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hyakuman no yabou
お話として、読んでいる時には続きが気になってずんずん読んでいった、
というか、それなり、っていうか、かなりおもしろかったのは間違いないんだけど…。
希世の心の動きだけを見ていれば、十分BLで、展開的にも無理はない、おもしろい、いい作品。
だけど、なんか納得がいかない。
読んでいる最中はいいの、希世に感情移入しているから、
でも、おわりまで読んで、もやもやと欲求不満が残った。
希世と佐倉!
あんたら二人はそれでええんやろけど、結局、おかあちゃんやら、会社やらは、どうなったんや!
BL的にはハッピーエンドやろけど、お母ちゃんの問題はスルーか!
家族の問題と、お仕事成長話と、色々おもしろい材料詰め込んで、
最終的に、すべてを恋愛でうっちゃられた感。
なんか、もやもや、欲求不満が残る~
萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
弁護士・佐倉×家出していた財閥家の次男・希世の、シリアスドラマ。
恋愛要素が少ねぇ!
でも時間を忘れて貪るように読みました。
ラストに近付けば近付くほど加速的に面白くなってきて、寝る間を惜しんでの一気読み。
各々の思惑や愛憎が絡んだ利権争いというドロドロ話です。
主人公の妙にさっぱりとした性格と恋愛面が抑え気味なのが功を奏してか、愛憎劇特有のイヤなねちこさをあまり感じず、単純にハラハラどきどきさせてもらいました。
急逝した兄の遺言により会社の経営権を委ねられた主人公・希世。
実家に辟易し4年前に家を飛び出していた希世の元に、その兄の遺志を携えてやってきたのが顧問弁護士の佐倉という男です。
断固拒否していた希世ですが、この佐倉の説得に折れる形で社長に就任するも、なんの経営学も知らない素人なので実質お飾りのような存在。
でも、少しずつ少しずつトップとしての顔をみせていきます。
前半は多少退屈だったんですが、この辺からどんどん引き込まれていきました。
ほとんど恋愛の匂いがないままここまでかーなーりのページを割いているのですが、単純にその成長が面白いのであんまり気にならなかったかな。
正直、攻めの佐倉の存在感が薄かったのですが、終盤の「俺には地獄」という台詞に激しく萌えました。
佐倉という人間にあんまり触れられていないだけに、この一言で一気に血が通った気がします。
一から十まで全てを読者に見せる作品もそれはそれで好きですが、この話のように行間を読むタイプも大好きなので想像が(妄想が?)掻き立てられました。
各々のバックボーンを用意しておきながら愛憎劇ではあっても人間ドラマではなない。
そのちょっと突き放したような距離感が不思議と心地よかったです。
ほろ苦いけど甘い、そんな読後感でした。
久々にページを捲る手が止まらない本に出会いました。
ラブ度は低いんですが、めちゃくちゃ面白かったです。
主人公は、何でも屋で働く男(受け)です。実家を家出して数年目。
ある日弁護士(攻め)が訪ねてきて、「社長に就任してほしい」と頼まれる。
社長をしていた義理の兄が死に、「弟に会社をまかせる」という遺言があったことを、主人公は知る。
迷いつつも実家に戻り、社長業をはじめる主人公。
かつて逃げてきてしまった過去のいろいろな因縁と向き合いながら、なかなか上手くいかない社長業をこなす忙しい日々が始まります。
そんな生活の中での唯一のオアシスが、最初に会った弁護士と過ごす時間だった――。
魅力的なキャラクターやら色んなエピソードやらが濃縮して詰めこまれてる作品で、たった一冊におさめてしまうのが勿体無いような気がしました。
数冊ぶんにはなるプロットではないかと。
この書き込みすぎない部分が良かったような気もするし。もっとじっくり読みたかったような気もするし。
不思議な余韻の残る読後感でした。
いいお話でした。
家出同然に姿を消し、家族とは関わらずに暮らしていた希世の元に、父の会社の顧問弁護士・佐倉が現れた。
父の死後、跡を継いで社長になっていた兄(異母兄弟)が突然亡くなった。
遺言により、会社を継いで欲しい…と頼まれる。
今更、実家に帰るのも気が引けると断り続ける希世だが、兄と父に線香をあげる名目で久しぶりに帰省する。
そこには役員という名目で金を無心する叔父が我が物顔で闊歩していた。
母に対する反感と嫌悪、兄に抱いた劣等感など、家から逃げた理由を思い出し改めて自分を見つめなおすと、今が決断の時だと思い知る。
遺言に従い社長に就任するが、歳若な希世を疎ましく思う役員と早々に対立してしまう。
次々に起こる難題を切り抜けようと頑張る希世、それを支える秘書や部下や得意先。
信じる者と裏切る者との対立、そして希世はとうとう陰謀の罠にはまり、会社を乗っ取られてしまう。
最後まで信じていた弁護士・佐倉の裏切りに、希世は絶望を味わう。
なかなかBL的展開にならないので、一体どういう風に二人が結ばれていくのか、とても気になっていました。それがまさかっ、こんなカタチで始まるなんて!
本当にびっくりしますよ!
読み始めて、「この人とこの人がくっつくのね」と大体先が読めるものですが、この話だけは全く予測不可能でした。
どのタイミングで二人が恋の落ちるの?…とヤキモキする暇が無いほど、この話の展開はめまぐるしいものがあります。とてもドラマチックでした。
会社という舞台で繰り広げられる権力争い、家柄への執着、家族と血筋と権利、信頼と裏切り、などなど…、とても中身の濃いストーリーでした。
憎くて憎くて…憎みすぎて愛情に変わってしまう、そして敵となって闘うことで愛し合う…。
複雑で屈折した心理ですが、この二人の愛情のカタチは納得できます。
最近めったに見られない、興味深い作品だと感じました。
寝る前にちょっと「はじめのほうだけ…」と思い、ページを繰っていたらノンストップ!
次の日仕事なのに深夜2時まで読んでしまいました…。
でも悔いはありません!
寝不足になるだけの面白さでした!
ときめくBL、ラブなBL、萌えるBL、泣けるBL。
良いBLの基準はさまざまですが、この一冊はどれもあてはまらない…といいますか、
「…BL?」
と首を傾げてしまうほどテーマが別っぽく感じられました。
まるで一般書籍を読んでいるような雰囲気。
このままBLにならなくても、それはそれでいいかな…
と思わせてくれる程、ストーリーの流れが面白かったです。
前半の主人公の逃げ腰なところや無責任さにイライラさせられるのですが。
実家に戻って、社長職についたあたりからの怒涛の成長ぶりは、読んでいてすがすがしかったです。
セオリー通りならば、右も左もわからない、社内では認められていない若造社長を全力でフォローする攻があらわれるはずなのですが、この本に限っては一切そういう流れはなかったです。
ちなみに私はその流れを期待して読んでいたわけですが(苦笑)
若社長は自力で社の中で認めてくれる社員、秘書、役員を作ります。
精一杯尽力します。
思わず「かっこいい…」と思わせてくれるそんな中で、攻の顧問弁護士は影がうすい!
まるで空気!存在を忘れかけます(本気で)
これで大丈夫なの?攻としてこの印象。致命的なんじゃないの?
と半ば訝しみながら読んでいってしまうんですけれど。
なるほどなぁ!!!
と唸らずにはおれない展開が待ち受けてました。
純粋にこのくだりはわくわくしましたね。
次のページをめくるのに鳥肌がたちました。
なんの予備知識もなく読んで正解~!と大満足でした。
ラブ度はないですけれど、男同士の愛憎はひしひしと感じる、男らしい理由で愛し合う関係になっていて納得のラストでした。
名脇役たちも沢山でした。
楽しかった~。