、とは思うのですが、痛い・重い・暗い・辛い話が好きな私にとってはご褒美のようなお話でした。
ただ、読む人の好みに本当に左右されるかな、と思います。
これの前二つ「アオゾラ」と「オレンジ」はまあまあ色々な人が読めるかな?
あまり話の核心に触れないようにして話すのは難しいのですが、
やはりみなさんがおっしゃっている「相馬家の家族構成」がひとつのキーだと思います。
「理解できない家族構成」は、私もちょっと残念だなと。
ただ、そのことを感じさせないような心理描写・話の進行はさすが崎谷さん、といったところだと思います。
私が一番キュンと来たのは、終盤「しんどくても昭生がいいよ」と伊勢が言うところです。
「しんどくても」というのはなかなかないですよね。愛を感じます。
あと、昭生に伊勢の浮気がバレたときの、昭生の動揺っぷり。
ヒステリックになった昭生が可愛くて可愛くて、何度も読み返してしまいます。
重たい話が好きな人なら、すらすらと読める一冊です!
(話を全部理解するには前2作品を読むことをおすすめします)
読んでいる間中ずっと、
こんなにムカムカと気分が悪かった本は他になかったかもしれません。
いつもレビューは、感想を書く前にざっとあらすじに触れるんですが、
今回は長くなりそうなので感想のみにします。
とにかく何よりも、まずは相馬家のあり方が理解不能、一番のムカムカの原因です。
私は幸いな事にいたって健康なので、明日死ぬかもしれない人の気持ちは分かりません。
でも、ひかりのやり方が、どうしても正しいとは思えないんです。
ひかり『推奨』の愛人?何それ?
私には、ひかりは夫の理解者の様な振りをしながら、
その実、妻である事、恋人である事から逃げているようにしか見えません。
もし夫が外で愛人を作っても、自分は病弱で一歩も病院から出れず、
文句も言えない「みじめで可愛そうな妻」になるくらいなら、
最初から「私が勧めたのよ」と理解あるふりをする方が、体裁がいいと思っているのでは?
と言うか、そもそも人の幸せは「恋をすること」がすべてじゃないと思うのですが。
夫婦の有り方も様々、ひかりは自分は「妻であっても恋人じゃなかった」と言いますが、
別に必ず「恋人」である必要は無いんじゃないかなぁ・・・
しかもひかりはかなり独りよがりで、作品の終わりの方で繁が昭生に
「ひかりに恋人にしてもらえなかった」と言ってるんですが、
それって、二人はひかり次第で恋人にもなれたって事じゃないんですか?
そして、滋もずるいと思います。
「ひかりに推奨され、愛人を作った」と言ってますが、
ひかりと離婚する事は、頑として受け入れない事が出来たんなら、
愛人をつくる事も拒む事は出来たはずですよね?
結局自分の都合の良い事だけ、拒めない振りして受け入れてる様な気がする。
表面上は、仕方なくひかりの我儘を聞き入れている様に振る舞っている分、腹黒い。
百歩譲って、歪な愛人関係を本人達が納得しているなら、
大人たちの間でだけならそれも仕方ないとしても、
その関係を認める事を子供たちにも強要する事だけは、どうしても納得いきません。
絶対に巻き込んではいけないと思います。
あと、伊勢ですが・・・
「何かを間違った人にも、もう一度正すチャンスを与えたい」と言うのは
確かに正論だと思います。
伊勢のたった一度の過ちに払った代償は大きかったし、その後の努力は認めますが・・・
ただ、それも「過ち」の質によるんじゃないかなぁ?
まだ若かったし、昭生の言動に自分を本当に好きなのか不安になったのは分かります。
でも、浮気をした事実だけでも許し難いのに、
浮気相手を抱いた、その同じ日すぐ後に、昭生を酷い抱き方をする・・・
これはかなり悪質なのではないでしょうか?伊勢の人間性が出ている気がするんですが。
私は、人間には、どんなに腹を立てていても、
決して口にしてはいけない言葉、してはいけない行いがあると思うんです。
伊勢が昭生にした仕打ちは、その「決してしてはいけない行い」に入ると思います。
そもそも「~されたから、自分は~した」という考え方自体が嫌いです。
不安になったら皆浮気するんですか?
結局、「浮気」する事を選択したのはあくまで伊勢の意思であって、
昭生がさせた訳じゃないです。
なのに、10年たっても結局また「不安だったから間違いを犯した」と昭生を責めている。
「浮気」を選んだのは自分だという事が解ってない。成長してません。
被害者ぶって酷いことした伊勢より、悪人に徹している喜屋武の方が、私はまだ好きです。
ただ、この愚かな男を許し、受け入れた事で昭生が解放され楽になれたのなら、
それはそれで幸せなのかなと思います。
二人の想いが通じ合ったのは、やはり読んでいて嬉しかったです。
本当に最初から最後まで気分の悪い部分が多かったんですが・・・
主人公である昭生の、幼い頃からの色々な葛藤が、読んでいて胸が痛かったです。
繊細で脆くて弱い昭生が、ぐるぐる悩んでいる姿に共感しました。
ムカつきながらも、読みだしたらぐいぐい引き込まれて止まりませんでした。
文句ばっかり書きましたが、色々考えさせられ、
やはり面白かったので、萌評価です。
Rこぴんさん、コメントありがとうございます。
本当に、何度読んでもムカムカモヤモヤが収まらないお話でした。
長年、色々な人々に痛みつけられた昭生の心を想うと、
まだまだこの三倍はレビューが書けそうです!
と、言いつつ、大好きな一冊なんですが(笑)
共感して頂いて、嬉しいです。
私もこのお話読んだのですが、まさに私が少しモヤモヤしながらも作者様の筆の力で曖昧に「まあそれもあり…なのか?」と無理やり納得させられていたような部分を的確に指摘されていてかなり共感しました……
痛々しすぎるのですがハッピーエンドならそれもあり、と思っている私にとっては読んだ当時は大満足な一冊だったのですが時間を置いて考えてみると色々と…
それもまた二人の愛の形なのかなと思いつつ…
信号機シリーズ3作目。
全体に『痛い』系統だと言われるシリーズ中でもとりわけこれは『痛い』らしいですが、私はやっぱり『痛い作品』とは思いませんでした(『痛さ』がないとは言いませんよ)。でも、比較で言うなら(少なくともここまででは)いちばん『痛い』作品だというのはわかります。
正直なところ、キャラクターは本来の好みとはまったく違いますが、それでも私はこの2人のCPは結構好きです。
高校時代の伊勢の浮気を巡るエピソードが、妙にリアルで重くて、それをきっかけにした伊勢の努力の年月も含め、ホントにドロドロで苦しいんですが、それも含めてよかったです。
ただ、前作『オレンジのココロ-トマレ-』でも書いたけど、私にはこの相馬家の在り方が理解不能で、何とも気分が悪くて堪りませんでした。
とにかく、ひかり(昭生の姉)が諸悪の根源ですね。もう終盤、ひかりが昭生に説教するシーンでは、怒りを通り越して呆然としました。ひかりにだけはそれを言う資格はない。何言ってんだコイツ!?と脱力しましたよ。祭り上げられて、自分の世界の中だけで生きてるんでしょうね。あ~、幸せなヤツだな、という以外に言葉がなかった。
ひかりの夫・滋の愛人・亜由美もどうにもダメでした。何開き直ってんだ、とムカムカしましたね。でもそれも、元をただせばひかりのせいなんですが。
多分、若くて独身の頃なら(あるいは子どもがいなければ)、また違った感想だったかもしれませんが、今の私にはどうにも耐え難かったです。ただひたすらに不快なだけでした。
いやもう、BL(ラブストーリー)なのに、なんでラブ以外でこんなにイライラしなきゃならないのか、と辟易しましたよ。
ただ、ラブストーリとしてなら決して悪くはないです。実際には、比率としてはラブはかなり少ないんですけどね。ホント、ラブに関してなら『萌×2』ですが、トータルでは残念ながらせいぜい『萌』です。