senmeg
ヨネダコウさんのカカイル小説本です。
ヨネダさんと言えばREBORNの山ヒバが有名ですが、カカイル本も負けず劣らずの名作が揃っております。今回はその中でも私が初めて読んだ記念すべき一冊目を…^^
元仲間だった抜け忍暗殺の任務を遂行し、荒んだ気持ちのまま里に帰還したカカシは偶然入った居酒屋でイルカと出くわす。誰にでも笑顔を見せる自分とはかけ離れた陽気な中忍に良い印象を持っていないカカシだったが面倒だとは思いつつも流れで席を共にし酔いつぶれた彼を自宅に連れ帰る羽目になってしまった。こちらの気も知らず無防備な姿で熟睡するイルカを見つめながら不意に湧き起こる苛立ちと嗜虐心。その不可解な感情に押し流されるように力と階級の差をかざし困惑するイルカを無理やり抱いたカカシだったが…。
元暗部に所属し他国からも名の知れたエリート上忍カカシと片やうだつの上がらない地味な中忍教師イルカ。カカイルを語る上で絶対に欠かせないのが死と隣合わせにある忍の世界に於いて真逆に存在するこの2人の位置関係だと私は思ってるんですね。
女に不自由してない筈のカカシが何故自分を抱きたがるのか…疑問を抱きつつも求められれば強く拒めないイルカだったが、しかしその行為に何の理由も持たないことを知ったイルカは深く傷付く。一方のカカシも自分を避け始めた彼の態度に今までにない焦燥感を感じて。まぁ誰かに執着する時点でカカシの答えはもう既に出てる筈なんですけど…この時はまだ無自覚。
そして一番山場となるのが半ば強姦に近いセックスの後イルカがクナイを取り出し震えながら「来ないで」と懇願するくだり…
この辺は…ホントにもう…胸が押し潰されそうで苦しくて読むのが本当にツラかったです。2人の気持ちが分かるだけに余計切なさも最高潮に達しました!!
でもこれがあってようやくカカシが自分の気持ちを自覚する訳なんですが…(つか、遅すぎだよ!!苦笑
とにかくヨネダさんの書かれるカカイルは2人が幸せになるまでのプロセスが本当に痛くて切ないものが多いです。でもだからこそハッピーエンドに辿り着いた時の幸福感も半端ないというか(笑
自分にとってカカイルとは腐の世界に私を導いた特別な存在なので、この作品に出会えた事は今でも奇跡だと思ってます^^
因みにこのお話は後日談として短編の漫画も発行されてます。
あとサークル名の紹介が「不夜精」となってますが正しくは「不夜情」ですね^^
ヨネダコウさんは漫画しか読んだことがなかったので、小説も書かれていたとはびっくり。
しかも、結構私好みの文章でした。主にカカシ視点で書かれているんですが、大人っぽくてカッコイイ。
ナルトから話を聞くくらいで、個人的な付き合いはなかったイルカと居酒屋で話した時から、カカシがイルカに惹かれるようになる片鱗が窺えます。無邪気で警戒心が全くないイルカの様子が可愛い。^-^
体から始まった関係だけど、次第にイルカに関わりたいと思うようになるカカシ。でも再び強引に抱いた後、自分を避けるようになったイルカに苛立ち始める。
この辺りから切なさが強くなるんですが、そこから最後まで切なさは強まるばかりで・・・
もっと小説の方も読みたくなりました。