茅島氏の優雅な生活 1

kayashimashi no yuuga na seikatsu

茅島氏の優雅な生活 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神53
  • 萌×235
  • 萌16
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
25
得点
456
評価数
111
平均
4.2 / 5
神率
47.7%
著者
遠野春日 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
日高ショーコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
茅島氏の優雅な生活
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344816374

あらすじ

何不自由ない生活を送るはずの資産家・茅島氏の心を初めて捉えたのは庭師の青年!? 大人気シリーズ待望の文庫化!!
出版社より

表題作茅島氏の優雅な生活 1

庭師
茅島氏

その他の収録作品

  • 茅島氏の優雅な生活
  • 休暇の過ごし方
  • 春の嵐
  • 晩餐会と学友と奥庭
  • 続・休暇の過ごし方
  • くちびるの快感
  • あとがき

レビュー投稿数25

こんな設定慣れてるはずなのに!

なんだろうこの衝撃。いや衝撃って感じのお話じゃないからもうちょっと静かな驚きというべきなんでしょうけど、これは本当にもう一度日の目を見てくれてよかったなと思える作品でしたね。
今はなきリーフ出版から出てたようですけど、悪いけどレーターレベルがこちらの方が素晴らしいのでこちらで読んでよかったと思いました。すみません…。

茅島氏の静かで浮世離れをしていつつも、こと情事に関してだけは恐ろしく激しい物語です。
普段の茅島氏の生活や、行動、言動が静かで予定調和的であまりに「静」なだけに、庭師に向ける情熱と情欲が対比的にとても激しく「動」に感じるのです。
それだけ「動」であってもどこか浮世離れしていて上品で、でも取りすましてなくて、淫乱でも下卑てない、すごく不思議な描写につながるんでしょうね。

正直このレベルの富豪が出てくる話は、BLではなぜかもう「良くある話」になってる所がありますけど、このお話の茅島氏は絶対あり得なくお金持ちな上に浮世離れしてるのに何だか血肉を感じるんですよ。
ああ、そんな人いるかもしれないね、日本のどこかにはという感じで。
茅島氏はとても性格的に偏ってるのに、結局誰も彼に酷い事が出来ない状況になり、茅島氏の思惑どおりに事が運ぶのが、ご都合主義でなく「ああ、そうなるよね」と不思議に納得させられる。
ある意味少し狂った世界にいるのに、それすらも心地よい感じになる。なんとも不思議な魅力のある人です。

庭師はそんな茅島氏に最初はいらだちながらも結局は落ちるように惹かれて行ってしまう。
そこにあらがう気持ちになるのは何となく感覚としてわかります。
でも結局はそこへ落ちることを選んだ庭師の気持ちもわかる。
これだけ真摯に思われるというのは稀有な事だよなと思わせられるんですよね、読んでて自然に。
言葉でその辺を「解説」する小説が多い中、これだけ読んでて感覚で感じさせられるってのはすごいなと感心してしまいました。
私もすっかり茅島氏のとりこなのかもしれません!
時系列が前後しながらも、ストーリー展開は無理がなくとてもよくわかります。
わからないのはなぜ茅島氏が庭師にそこまで惚れ込んだのかという事くらいでしょうか。
しかし、恋とはそういうものという言葉で収まってしまい、それでいいような気がしてしまうのが茅島氏なのかもしれないですね。

あと、イラストがとてもマッチしてて素晴らしかったです。
茅島氏の雰囲気を描くだけで空気で感じさせてくれる感じがしました。

10

茅島氏と彼のはじまりの物語

10年前に発刊されたノベルズの文庫版とは思えないほど、新鮮な印象でした。
文庫化されていなければ私もこの作品のことを読むことは無かったと思うので、文庫化には本当に感謝です。
いつまでも手元において読み返したいと思える作品に出会えるのって、とっても幸せ。

物語は茅島氏の優雅な生活について追っていくことで進められていきますが、冒頭の「彼」とのただ事ではない雰囲気のやり取りはひとまず放置されてしまいます。
澄ましているかと思いきや不思議な魅力を放つ茅島氏にときめきを感じ始めるころ、ようやく「彼」が登場、茅島氏と読者のハートを奪いにやって来るのです(笑)
秘密の関係ゆえに、いつ忍んでくるかもわからない彼を待つ茅島氏と、そんな茅島氏を翻弄して楽しんでいるかのような彼。
彼に抱かれて幸せで涙してしまう茅島氏は健気で、切なくて胸がぎゅっとなります。

すべてが時系列順に語られていないので、二人のなれ初めである嵐の夜の出来事や、茅島氏が彼に惹かれるようになったきっかけなど、物語を読み進めるうちに徐々に疑問だった部分が明らかになっていきます。
欠けていたパーツがそろっていく感覚がたまらなく好きです。
読み進めていくうちに茅島氏という人物を知り、読者も彼同様に茅島氏を愛さずにはいられなくなるのではないでしょうか?
高貴で何者にも囚われない茅島氏が、彼だけを一途に思う姿は素敵です。
この1巻では、片思いだと思っている茅島氏と、身分の差を思い彼に惹かれていく気持ちを抑えようとする彼が噛みあわないのがまた切ない。
傍から見たらどんなに熱い二人でも、一線引いている姿がもどかしく、またそれがたまらないのです。
普段の様子からは想像できないくらい、彼の前で淫らになる茅島氏、本当に可愛い・・・
彼のSっ気満載のエロスシーンは、エロいのに切なくて綺麗なのです。

それにしても茅島氏の高貴っぷりはファンタジックに壮大です。
茅島邸や英国式庭園の描写は、私の想像力と知識では脳内に再現しきれないのですが・・・
この雰囲気はとてもツボです。
BLにはロマンチックがなくちゃ!(笑)




6

天然な茅島氏が面白い

茅島氏シリーズ1作目。

茅島氏の浮世離れした言動や、自分にも人にも嘘をつけない真直ぐさが可愛いです。
お坊ちゃまだけどそれを鼻にかけず、むしろ不器用なところに好感がもてます。

そして、お相手の庭師のツンデレな感じも大好きです。
二人になると雇い主と雇われ側の立場が逆転し、
茅島氏に対して上から目線の強気な口調になるのが最高です。
この二人いいコンビです。

そして茅島氏の優雅な生活は、羨ましくなる優雅さでした。
社交パーティーやら骨董収集やら、資産家たちの優雅な世界観も
読んでいて面白かったです。
続きが早く読みたい。

3

原作も最高

リーフ出版のCDで大好きになり原作も読んでみました。
CD同様の感想です、とても最高…!!!

小説ならではな情報量の多さにも大満足です。
流れを知っていても、新たな魅力に惚れていく。

茅島氏はやっぱり可愛いなぁ。
かやしま すみと って流れるようなフルネームからしてもう全部素晴らしい。

感情の起伏が少ないかと思いきや庭師に見せる情熱的な愛には読者側もドキドキさせられます。
こんな大金持ちに好かれたら私だったら堕落しきってしまうと思うのに(笑)ストイックに付き合いを続けつつも庭師側がなだらかに妥協し二人の時間が増えていくのにはニコニコでした。
好かれた側の特権というか(笑)高貴な雇い主にも動じず主導権を握っている初期の庭師も凄く好きでした。
好きだとたくさん伝える主人に反してよくぞあそこまで…!

BLで見飽きた様な典型的なカップルにはならず、二人を眺める時間がとても楽しかったです。
早く次巻も読むぞー!!!

3

コミックでも小説でもいいものはいい!

ほんとです、読むタイミングってありますー
(すいません。前のお姐さまのレビューを受けて書いてしまいました)
私は違法行為(笑)ついコミックから入ってしまって。
麻々原先生の可愛いめ茅島様の印象がぬぐいきれず、しばし放置してました。
今回、ようやく読めましたー。

コミックは萌2でしたが、小説は神ー。
1.庭師を好きだという気持ちにじんわり気が付いて、行動にうつすまでの
  心情がとってもよく分かったから。
  コミックだと 今一つ好きになった理由がぴんとこず。
  今回じわじわじわーーーっと茅島さんの心情が伝わってきて、
  すっごくよかった!
2.庭師側の気持ちも、文字になるとじっくり伝わってきて
  コミックもいいけど、小説もいいじゃーーーーーーーーん と
  とても嬉しくなりました!
  「こんなに完敗していることには気づいていなかった」なんて
  もうメロメロじゃん!私も完敗ー
3.コミックでは出てこなかった聖司(きれいなお医者さん)が、
  どう関わっているのかがわかって、なんだか納得ー。
  このキレイなお医者さんで何か読みたいーーー
  茅島様とも不思議に絡んでて、なんだかうっとりしちゃいました。
  (同人誌に載せてたやつを大幅改稿して文庫化したそうです)

しかしまあ、今から思えば、コミック、すごい!
原作の雰囲気を忠実に忠実に再現しつつ、麻々原先生の味をちゃんと出し・・
恐るべし。

2

・・・

漫画版の神評価が多いので、原作に興味を持ち、電子版を購読。

原作の方が、やっぱり面白味が深い。
これから、2-3巻を読み進みます。

1

此処が彼の原点・Ⅰ

遠野さんの小説を読んでいるとたまーに登場する神出鬼没な謎の紳士がこの人、茅島氏だ。
もうそろそろ肝心の彼のルーツを読まないとな、と長年積んでいたのをやっと読みました~。
(コミック版のほうはまだ読めていないけれど)
この新装版は2009年刊で、初版は1999年刊のリーフノベルズになる。

今までBLでセレブや貴族王族ものを多々読んできたが、この話を読んでみると茅島氏の唯一無二なキャラクターが際立っているね。
この人の周囲だけ空気の流れが違っていそうな雰囲気が漂っていそうと感じる事はなかなかない。
読み出して間もないうちから彼の浮世離れしている様子は充分に感じられたが、やんごとなき方々と同格の高貴さとは!!

もう一つ読んでみて意外だったのは、茅島氏が選んだ相手が常に側に居る執事でも見目麗しい秘書でもなく庭師の男だという点だった。
まぁ波多野氏は執事歴30年というベテランで主人・茅島氏を常に見守る立場が板についているし、秘書・小泉氏も立場を弁えているところからして相当有能なのが伺える。

ちなみに、1巻目の短編6本を通しての茅島氏の心は"恋するときめき"で占められている。
茅島氏の言う事やる事って大抵唐突だし、相手の空気を読まない一面もあるのに、KYだと不快な気分にならない不思議さがある。
いきなり庭師の家に乗り込んで告白したにも関わらず、まさか彼が茅島氏の想いに突き動かされて一夜を共にするとは…!!
しかも案外大胆な絡みに順応しているし(笑)

こうして庭師だけでなく、読んでいる側もあっという間に恋を知らなかった高貴な男に惹き込まれてしまったのだった。

0

これは腐女子の理想なのだろうか?

ドラマCD→コミックス→原作。
読んでビックリ、遠野先生のくり出すさまざまな仕掛けとシンプルな文にヤラれた!

茅島氏は早い話が、大金持ちのヒキコモリです。
まるでヴィクトリア女王のように「余は退屈じゃ」と暇をもてあまし、
ひがなテラスで庭をながめ、何にも興味を持たず、植物のような美青年です。
コミックスやドラマCDでは不思議ちゃんのようなイメージですが、
原作ではもっと鬱屈している。

ですが、それを打ち破り、茅島氏が執着にとらわれる、
それが作中に名前すら出てこない「庭師」なのです。
ここらへんは「チャタレイ夫人の恋人」を彷彿とさせますが、
原作でもっとも興味深いのは、腐女子の理想みたいな世界に出てくる女性たちです。

これはドラマCDにもコミックスにもあまり出てこないので注目していただきたいところ。
茅島氏と大学の同期で、大学助教授をつとめている美帆、
舞踏会で茅島氏と小泉の仲をいろいろ噂する良家の女子たち

彼女らは従来の貴族社会モノにありがちな、「なにもできないお嬢さん」ではなく、
自分の仕事を持ち、かなりのリベラル派で、しかもあわよくば茅島氏とくっつけようとする周囲に反発心を強く持っています。
女性がヒールとして描かれることも少なくないBLで
これほど親近感のわく女性たちもないのではないかと思いますが。

読者の大多数である腐女子と、茅島氏の周囲にいる女性の視線をかぎりなく近づけて、読者をストーリーの参加者にしてしまおうというもくろみなのでしょうか?

ドラマCDでも「庭師」の素性や名前、年齢いっさい伏せて聴者の想像にまかせてしまう手法が面白かったのですが、こうした「読者参加型」の手法がとても刺激的。

一見、古典的なBLと見えて、あちこちに面白い仕掛けがあります。

6

その不器用さがなんともかわいい。

一度手にしてみたけれど、イマイチ島氏のキャラに馴染めず数ページでリタイアしてしまい、長らくの間本棚のすみっこに…。
なんとなく気になり、再び読みはじめ…見本にハマる。
つくづく読むタイミングというものがあるんだなと思いました。

ジワジワ~っと染みてくる茅島氏の魅力。
コミュニケーションはとれない、言葉も足りない、偏屈で不器用で気難しい。
けれどおそろしいぐらい純粋で裏表がなく、取り繕うことをしない茅島氏。
潔いまでの自己中心的に、『こんな人間になってみたい』と憧れがあったりするのかもしれません。

茅島氏が悩み揺さぶられる、唯一の存在といっていいぐらいの存在、庭師。
けっこうクセモノだなぁ。
どう攻めてくるかわからない茅島氏に振り回されている姿が楽しいです。

完全ヒキコモリの茅島氏。
一日中屋敷にこもり、自発的に何かを求めたりしないそんな彼が、庭師のことになると行動的になり饒舌になる。
ちょっとずれていて、それでも一生懸命庭師を好きだと言う不器用で可愛い茅島氏にすっかりハマってしまいました。

4

文庫版とコミックス

コミックスの方を読んだら、原作も読みたくなったので…(^^;)

挿絵が違うのでちょっと違和感ありましたが
内容(流れ)はほぼ一緒難です。
でもやはり小説の方が細かい描写まで書かれてるので
読んでてこちらの方が面白かったです
(余計にコミックスの方がアッサリし過ぎてるのを再認識してしまった)

私が新装版を買うのは書下ろしを期待してる為。
そして今回は同人誌からの掲載らしいです。(持ってる方は楽しみがないのかも?)

うわ~っ、定期健診をしてくれてるお医者さんと澄人さんの秘密って感じでよかった。
この2人には独特の雰囲気があっていいかもvv


3

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