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himawari no kotoba
「アオゾラのキモチ」「オンレジのココロ」に続く、大人なカップルの話。
メインは、朗の叔父である相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。
二人は、高校の時にカップルになって以来、つかずはなれずの距離で恋人とは呼べない関係を続けてきた。
そんな中、昭生の過去のいざこざから、朗が巻き込まれる事件が起こり、改めて、伊勢との関係も含め、自分の過去に向き合わされることになる。
という話でした。
続き物なので、前までの巻の話をきちんと知っておかないと、朗に何が起こったのか、志鶴に何が起こったのか、というあたりが全然わからず、読むことをオススメします。
読んでいて思ったのですが、昭生が一番、成長できておらず、精神年齢も低いんじゃないかと思ってしまう……
まあ、トラウマを抱えた大人は、実は一番過去に引きずられやすいのだということがよくわかる話ではありました。
こういう痛みは、共感ができるからちょっと辛いですよね。ここまでこじれることはないですが……
なんにせよ、こじれにこじれてこじらせまくった関係を、二人がどう修復するかの話でした。
個人的にこのシリーズで一番嫌いな巻です。
受けの異常な家庭環境、クソみたいな攻め、メンヘラ真っ逆さまな受け、何から何まで気色が悪い。
CP的にはミントが(脇キャラがクソですが)好きで、それ以外はそれぞれ「この受けはクソだか」とか「この攻めはクソだか」とか「もう脇キャラが鬱陶しすぎるな」とか言いながらも読んだんですが、この巻だけは無理でした。
まず受けのメンヘラがすごいです。
これは異様な家庭環境が原因だとは思うので、同情の余地はありました。厨二病のまま大人になった可哀想なメンヘラなんだなぁ、と納得しました。
しかし攻め、テメーはダメだ。
最初の受けとのいざこざはまだ若さゆえ、で済ませられますが、猿でも分かりそうな決定的な失敗を犯し、それで発狂した受けを見て自分がしでかしたことの大きさを知り、その後罪悪感で何年も受けに付き纏い、最後は自分のメンヘラ加減を自覚して歩み寄る受けに「それじゃあ君はこの先どうしたいの?」
もうコイツなんなんだ?って感じでした。
メンヘラの受けに粘着しているところを見ると、多分精神的にはマトモではないのでしょうが、モラハラ臭さがすごいです。
受けを傷付けてしまい、謝罪を受け入れてもらえず、何年想い続けても叶わない。
確かに可哀想ですが、普通にストーカーです。
あと受けは早急にカウンセリングを受ける必要があるように思います。攻めのように「俺は謝ったし誠意を見せ続けた、それにお前だって悪かったんだから、誠意を見せろ。ん?謝ったら次はどうするんだ?ン?ンンー?」みたいな態度を取る奴といると精神を病むだけです。
恐らく共依存とかトラウマとかの関係で離れられなくなっている恐れがあるので距離を取って通院して欲しい。
そして受けの保護者(姉と義兄とその愛人)をまとめてボストンバッグに詰めて川に流したい。
クソみたいなメロドラマ演じる前に子供達を他所にやれ。子供にクソを見せるな……。
受け姉が後半に「攻め君と仲直りしなよ〜」と受けに説教をするシーンがあるんですが、ただでさえ自分の所為でクソ情緒不安定になってる弟のメンタルを穴ぼこ豆腐にした男と復縁させようとする神経に、読んでるだけでどうにかなりそうでした。
確かに受け姉も可哀想な生い立ちですが、子供に歪んだ家庭を押し付けるのは立派に虐待だと思います。「アタシも恋したぁい」とか言っている場合ではない。
受けが姉を指して「アイツは天使だ」って言ってるシーンがあるんですが、虐待児って本当に可哀想なんだなぁとしか思えませんでした。
多分受けは攻めと出会わなければただのメンヘラ、攻めは受けと出会わなければただのモラハラ野郎として一生を終えていたと思います。
でも出会ってしまったが故に、クソメンヘラとクソモラハラ野郎に育ってしまった哀れな共依存カップルと成り果てた感じしかしなくて「なぜ…どうして……」とぐるぐる考えてしまいました。
シリーズ3冊目なので、前2作品を読んでいた方がベストです。
未読の場合は、序盤の店に関係人物がどっとやってきた場面で語られるあれこれは軽く流しておいた方が読みやすい気がします。栢野や朗との関係、喜屋武との過去は後でも語られるので、そちらで理解した方が私には楽でした。
1冊すべて表題作の長編です。昭生(受け)の視点でストーリーは進みます。
皆さまもレビューされていますが、大きなポイントは二つだと思いました。
昭生の姉・ひかりをどうとらえるか。
伊勢の浮気を許せるか。
私は両方とも無理でした…。
ひかりは夫に恋人をつくるように頼みますし、他の家族にも多大な影響を及ぼしている女性です。書きようによってはモンスターになる人物だと思いました。相手が断れないと知っての「お願い」は「命令」に等しいですよね…。
みんな愛し合っていてハッピーというラストですが、恋人(愛人)の亜由美の立場で考えてみたら、ひかりの死を望んだこともあったのではと複雑な気持ちになります。そんなにできた人間ばかりじゃないのは、昭生と伊勢で分かることですし。子供が生まれたとき、亜由美の存在ができたとき、父親が死んだとき、離婚のタイミングはあったでしょうに、妻の座は譲らないとか勝手すぎて怖いです。
ストーリーの肝となる伊勢の浮気ですが…高校時代のたった一度の過ちだしとは思うのですが、吐くほど動揺してた昭生が、一度裏切られたことで信じられなくなるのに非常に共感しました。一日に2人と寝て、比較してあっちを選んだなんて最低ですし、腹いせにそのことをあえて告げるのも酷いと思いました。昭生が他の男に抱かれたと教えられ殴りましたが、気持ちも寄せた自分の方がよほど酷い仕打ちをしたのを棚に上げてと腹立たしかったです。伊勢も反省しているから辛抱強く接していたんでしょうが、時々キレるのが読んでいてまた腹が立って…昭生より私の方が怒っていた気がします(笑)司法試験も昭生が言い出したわけでもないので単なる自己満足に過ぎないのに…と何もかも癇に障りました。
昭生の告白の後の、この十年「別れたつもりはなかった」という伊勢にカッコイイ!となるべきなんでしょうが、「先に別れを言いだしたのは自分じゃないか」と高校時代の場面を思い出して冷めてしまいました。撤回したら良いの?覆水盆に返らずって言葉もあるよと。結局、高校時代の意趣返しのように浮気したり、昭生の好きだからこその告白に「知るかよ」と返したのが本心で、伊勢もそう大人な人物じゃないんだなぁと感じました。終盤の昭生の告白に上から目線なのもムカつきまして…寛容そうで端々に無理が見える伊勢は好きなタイプじゃなかったです。昭生の弱さも丸ごと受けいれられるようなイイ男になろうとするなら素敵だったのですが、許して許してで鬱陶しかったです。
浮気や愛人という不確かな関係を好まないタイプには、素直に楽しみづらい作品だと思いました。ストーリーとしては素敵でした。すれちがいって大好きですし、泣いてしまった場面もひとつではないのですけれど、どうしたら許してくれるんだって許しを得る前提の伊勢がどうにも…許さなくてもいいから傍にいてくれとなぜ言えなんだ!!「やり直すことができる」を加害者の理屈だと一度感じてしまうともうどうにもダメでした。
意地っ張りで繊細な受け、弁護士の攻め、長い間膠着状態のカップル、すれ違い設定がお好きな方にお勧めです。ひかりの自分勝手だけど不思議な魅力や、伊勢の努力を素直に受け入れられる方にお勧めだと思います。私には合いませんでしたが、作品としては素晴らしいです!
前2作品のドラマCDで、昭生(受様)の声を鳥さんがあてている上、
崎谷作品でレビュー高評価なので気になってはいたのですが、
レビューから、痛そう(精神的に)だったので、
なかなか手が出せずにいました。
結果は‥やっぱり痛かった><
複雑な(と簡単にいうにはあまりに複雑な)
家庭環境に育ったせいで他人と距離を置く昭生と、
同級生の伊勢逸見(攻様)。←どっちが苗字??とつっこみたい
歪ながら思いが通じたと思ったが…。
自分が傷つかないように壁を作ってきたのに、
心を許したと思った相手に裏切られてしまう。
それも、昭生が最も嫌うやり方で。
この辺りの描写は昭生に感情移入しすぎて辛かった。
10年もの間、二人はお互いの周りをぐるぐるまわっているだけ
のような気もしますが、ずっと隣にいた人と
ただ幸せになるのに10年もかかったのかと思うと、
ある意味壮大だな…と思います。
ちなみに、他のレビューではひかりが嫌いな方もずいぶん
いらっしゃるようですが、←実はそれもあってなかなか手が出せなかった
私はあまり嫌いじゃあなかったです。
この前作は2つとも前向きの恋を描いたものという印象だったのですが…
いい意味で最後に重いのきたなーって感じです!
自分の周りの環境や気持ちに整理がつけられなくて素直じゃない受け、それを支えようとして勘違いから受けを裏切ってしまった攻め。
どっちも悪くないのに(いや、受けが素直になれば早く通じ合えたかもしれないけど…笑)どんどん悪い方向にすれ違いは進んでいき…切なすぎる!
この作品では、今まで明かされていなかった細かい部分を知ることができたり、なによりこのシリーズは攻めがメロメロなのが私の超好みなところなので…
とっても楽しく読みきれました!
それに、朗視点での家族の感じ方、昭生視点での家族の感じ方が全然違って…そこも見所ではないでしょうか?
とにかくこのシリーズを手にできて良かった\(^o^)/
この続きも出てるようなので、早い内にまた読み進めたいですね!
さてさて。信号機シリーズ第三弾、大人組のご登場です。
過去作品2つでは何やら匂わすような二人でしたが…うっわ、ややこしwwというのが感想でした。
物心つくまえに相馬家の実態に慣れて育った朗とは違い、ある程度育ってしまった昭生の方がトラウマが強いのかもしれません。
受け入れ難い家族の関係。それによって『浮気』が昭生の中では地雷になってしまったのは仕方のないことかも。
だけど伊勢ばかりを攻められない。
だって昭生もコドモなら、当然伊勢だってコドモだったんです。
目に見える愛、耳で聞く愛。そんな確かなものを求めてしまうのも、仕方ない。
それからの二人はもうつかず離れず、腐れ縁というか執着というか。
伊勢よ。それだけ待ち続けることが出来たアンタは実はマゾなんじゃ(笑)
わたし個人の意見としては、一番の罪作りなのはひかりではないのか、と。
死ぬ死ぬ言ってないで普通に恋したらいいじゃん。
ある意味、悪役なのかもしれません。笑
器のデカい女、なのは彼女は多くを望めないから、受け入れる方が楽なんだと思います。
そしてやっぱりあった、喜屋武救済w
完全に救っているわけではないですが…奴もどこか不器用なんでしょう。
と、思ってしまうあたり、崎谷さんに躍らされているのかもしれないww
読んでいる間もやもやとして、ラストで晴らされるんですがその後もしばらくもやもやの消化に時間がかかり、今はすっかり賢者タイムに。そんな読後感のお話でした。
年少組よりも実は臆病でヘタレだった昭生のお話でした。これほどヘタレだとは思わなんだ・・・。かわいくていじめたくなる、弄びたくなるようなかわいさで、かなりな大物のツンデレ。
相馬家(というかほぼひかり)関連は本当に罪つくりですね。読んでいて朗だけでなく昭生の成育歴にも大きく影を落としていたのがわかって、ひかりが許せない気持ちになってしまいました。
元々の性格もあったんでしょうが、それにしても。ひかりは結局死ぬ死ぬ詐欺のようで、看病疲れする家族のことを本気で考えたことあるのかな?と思ってしまいました。その辺は昭生との会話と滋のセリフで多少フォローされていましたが、足りなかったです。
それとどうしても謎だったのが、昭生がひかりの容態が悪くなると情緒不安定になってしまう部分でした。「恋をして」という呪い以外にも実は何かの呪縛があるんじゃなかろうかと勘繰ってしまいました。
どうしてここまで?と思っていたし、成育歴として相馬家関連は本当にひどくて昭生がかわいそうでした。伊勢にももう昭生のことは許してあげたらいいのに、と思いました。
ひかりや滋の言葉は昭生には酷だと思いましたが、喜屋武のよう男にも救いを描く崎谷さんがどうして?と考えていて、もしかしたらと思い当たったのが「大人になったら自分の責任」ということでした。
どんなにひどい成育歴を過ごしてきたとしても、そのせいでつらい経験をしたとしても、必要なものをもらえなかったとしても、大人になったらその全部を含めて自分として、自分の足で立って生きていかなくてはならない、ということ。たくさんの武器と恵まれた能力を持っている人もいれば、頼りない武器だけで力もなく、それでも歩いていかなければいかない人もいる。公平なスタートでもなく千差万別だけれど、それでもその先の未来は等しく誰でも変えていくことができる。だからもう、育ちを理由に甘えることはできないよ、ということを言いたかったのかな?と。
昭生には少し厳しく思えるような伊勢の言動も、そんな考えからだったのかな?と思いました。
そう思って眺めてみると、信号機3部作で自立できた子から彼氏ができてるような気がして、素敵なパートナーシップのためには自立が必要だと暗に示唆されているような気がしました。
ヘタレな昭生も泣きべそかきながらも、やっと何とか頑張って幸せになるラストは本当にホッとしました。まだまだ臆病だから頼りないけれども、苦しみが長かった分、伊勢と幸せになってほしいと思います。
・・・伊勢の異常な粘着度には、困ることもあるだろうけどw
BLとして、というよりも昭生の人としてのお話にBLが深く関わって、考えさせられる作品でした。割と重いけれどそこに崎谷エッセンスが降りかかっていて、しっかり読ませる作品になっていたと思います。
この本について、いろんな評価を見て回ったのですが、
「すっごくおもしろかった!」という人と、「重すぎて辛かった」の二つに分かれていました。
まあそれもそうかな、とは思うのですが、痛い・重い・暗い・辛い話が好きな私にとってはご褒美のようなお話でした。
ただ、読む人の好みに本当に左右されるかな、と思います。
これの前二つ「アオゾラ」と「オレンジ」はまあまあ色々な人が読めるかな?
あまり話の核心に触れないようにして話すのは難しいのですが、
やはりみなさんがおっしゃっている「相馬家の家族構成」がひとつのキーだと思います。
「理解できない家族構成」は、私もちょっと残念だなと。
ただ、そのことを感じさせないような心理描写・話の進行はさすが崎谷さん、といったところだと思います。
私が一番キュンと来たのは、終盤「しんどくても昭生がいいよ」と伊勢が言うところです。
「しんどくても」というのはなかなかないですよね。愛を感じます。
あと、昭生に伊勢の浮気がバレたときの、昭生の動揺っぷり。
ヒステリックになった昭生が可愛くて可愛くて、何度も読み返してしまいます。
重たい話が好きな人なら、すらすらと読める一冊です!
(話を全部理解するには前2作品を読むことをおすすめします)
読んでいる間中ずっと、
こんなにムカムカと気分が悪かった本は他になかったかもしれません。
いつもレビューは、感想を書く前にざっとあらすじに触れるんですが、
今回は長くなりそうなので感想のみにします。
とにかく何よりも、まずは相馬家のあり方が理解不能、一番のムカムカの原因です。
私は幸いな事にいたって健康なので、明日死ぬかもしれない人の気持ちは分かりません。
でも、ひかりのやり方が、どうしても正しいとは思えないんです。
ひかり『推奨』の愛人?何それ?
私には、ひかりは夫の理解者の様な振りをしながら、
その実、妻である事、恋人である事から逃げているようにしか見えません。
もし夫が外で愛人を作っても、自分は病弱で一歩も病院から出れず、
文句も言えない「みじめで可愛そうな妻」になるくらいなら、
最初から「私が勧めたのよ」と理解あるふりをする方が、体裁がいいと思っているのでは?
と言うか、そもそも人の幸せは「恋をすること」がすべてじゃないと思うのですが。
夫婦の有り方も様々、ひかりは自分は「妻であっても恋人じゃなかった」と言いますが、
別に必ず「恋人」である必要は無いんじゃないかなぁ・・・
しかもひかりはかなり独りよがりで、作品の終わりの方で繁が昭生に
「ひかりに恋人にしてもらえなかった」と言ってるんですが、
それって、二人はひかり次第で恋人にもなれたって事じゃないんですか?
そして、滋もずるいと思います。
「ひかりに推奨され、愛人を作った」と言ってますが、
ひかりと離婚する事は、頑として受け入れない事が出来たんなら、
愛人をつくる事も拒む事は出来たはずですよね?
結局自分の都合の良い事だけ、拒めない振りして受け入れてる様な気がする。
表面上は、仕方なくひかりの我儘を聞き入れている様に振る舞っている分、腹黒い。
百歩譲って、歪な愛人関係を本人達が納得しているなら、
大人たちの間でだけならそれも仕方ないとしても、
その関係を認める事を子供たちにも強要する事だけは、どうしても納得いきません。
絶対に巻き込んではいけないと思います。
あと、伊勢ですが・・・
「何かを間違った人にも、もう一度正すチャンスを与えたい」と言うのは
確かに正論だと思います。
伊勢のたった一度の過ちに払った代償は大きかったし、その後の努力は認めますが・・・
ただ、それも「過ち」の質によるんじゃないかなぁ?
まだ若かったし、昭生の言動に自分を本当に好きなのか不安になったのは分かります。
でも、浮気をした事実だけでも許し難いのに、
浮気相手を抱いた、その同じ日すぐ後に、昭生を酷い抱き方をする・・・
これはかなり悪質なのではないでしょうか?伊勢の人間性が出ている気がするんですが。
私は、人間には、どんなに腹を立てていても、
決して口にしてはいけない言葉、してはいけない行いがあると思うんです。
伊勢が昭生にした仕打ちは、その「決してしてはいけない行い」に入ると思います。
そもそも「~されたから、自分は~した」という考え方自体が嫌いです。
不安になったら皆浮気するんですか?
結局、「浮気」する事を選択したのはあくまで伊勢の意思であって、
昭生がさせた訳じゃないです。
なのに、10年たっても結局また「不安だったから間違いを犯した」と昭生を責めている。
「浮気」を選んだのは自分だという事が解ってない。成長してません。
被害者ぶって酷いことした伊勢より、悪人に徹している喜屋武の方が、私はまだ好きです。
ただ、この愚かな男を許し、受け入れた事で昭生が解放され楽になれたのなら、
それはそれで幸せなのかなと思います。
二人の想いが通じ合ったのは、やはり読んでいて嬉しかったです。
本当に最初から最後まで気分の悪い部分が多かったんですが・・・
主人公である昭生の、幼い頃からの色々な葛藤が、読んでいて胸が痛かったです。
繊細で脆くて弱い昭生が、ぐるぐる悩んでいる姿に共感しました。
ムカつきながらも、読みだしたらぐいぐい引き込まれて止まりませんでした。
文句ばっかり書きましたが、色々考えさせられ、
やはり面白かったので、萌評価です。
Rこぴんさん、コメントありがとうございます。
本当に、何度読んでもムカムカモヤモヤが収まらないお話でした。
長年、色々な人々に痛みつけられた昭生の心を想うと、
まだまだこの三倍はレビューが書けそうです!
と、言いつつ、大好きな一冊なんですが(笑)
共感して頂いて、嬉しいです。
私もこのお話読んだのですが、まさに私が少しモヤモヤしながらも作者様の筆の力で曖昧に「まあそれもあり…なのか?」と無理やり納得させられていたような部分を的確に指摘されていてかなり共感しました……
痛々しすぎるのですがハッピーエンドならそれもあり、と思っている私にとっては読んだ当時は大満足な一冊だったのですが時間を置いて考えてみると色々と…
それもまた二人の愛の形なのかなと思いつつ…
信号機シリーズ3作目。
全体に『痛い』系統だと言われるシリーズ中でもとりわけこれは『痛い』らしいですが、私はやっぱり『痛い作品』とは思いませんでした(『痛さ』がないとは言いませんよ)。でも、比較で言うなら(少なくともここまででは)いちばん『痛い』作品だというのはわかります。
正直なところ、キャラクターは本来の好みとはまったく違いますが、それでも私はこの2人のCPは結構好きです。
高校時代の伊勢の浮気を巡るエピソードが、妙にリアルで重くて、それをきっかけにした伊勢の努力の年月も含め、ホントにドロドロで苦しいんですが、それも含めてよかったです。
ただ、前作『オレンジのココロ-トマレ-』でも書いたけど、私にはこの相馬家の在り方が理解不能で、何とも気分が悪くて堪りませんでした。
とにかく、ひかり(昭生の姉)が諸悪の根源ですね。もう終盤、ひかりが昭生に説教するシーンでは、怒りを通り越して呆然としました。ひかりにだけはそれを言う資格はない。何言ってんだコイツ!?と脱力しましたよ。祭り上げられて、自分の世界の中だけで生きてるんでしょうね。あ~、幸せなヤツだな、という以外に言葉がなかった。
ひかりの夫・滋の愛人・亜由美もどうにもダメでした。何開き直ってんだ、とムカムカしましたね。でもそれも、元をただせばひかりのせいなんですが。
多分、若くて独身の頃なら(あるいは子どもがいなければ)、また違った感想だったかもしれませんが、今の私にはどうにも耐え難かったです。ただひたすらに不快なだけでした。
いやもう、BL(ラブストーリー)なのに、なんでラブ以外でこんなにイライラしなきゃならないのか、と辟易しましたよ。
ただ、ラブストーリとしてなら決して悪くはないです。実際には、比率としてはラブはかなり少ないんですけどね。ホント、ラブに関してなら『萌×2』ですが、トータルでは残念ながらせいぜい『萌』です。
まず、ここまでの3冊が、
ちゃんと1つの世界観にまとまっているところが
すごいな・・・と思わされました。
ストーリーとしては、「過去の過ちを許せるのか」
ということに終始しているのですが、
昭生が繊細に繊細で、読んでいるのも、ドキドキしてしまいました。
悪い奴が出てきても、そんな奴でも「良い面」があり、
ここまで、人の気持ちの「悪い」ところを描いてくれているからこそ
入り込みやすくて、共感してしまうんだと思います。
各カプも出てきてくれるので、
そんなとこもちょっとした楽しみです☆
読んですぐに思ったのが、
「これは後何回か読み直さないとな…」でした。
崎谷さんの作品はたくさんというほどではありませんが
そこそこ読んでいるほうだとは思います。
その中でもこの作品は一番内容が濃くて、深い。
実は前二作は読まずに「ミントのクチビル」って言う
シリーズ関係だけど、少し離れた本を最初に読んだあと
三作目のこれを読むという変な入り方をしたのですが
全然違和感ありませんね。
「ミント~」では昭生がかなり大人な印象があったのですが
店を構えてからでもあんなにも不安定だったとは意外でした。
そしてこんなにも裏切られて、裏切って、すれ違って…
って作品を読んだのは初めてです!!!
お互いいけないところがあると知りながらも
伊勢をあしらう昭生に「もっと素直になれよ!!!!」
って思ってもどかしかったです…
そして伊勢はすごいと言うしかないです。
こんなにも認めてもらおうとがんばって…
何回も泣きそうになりました。
昭生のお姉さん、ひかりの言葉に毎回唸るくらい
ひかりも大好きなキャラ。
その後前二作を読んだのですが、
もうだいぶタイプの違った話だな…と。
とにかく崎谷作品は素晴らしいです。
崎谷作品はドラマCDでは「手を伸ばせばはるかな海」や「ねじれたEDGE」「ハピネス」など多く触れてきたのですが、今回初めて小説を手に取りました。
以前からこの作品に目をつけてたのですが、なかなかなくて…やっとのことで見つけ出しやっとこさ読めた感じですw
さてさて、お話はとにかくシリアスで、受の昭生はとにかく特殊な家庭環境の中育ってきたことが影響してみごとに性格ねじれてます。でも確かに、理解し難い家族構成…結局私も納得いかなくてそこだけはちょっと萎えてしまいました。
しかしながら、ストーリ自体は私好みで、特に攻の浮気ものは大好物なので、昭生の前で攻の伊勢が浮気宣言したシーンはとにかく胸が苦しかったです。伊勢は伊勢なりに必死だったんだろうなとひしひしと感じましたし、昭生は伊勢のその行為を絶対に許せないってことも読み手に強く伝わってきました。
とにかく互いに何もかもが初めてで、幼すぎたんです。出会って10年。10年もかかってホントの気持ちに気付いた昭生。互いに遠回りをし、傷つき傷つけ合い、喧嘩しながらも結ばれた2人のラストはホントに良かった。最後の最後まであの昭生を献身的に支え、手を離さなかった伊勢に拍手を送りたい!!
一番最後の崎谷さんの文章の締めくくりは心がとても温かくなり、すごい余韻に浸ってしまいましたwラストのあの文章ホントに大好きです!
崎谷さんはとにかく文章が読みやすい、かなり文才のある小説家さんだと思います(BLという枠に限らず)。とくにBLにおける最重要ポイントであるえろす描写が素晴らしく、萌え~て感じで大好きなんですが、作品が萌え感を基本に特化していて、それほど心理描写で惹きつけられる深みはないかなというところで自分の中で最高においしいB級グルメって感じだったんですが。。。
でもこの作品は以上のような他作品とは一線を画す感じでまるで木原音瀬さんを彷彿とさせるような登場人物の内面に迫った心理描写(痛め)、また文章が上手いもんだから面白い推理小説のようにすらすら読める。素晴らしい。
崎谷さんこうゆう才能もあったんだなと新たな一面に驚かされました。元来の崎谷ファンの方からは賛否両論かも知れませんが、個人的にはこうゆう角度の作品もっと開拓してほしいです。とっても面白かったので。すごい幅の広い作家さんなのかもと思った一作。今まで崎谷さんにあまり興味がなく、わりと渋めの作家さんを好む方もこの作品は面白いんじゃないかなと思います。ぜひぜひお試しあれ
また崎谷はるひ様でBL小説読みました。
これはwwwBL(ボーイズ・ラブ)ってより
ML(メンズ・ラブ)の類にはいるのでは~~~
とゆぅかんじでした。
一応シリーズもので
前作に2作ありまして
【アオゾラのキモチ―ススメ―】 1作目
【オレンジのココロ―トマレ―】 2作目
今回の【ヒマワリのコトバ―チュウイ―】 3作目
で前1・2作品の登場人物とCPが結構でてきてます。
でも はるひ様ってすごぃ美味いです。
全然 3作目でしたが違和感なく読めました。
しかもwwwすっごぃドロドロです。
はるひ様があとがきでいってたように
「相手をどこまで許せる?」
が課題となった小説でした。
ほんとにすごかった 凄まじいとゆぅのがお似合いです。
「相手に依存する」とゆぅのもかなりありました。
でてくる登場人物がすべて 濃い性格の持ち主です。
でも 全て誰も悪くないのが不思議なくらぃどろどろしてます。
この引力の強さはなんなんでしょう。
2時間半かけて 読み上げてしまぃました。
死が見え隠れする感じだったので超シリアスで
余計かもしれません。
でもちゃーんと♪♪♪♪Happy (ノ^^)乂(^^ )ノHappy♪♪♪♪END でした。
シリアスだったので Hシーンもほんとエロィ・・・
はるひ様のあの表現力のふり幅の拡さに圧倒されます。
萌え燃えでした。(今回は電車で読みませんでしたょ)
それも拍車をかけて 一揆読みしてしまいました。
良作です。絶品です。前作も買い揃えようと決心しました。
イラストもねこ田米蔵様だったので美麗イラストでした。
( ̄▽ ̄)=3 プハァー 極楽~ 悦楽~ 満貫~(違っ
大人な腐人さんにオススメします。
信号機シリーズ第3弾。
トリはアダルトチームなわけですが。
ものの見事にブラックボックスでしたね。
正直、こんだけいろいろ詰め込まれるとどうしたものかと…。
メインは昭生と伊勢の12年にも渡る歪んでしまった関係なんだけども。
その歪み方がものすごいし、その要因ともなる相馬家の特異な家族形態とかもやっぱり馴染めないところがあったりして。
基本的にはいろんなことを1人で背負い込んでぐるぐるしてる人間は嫌いじゃないんだけど、昭生はそういうのともちょっと違って。
弱いというか脆いところがこっちの予想以上というか。
言葉とかも足りない人だからどんどんこじれてったんだろうなーって感じで。
それをいつまでもどうにかこうにか付き合ってきた伊勢がスゴイなぁと。
曖昧な関係でそれでも離れられずにずっと想い続けられるって強いなぁと。
ラストの方のベッドシーンらへんの会話とかはちょっとウルっとくる部分もあったり。
滋と昭生の会話で滋の気持ちがわかって、少しこの奇妙な家族関係にも納得できたり。
滋もホントすごい人だなぁと思う。
そして、喜屋武も喜屋武なりに大事なものとかあって。
ただの悪い人ではなくてよかったな。
くっ…(T_T)何でここまで書かなければならなかったんですかと問いたい作品。痛すぎる…痛すぎるよ…
弁護士・伊勢×カフェバーのマスター・昭生の話。う~ん…これは…気分が沈んでる時に読む本じゃない。大人のブラックボックスは深すぎて私には見えませんでした。いや、伊勢×昭生の方じゃなく相馬夫妻のほうです。
昭生の姉であり朗の母であるひかり、その夫・滋、そしてひかり公認の愛人・亜由美。自分が死んだら亜由美に慰めてもらえって…なんて残酷な…。ひかりは本当に天使のような女性なのだろうか…疑問が残ります。
伊勢×昭生に関しては、凄く遠回りしたなぁ…と。時間をかけるしか二人には無かったのかなぁ?喜屋武のことに関しても、仕方がなかったと言ってしまってもいいものだろうか…。なんだかモヤモヤが消えない…
でも伊勢に関しては、本当によく頑張ってくれたと言いたい。コミュニケーション不全の思春期(笑)の昭生をずっと待っててくれてありがとう(T_T)伊勢も苦しかっただろうになぁ。
しかしこの作品で一番、本当の意味で強い男は滋じゃないかと思いました。ひかりとの初夜で、身体の弱いひかりを抱いたら殺してしまうかもしれない、と泣く滋を思えばもう涙が止まりません…。愛人扱いしか出来ない亜由美を見つけるようなめちゃくちゃな家庭を支えてきた人なんだなぁと。
はぁ…読むのが本当に辛かったしキツかった…もう少し時間を置いたら違う読み方ができるかもしれません。ふぅ…(x_x;)
痛かった・・・。
同い歳CP。
お互いがはじめての相手ということで
心も身体もすごく潔癖で痛々しいほど。
受けはちょっと複雑な家庭環境にあり
それが受けの繊細さに拍車をかけているんだろうけど
それを同じ歳の攻めが支えるにはやはり無理があったんだよね・・・
受けだからって恋愛に対して受身でいいわけじゃなく
ふたりで支えていかなきゃいけないところを
受けは家庭環境の複雑さやまわりの大人のせいにして
甘えていたように思いました。
でも、受けが悪いとは思えなかったです。
もちろん攻めが悪いとも思えず・・・そこがはがゆいっ。
攻めが浮気をして受けがショックでヒスを起こす場面は
ちょっと心がえぐられるようなリアルさがあった・・・
あそこで泣きました。
結局、ふたりはあまりにも恋に純粋で潔癖。
“大人の”純愛を貫いてくれたところにあっぱれ。
崎谷さんですからエッチのバリエーションは
ふたりの年齢や気持ちごとに違って、そこも楽しかったv
受けのお姉さんは、かわいそうな人だとは思うけど
どこかはた迷惑な感じがしてならなかったな・・・。
このお姉さんを天使と表現していたけど、私には天使には見えなかった・・・
号泣することはなかったのですが、ちょくちょく目頭が熱くなりました。
シリーズ3作読んで、結局大人が一番大変でした。大人は過去がたくさんある分、なかなかうまく行かないものですね。
最後の最後でちゃんとハッピーエンドで、ホッとしました。
しかしこのシリーズ、全体的にラブが少ない。BLとは関係のない部分にページを割かれていて、それは人物に深みを出しているんだけど、もっとラブを~と思ってしまうんですね。
前々作・アオゾラのキモチ―ススメ―にも登場してたバー「コントラスト」のマスターのお話。
残念ながら、今の時点で前作・オレンジのココロは未読なんですが
多分、過去の2作品ではっきりしてなかったいろんな事が
この作品の中ではっきりしたのかな?と言う感じで
信号機シリーズを読んで来た人にとっては、すっきりしたんじゃないでしょうか。
でも、すべてを読んでなくても
この作品単独で充分神評価に相応しい作品だったと思います。
てか、崎谷さんの作品で
ここまで痛い思いをしたのは初めてでした。
(まだ読んでない作品もたくさんあるので、あくまでも私の読んで来た中では、ってことですが)
この作品に出てくる人たちはみんな
ある意味すごい大人で、とても相手のことを想っていて
それなのに、どこかでちょっとづつすれ違ってて
というか、大人だからこそ
相手の気持ちを思いやりすぎて我慢して
どんどんすれ違っていったんではないでしょうか。
みんなの気持ちが上手くリンクして行かないもどかしさは歯がゆいばかりでキツイです。
そんな中、唯一の救いは
昭生の甥・朗(あきら)の存在でした。
前々作・アオゾラ~でもかなりいい味出してましたが
そんな彼を作り出していたのが
彼を取り巻く環境だったんだな、というのが
この作品でよくわかりました。
この作品に出てくる大人たちはみんな不器用で
そして、じつは誰よりも子供だったりする中
朗が一番大人だったと思います。
まさに、タイトルの「ヒマワリ」は朗の事だったんでしょうね。
前作で色々あったみたいですが
それ以前から、自分の置かれた状況をちゃんと理解してて
大人にならざるを得なかったのかもしれませんね。
昭生の抱えていたもの、そんな昭生をまるごと受け入れようとした伊勢の苦悩が
オトナだからこそ、どうにもならないところまでこじれてて
八方塞りに見えて、途中何度も涙が止まらなくなりましたが
それを解いてくれた「ヒマワリ」に本当に救われました。
崎谷さんもあとがきで言ってますが
「大人のブラックボックス」を暴いたような、かなり心が痛い作品でしたが
だからこそ、大人に読んでもらいたい、と思いました。
これは…完全にジャケ買いです。
というかあたしはほぼジャケ買いが多いです。
挿絵にめちゃくちゃ左右されるので、
「このひとは本気でむり!」っていう絵柄の方だと
どんなに好きな作家さんでも読めません…
というか読んでみたことがあるけどやっぱり無理だったっていう…
まあそれはおいといて
この作品、シリーズというよりはスピンオフの3作目で、
それなのにこれしか読んだことないんですけど、なんでかっていうと
前2作は受けの子がかわいすぎてちょっと敬遠していたので、
「オトナ受きた!!!!」と即買いいたしました^^
あとあらすじの「徹底的に破局」っていう言葉にも興味が…^^^^どんなだよっていう
そしてよくあたくしの購入ボーダーになるのが、
「挿絵に受の泣き顔が入っているか」
になるので(おい)
確かこれは2枚くらい徹底的なぼろぼろっぷりのものがあったので
これはもう買うしかないと思いました^^
ネタバレにならない程度に感想を述べますと、
さすが崎谷せんせい、スピンオフでもちゃんとこれだけで読めますし、
ちょっと受が精神的にあやういところが本当に人間くさくてあたしは好きでした^^
攻もしっかり人間くさい弱さがあって、
ちゃんとそれにいたる背景もしっかり書かれているので、
すんなりと世界に入り込めます。
とにかく受がぼろぼろになるので、
感受性豊かな方はきついかもしれません…が、
あたしは久しぶりに感情移入しまくって泣きまくりましたけどね(笑)
人間が内包している弱さやずるさをちゃんと書き留めてくれるおはなしが好きなので、
そして崎谷せんせいはえろも濃厚なのでだいすきです^^^^^^
とりあえずこの作品に対する評価は、
これから何度も読み返す可能性大
になりますね^^
私はこの作品が3部作だと知らずに、これだけを読んでしまいました。
でも、それがよかったのかも知れません。
ヘンに登場人物の予備知識が入ってない分、割とすらすらと読めました。
しかし前2作に出てきた登場人物の名前や関係性には「?」となる場面は多々ありましたが、それほど障害にはなりませんでした。
前半はちょっと語りが長くてダルい感じでしたが、高校時代の話からは目が離せませんでした。
浮気されたことに傷ついて泣きじゃくる昭生と、浮気した事でそんなにも傷つけてしまったと後悔する伊勢のやり取りが、不毛なんですけど痛くで好きです。
傷ついた昭生がかわいそう…と思っていたのも束の間。
昭生の反撃により、倍返し、倍倍返しをされる伊勢がとっても不憫です。
「過ちを犯した人にも救済を」という伊勢の仕事の姿勢が、昭生への許しを請う事へとリンクしているのですが、なかなか許してくれない昭生の気持ちなんだか分かるんですよね。
意固地になると人間って結構見苦しいものですが、それをこってり描いている根暗な部分に、私は萌えを感じてしまいました。
信号三部作・最終巻
『ヒマワリのコトバ ― チュウイ』は
かなり複雑な育ちの昭生は、
真面目な家庭で育った伊勢と
出合ったのは高2のクラス替えのときだった。
ある賭け事がきっかけで言葉を交わすようになり、
明るく積極的な伊勢に急激に懐かれ
初めて出来た友人に親友と呼べる程心を許す昭生・・・・・・
そして伊勢から告白し恋人同士になったが、
伊勢が昭生にとって自分は“誰かの身代わり”なのではと
疑った結果の浮気騒動に発展から徹底的に破局してしまう......
このことで昭生が別れようと言い出したが、
伊勢は別れようとしなかった。
伊勢ずっと想い続け、謝り続け、
そばに居続けた伊勢ってすごいですね!!と
大人の恋は少し濃密で臆病なのか!?
なぁ~っで(笑)
今作を見たのなら、前二作もおススメですよ!!
今回は真面目な家庭で育ったすっきりとした男前の弁護士と
かなり複雑な育ちのカフェバーのマスターのお話です。
二人の出会いから分かれても引きずっていた過去と決別し
新たな道を踏み出すまで。
シリーズものである本作は
前二作のお話が伏線として関わってきている為
本作の主人公となった受様は
最初から複雑な家庭で育った人物として設定されています。
受様の年の離れた姉は先天性の病の為ずっと入院中。
義兄には姉とは別に恋人がいます。
甥という子供までいながら他に恋人をつくる義兄も
義兄の「浮気」を許す姉も全く理解が出来ませんが、
全ては自分が望んだ事だという姉の言葉に逆らえず
義兄の恋人の存在を受け入れる事にします。
受様が真に許せなかったのは何なのか
それが後に攻様との破局を呼ぶ事になるのですが、
まだまだお話は序盤!!
受様が攻様と出合うのは高2のクラス替え。
ある賭け事がきっかけで言葉を交わすようになります。
明るく積極的な攻様に急激に懐かれ
初めて出来た友人に親友と呼べる程心を許す受様。
そして攻様に告白されると
ある種の違和感を感じながら彼を受け入れてしまいます。
しかし最初の違和感は少しづつ攻様に伝わり、
攻様が受様の気持ちを疑った結果の浮気騒動に発展。
二人の関係に大きな亀裂が入ります。
それぞれが大学に入り環境が変わっても
受様をあきらめきれない攻様は復縁を迫りますが、
根深い思いに囚われた受様は彼を受け入れません。
はたしてこの二人は本当に上手くまとまるのか?!
最後までハラハラな展開です。
子供の頃は大人は何でも出来ると思っていたものですが、
実際に大人になって自分の能力を知ると
世の中には自分にできる限界がある事、
全てが自分の思うようにはいかない事のほうが多いもの。
大人だからという理由で
全てに耐えられる訳ではないのだという事が全面にでた分、
心の中にざっくりと踏み込む痛い場面が多く、
人として大切な事は何なのかを考えさせられるお話です。
ココまで凝ったカップリングは難しいので(笑)
今回は臆病な受様を徐々に落していく受様という事で
柊平ハルモさんの『冷たい指先』をお薦めします。
“信号機シリーズ”のラストを飾るのは、満を持して登場した昭生と伊勢。
前作までの含みのあるフラグに、正直かなり期待していた。
たしかに、前作で出てきた朗の両親の特異な結婚生活だとか、今まで「?」だった部分については(完全には納得できないまでも)一応スッキリとはさせてくれた。
ヒールでしかなかった喜屋武という男についても、後味の悪さを払拭して、尚且つストーリーに深みを与えるいいスパイスになっていたと思う。
だが、しかし…なのだ。
(私事で恐縮だが)所有しているBL本のなかでも崎谷作品はダントツに多く、まごうことなくファンなのだが、残念ながらこのシリーズはどうも好きになれなかった。
「過去に何らかのトラウマを抱えている受」と「そんな受に執着にも似た愛情を注ぐ攻」のCPは、崎谷作品においてはすっかりお馴染み、定番と言ってもいい。
今回の昭生と伊勢もその例に洩れないのだが、イマイチ説得力に欠ける気がした。
どうしてだろうかと考えてみた。
で、思ったのは、いろんなエピソードがテンコ盛り過ぎたんじゃないだろうかということ。
これは前2作にも共通して言えることだと思う。
せっかくの主役たちの恋物語の影が薄いのだ。
たとえば、姉の病状が悪くなるたびに精神の均衡を崩す昭生が伊勢に救いを求める件で、夢うつつのうちに伊勢に抱かれるというシーンをもっと突っ込んで書いてほしかった。
昭生にとってのそれはトランキライザーのようなSEXだったかもしれないが、伊勢の心中はどうだったのか。そのあたりの心境をもっと丁寧に掘り下げてくれていたら、やるせなさも切なさもひとしおだったろうと思うのだ。
とは言っても、やはり崎谷作品にはほぼ無条件で萌えてしまうのがファン心理のなせるわざなのか…。
信号三部作・最終巻は、こじれにこじれた10年愛の物語
痛い、切ない、じれったい
前2作で、お子様チームは、それぞれの試練を乗り越えて伴侶を得た
そして、いよいよ、自分の気持ちにも向き合わざるを得なくなった昭生
果たして彼は、掛け違えて、縺れて解けなくなってしまった伊勢との関係の、本当の芯にある物を取り出して見せることが出来るのか
トラブルメーカー喜屋武との因縁と、その結末もしっかりつけて、
滋の本当の思いも聞けて
これからの昭生は、少しずつでも前向きに生きていけるのだろうな
想像以上に痛くて壊れてました。
第2弾で、伊勢と昭生のカップルは、ちょっと普通じゃないよなぁ~と予想はしていましたが、まさかここまでドロドロで傷つけあっていたとは。
高校時代、同じクラスになり、ちょっとしたきっかけで親しくなり、伊勢から告白し恋人同士になりますが、お互い好きだとは思っていても、若さゆえ独占欲もあればちょっとしたことで信用出来なくなったり、淋しく思ったり。
昭生の想いが上手く伝わらなかったことで、溝が出来、想いを残しながらも距離は出来るわけです。
なのに、決定的に別れることはしないんですね、伊勢は。
いつでも昭生と繋がっていようと努力をしていますが、肝心の昭生は自分の態度や言葉で伊勢を傷つけ、自分も傷つき。
自分だけ傷つき壊れるならまだしも、周りも巻き込んでの騒動まで起こるんですから。
こんな昭生を見捨てず(吹っ切れなかったって言う方が正解?)、ずっと想い続け、謝り続け、そばに居続けた伊勢ってすごいです。
まぁ、昭生の気持ちがわかっていたからこそ、出来たことだとは思いますが。でも、時には挫けそうになったことだってあったはず。
愛の強さだからかなぁ?
そばに居続けた時間は長かったけれど、無駄にはならず、ちゃんと昭生の気持ちが決まったので、結果オーライってところでしょうか。
アダルトな愛情をしっかりと読ませていただきました。