最悪

saiaku

最悪
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×27
  • 萌5
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
15
得点
190
評価数
45
平均
4.3 / 5
神率
64.4%
著者
ひちわゆか 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344815810

あらすじ

クールなエリートビジネスマン・英彦が仕事先で再会した、昔の恋人・有堂。がさつで無神経なところは、昔と全然変わっていなくて!?
出版社より

表題作最悪

元恋人、実業家
エリートビジネスマン

その他の収録作品

  • 悪運
  • 運命

レビュー投稿数15

ひちわゆかさんのヘタレ攻め

ひちわゆかさんの描く色んなタイプのヘタレ攻めに、もう私メロメロです。
「13階のハーフボイルド」のキング・オブ・ヘタレ攻め、「今夜、雲の上の~」の毒舌不器用なヘタレ攻め、「12時の鐘が~」の勘違いヘタレ攻め。
この小説のヘタレ攻めも、美味しいヘタレ攻めでした。豪快で無神経で自信家、いちばん「実はヘタレだと分からないタイプ」だと思います。
毒舌メガネ受けとの相性は抜群で、二人が会話してるだけでニヤニヤ笑いが止まらない。ひちわゆかさんは毒舌のさじ加減が上手いなァ。
主人公ふたりは昔の恋人同士です。再会するところから物語は始まります。別れたときの事実はゆっくりと明らかになりますが…二人ともバカですw

7

むつこ

>>羊さん
世界の損失ww
いーや、宇宙の損失です!

(↑被せときました)

羊さんも、ひちわ作品のナンバーワンが『13階のハーフボイルド』って聞いて、嬉しいです。
この超名作のレビュー、まだ私しかしてなくて、「あんまし人気ないのかな…」と微妙に悲しい思いをしてたんですよ…w

むつこさま
「13階のハーフボイルド」、羊も心から続編をお待ちしているんですの。
世界の損失ですわ!
ひちわさんの作品で一番好きなくらいなのに・・・
是非是非書いていただきたいですね!

むつこ

>>羊さん
こんにちはー(^^)
羊さんがレビューで「ドツキ漫才」って書いていましたが、まさにソレダ!と思いました。
私もひちわゆかさんには、脱帽しまくってます♪ヘタレ攻めが大好きになるきっかけとなった作家さんなんです。ただ、遅筆な作家さんなので、待つのがつらい日々ですが…
ひちわゆかさんでいちばん好きな作品は『13階のハーフボイルド』なんですが、続きが気になって仕方ないむつこです。

むつこさま、こんばんわ(*^▽^*)
2人の会話だけでもうお釣りがきますよね!
歯ブラシやら、うなぎやら・・・まさに犬も食わない。
バカなのになぜか萌えちゃう、ひちわさんの筆力に脱帽です。

男同士ならでは、の関係がいい!

軽妙な語り口に安定の文章力、印象的で生き生きと動くキャラクター。面白かったー!!
ご本人のあとがきが、そのまま的確な作品紹介だったのでちょっと抜粋。

***
こんな男とだけは、暮らしたくない。
そんなサイアクなやつが、もしも周りに一人、いたとしたら。
好き、だけど、顔を合わせればついつい文句ばかり。
くたばれ!と唸りつつ、なんだか憎めない。

有堂のような男に振り回されるのはまっぴらですが、
対岸の火事なら見物も気楽にできようというもの。
強引、頑丈、無神経。三拍子揃った男を愛し、
愛されてしまったエリートサラリーマンのまさに「最悪」な日々。
***

有堂は「最低な男」ではなくて「最悪な男」なところがミソ。
ろくでなしやダメ男ではなく、むしろ男としては非常に優秀でデキるやつ。
すごく性格が悪いというわけでもない。むしろ気のいい男。

けれど一緒にいると時に気が狂いそうになる、ブチ切れてしまう…
そんな英彦の気持ちはすごくよくわかる。
でも結局見放せないし惹かれてしまう…
そんな英彦の気持ちも、すごくよくわかる。

なんだかズルいなあ悔しいなあと思いながら、やっぱり有堂が愛しいし可愛いし、
がんばれ英彦、どうかそいつを見捨てないでやって…と願ってしまう。

プライドがあったり、譲れないものがあったり、男同士ならではのエピソードが良かったです。
軽妙でコミカルなテイストですが、決してそれだけではない。
心理描写や日常のやりとりが丁寧に描かれているわりに、
内容はボリュームがあり、きっちり読み応えを感じる不思議。

誤解やすれ違いもありがちな予定調和ではなく、本気で先が読めないのではらはらします。
予想がつかない二人の、思いがけない反応に、思わず涙が出てしまう場面も。

有堂の振る舞いがなかなか強烈なので、人によっては好き嫌い別れるかも?
私も冒頭はウッ…と思いましたが、でも気がついたら可愛くてたまらなくなってました。
振り回される英彦も可愛くて、でも肝心なところはしっかり男らしいのがいい。


新装版書き下ろし「運命」は、念願の有堂視点!可愛かった…っ
本編から数年後の二人と、二人の出会いの回想です。
35ページくらいの短編ですが、読みたかったものが詰め込まれてて嬉しかった~~!!
有堂の目には英彦はこう見えてるのね…っていうのが見えて、うわーうわー、とニヤニヤ。

レビューのために書き下ろしを読み返したら、結局本編も読みたくなって再読。笑
改めて、この二人ほんと好きだなあ…と実感しました。
キャラが生き生きした小説はやっぱり良いですね。
ちょっと時間を置くとまたなんとなく読み返したくなる。読み返す度にまた好きになる。
大好きな本です。

6

どっちもどっちだけど

間違いなく男同士だ!受けがヘタレていない!もうそれだけで神です。

ワイルドな社長・有堂(作者曰く、強引・頑丈・無神経)と大学時代からの腐れ縁、総合商社課長・橘のお話。
大学時代に起業して、金融業を営む有堂と、大学時代は恋人同士として暮らしていたものの愛想を尽かし彼の元から去った橘が、思わぬ災害で再会し・・・

どっちもどっちなくらいお互いに惚れこんでいる二人なので、これからどうなる?といったハラハラドキドキはないのですが、有堂のワイルドすぎる性格と、抱えているコンプレックスが大きすぎるからか、彼に振り回されいちいちひがみ、イラつきながらも放っておけない橘の言動で読ませてくれる作品です。

お話の主軸は橘の会社の仕事がらみなのですが、橘が活躍するのではなく有堂が輝いちゃうわけです。
で、そのたび橘は惚れ直し、ほだされて、前のことなど帳消しにしてもいいと思っちゃうくらいなのに・・・また有堂は同じことの繰り返し・・・
「悪運」の方では報復を企てるのですが・・・

とにかくお約束のように橘を振り回してくれる有堂なのですが、最初に出て行かれてから再会するまで、ショックで不能になっていたといういきさつがあるので、橘もすぐに許しちゃうんだろうなと思います。
ホンっと割れ鍋に綴じ蓋カップルです。
橘が有堂との関係を「なにがお察ししますだ」と心中ぼやくところがありますが、有堂だからこそ惹かれてしまったのだということが痛いほど分かりました。

今回の書き下ろしで、大学時代の馴れ初めが語られ、さらにちょっと心を入れ替えた有堂を垣間見ることができましたが、最後の落ちは・・・

やっぱりそうですよね。そうじゃなくっちゃ。

実はビブロス版を持っているはずなのですが未読のままマグマの方へ・・・
先日CD発売になったので、先に聴いちゃったらハイテンションな台詞回しに大感激。
これは読まないとと思って、これも積読だったのを引っ張り出してきた次第です。

5

最悪だけど最高のコンビ

丁々発止なやり取りがとても楽しく、キャラ良しテンポ良しストーリー良しの、個人的にはひちわさんの中で3本の指に入るお気に入り本です。

傲岸不遜を絵に描いたような「最悪」な男・有堂×堅物なクールビューティー・英彦の、言ってしまえば数年越しの派手な痴話喧嘩。笑
しかしこれ、ただの痴話喧嘩じゃない。
どうしようもない「男のプライド」が立ちはだかる、これぞ男同士ならではの痴話喧嘩!

男としても実業家としての素質もピカ一、しかもずば抜けた強運の持ち主。でも中身はどうしようもない無神経の塊。
英彦の言葉を借りるなら「図々しくて自信家でズボラで下品でちっとも人の話を聞かなくて、ヘビースモーカーで巨人ファン」な「最悪」な男・有堂。

そんな男に振り回された恋人としての過去を、汚点のように苦々しく思う英彦は、眼鏡がよく似合うクールな商社マンで、異例の早さで出世街道を突き進む超エリート。
これぞ俺様×ツンデレですが、俺様の俺様たるゆえん、ツンデレのツンデレたるゆえんが発揮されています。

何が良いって、いかに恋人であれど…いや恋人であるからこそ刺激されてしまうプライドと劣等感のありようが、紛れもなく男×男。
天才型と努力型、ズボラと神経質、容姿も素質も何もかも対極にある二人ですが、傍から見れば、実に好一対という組み合わせがとても痛快です。
最早どっちが振り回してどっちが振り回されているのか…とゆうか、どっちもどっち。笑

クールでつれない口も態度も悪い英彦が、セックスの時には乱れてしまう落差や、自信家の代名詞のような有堂がヘタレる瞬間が、これまた美味しい。
石原さんのイラストも、心底ぴったりなコンビなんです。

せっかくなので書き下ろしの「運命」について。
友人を交えての、英彦(海外赴任だった)の帰国祝いの日の様子と、学生時代の出会いを振り返るという内容で、かねてより読んでみたかった有堂視点。
英彦への惚れっぷりが、過去と現在に渡って大暴露されていて、もうニンマリです。
三十路になっても相変わらずくだらない事で喧嘩してる二人に、大いに楽しまさせて頂きました。オチも最高!

5

意地の張り合いもここまでくると天晴れ!

大人気ないにもほどがある(笑)
喧嘩の内容はまるっきりガキ!
「絶対こっちから連絡なんてしてやるもんか!」な意地の張り方もガキ丸出しなんだけど、何せ奴らは経済力のある大人なので、キレてやることには金がかかってるんですよね。
いきなり引っ越したりとか夜逃げしたりとかね。
けどもやっぱり、ガキの癇癪にしか見えないんだなぁ…(笑)

そもそも「仕返ししてやる」って発想が、既に小学生っ!
さらに面白いのは、これでお互いにどうしようもなく惚れてるってことなんですよね~。
惚れてるし、惚れられてるってのもちゃんと分かってて、けどもそれとはまったく別次元で、「先に折れてなるものかっ!」って思ってるんですよね(笑)

基本的にカッカしてるのは主に受けで、攻めはどっちかって言うと「あ?なにを怒ってんだ?」って感じで飄々としていて、それがまたさらに受けのイラッと感を煽るという堂々巡り…。
この2人の、1ミクロンも噛み合わない会話が、もうめっちゃ面白かったです!!!

それで、面白いだけのギャグかといえば全然そうではなく、エロだけがガツガツしているわけでもなく、ちゃんとキュンもあるんですよね。
私は、暗い部屋にペタンと攻めが座り込んでたあのシーンで、いきなり心臓がバックンバックンしました。
キュ~ンってよりも、「わぁ…」って絶句しちゃった感じに近いかな。
惚れるわこれは。もうしょうがないわ。

なんかこの2人、ホントにガチンコ勝負なんですよね~。
なによりイイのは、よくある恋愛関係みたいに、「相手がいればいい」とか「相手のために何が出来るか」とか、そういう感覚が思考の中心にならないことです。
もちろん助けたいとか思うんだけど、だからって自分の能力以上の手を差し伸べたり、感情論で「頼ってくれ」と泣きついたり、しないところが逆に勇ましい。
それよりもともかく、お互いが自分の人生に一生懸命。
その上で、アイツが傍に居た方が自分の人生が倍楽しい!だから傍に居られるときは勝手に近くに行く!って感じが、すっごいカッコよかったです。

最後がまたすごい!
タクシーの運ちゃんとの有馬記念の会話あたりで、「なるほどね~」となんとなくオチが読めたと思ってたんですが、実際のオチは想像の遥か100万フィート上空を行ってました(笑)


4

腐れ縁

積み本をせっせと消化してて引き当てた作品。ひちわゆか先生、初めて読みました。こういうお話、好きだなぁ。一気読み!

新装版なので改稿されている部分もあるのかと思いますが、読者を引き込む物語の構成が上手いと思うし、書き下ろしの攻め視点で二人が出会った頃を知ることができたのも満足です。

学生時代に付き合っていた有堂と橘。有堂は学生起業家で成功を収めるほどの手腕と器を持つ豪放磊落なタイプで、橘は真面目でコツコツと努力を積み重ねていく几帳面なタイプ。二人は一時同棲していたけれども、潔癖症気味で綺麗好きの橘にとって、有堂のフリーダムさ加減には我慢の限界が…。食べたら食べっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなし、風呂は長風呂で床もマットもびっちゃびちゃ、愛煙家で灰皿は常に山盛り、所々焼け焦げを作り、風呂でもタバコを吸う始末。玄関の扉を開けたら廊下に裏返しののまま放置された靴下が目に入る毎日にブチっときた橘は、ついに有堂との別れを決める。そして数年後。

二人は追ったり追われたりという関係ではなく、縁あって何度も再会してしまうんですね。そのきっかけをもたらしてくれるのが毎度「仕事絡み」なのが男らしいっていうか。

橘は有堂に憧れと嫉妬心を抱いていて、惚れている男と自分を比べて卑下してしまう悔しい気持ちなんかあいつにわかるわけない、ムキーッ!って逃げるんです。でも有堂は有堂で、彼なりに橘のことを思っていて、ずーっと彼を待ってたりして…。橘が追いつけないと思っていた相手は、橘の前でしか虚勢を張れなかっただなんて…ごちそうさまです。

恋仲にある男同士らしい関係性を楽しみたいならオススメしたい。キングサイズ、いや規格外の男を乗りこなせるのは、エロ可愛いくって忍耐強い、世話女房でしたとさ。あ、下ネタではないですよ?(笑)

4

買って損しなかった再録本

今更ですけど、レビュー載せ忘れてたもので…(^_^;)

思わぬ場所で再会…から始まる、英彦と有堂の関係は、石原イラスト効果もあって、
微かに黒鵙をも思わせる 巻き込まれ型クールビューティーの話、とでも云うか・・・
軽妙なコメディタッチの等身大社会人描写が、身近なリアリティでストーリーを支えていて、かつHシーンの色っぽさも際立たせてると思うお話です。

はた迷惑な豪快男・有堂は、理想的な攻め様ではないでしょうが、
素直で育ちの良い英彦が、ある意味憧れて止まない男性像であり、一種のカリスマ性を持ったキャラクターです。

二人のセリフが、どこまでも小気味よく、性別不明(というかBL的女体化・お子さま化)に陥ってないのが、何より好みです。
再会の後、疲れて眠りかけほろ酔いの英彦が有堂に問いかけるシーン、象徴的ですね。

 「……おまえ、そんなにおれが好きか?」
 「さあな。云いたくねえな。どうせ目ぇ覚ましたら覚えてないんだろ」
 「云え」
  ベッドに腰かけた有堂は舌打ちし、英彦の上にがばっと覆い被さると、囁いた。
  羽根布団を口もとまで引き上げて、英彦は満足そうにうっとり、笑った。
 「ザマみろだ……」

ひちわ作品では個人的に一押し!で、
初版のノベルズ版は、膨大なBL蔵書の中でも(笑)長年上位ランクしている話でしたので、文庫化では、書下ろしを楽しみに購入し、現在も手近な本棚にラインナップ中。
初の攻め視点で二人の出逢いを披露され大満足! 買った甲斐ある1冊でした。

著者にも思い入れある作品で短編のエピソードを絞るのに苦心されたらしいコメントがあったので、是非是非っもっと書いて下さい!!と、今でもお願いしたい。
ここに来て出してきた新キャラ・崔も気になるクセ者で続編への期待は十分です。

3

痛快、トムとジェリーのような2人

主人公カップル2人のからみがユーモラスで痛快で、何回も読み返すお気に入りの話になりました。

マイペースで超ずうずうしい有堂(攻)と、がみがみ嫁タイプの英彦(受)。
2人とも周りが引くほど極端な言動で、トムとジェリーのような、互いに替わりはないという破れ鍋綴じ蓋のお似合いコンビ。

第1話の最後では、有堂が英彦(受)『嫁にこい』というようなことを言っていますが、第2話以降では(受け)が、嫁なんか行かず、甘々にもならず、現会社のままで着実に出世をし、何ともしたたかに強くなっていくのが好みです。

正反対の性質で、対等にケンケンゴウゴウやっているのが楽しい。
そして心底惚れあっている!

ユーモラスで、ときどきうるっとくるところもあって、美味しいお話でした。

2

男としての矜持を懸けて

時々読み返している、お気に入りの作品のひとつ。
豪快でがさつな性格なのに、本気で受けに怒られると弱い俺様攻めと、強気でキレると何するかわからない、毒舌な美人受け。

ふたりの付き合いは大学生の時から。同棲までしてた恋人同士だったにも関わらず、一度は別れてしまう。その理由は、有堂のだらしなさと不遜さに英彦が愛想を尽かしたということだったが、当時必死で就職活動をしていた英彦は、学生起業家としてすでに活躍していた有堂に、ひそかに男としてコンプレックスを抱いており、それが苦しかったらしい。
そうして一方的に別れを告げた四年後、英彦は順調にキャリアアップし、ひょんなことから有堂と再会する。で、焼け木杭に火が点く、という展開に。

お互いにまだ相手に未練があるというのは自覚しつつも、気持ちがすれ違ってしまうふたり。
仕事で大変な想いをしたとしても、有堂はそれを英彦には言わない。そのせいで英彦を怒らせることになっても、惚れた男の前ではいつも、男としてカッコつけていたいというプライドの高さ。そうやって見栄を張るくせに、また英彦に捨てられたと思ったときには、本気で落ち込んでうなだれてるのが可哀想で可愛い。
このカップル、受けが一方的に振り回されるばかりではなく、ふたりがそれぞれのプライドを懸けてぶつかり合うっていう構図なのが、対等な男同士の愛という感じですごく好み。こんなにざっくりした性格なのに、英彦に出ていかれてからの四年間、有堂が誰とも肉体関係を持っていなくて、自分の右手だけが恋人だったというエピソードもキュンとした。
英彦目線で、英彦に感情移入して読んでいたはずなのに、最後の方は、もうあんまり有堂をいじめないでやってくれ、なんて思ってしまう。

書き下ろしの「運命」もいい。初めて会った時、受けがものを食べる姿を見て攻めはムラムラしてたけど、本編で受け目線でのその時の回想シーンがあるので、つまりは最初からお互いに一目惚れだったのかとわかる。
でもって、プライドの高いツン受けが嫉妬するのって、なんでこんなに萌えるのか。オチはいつものキッツイ英彦とだらしない有堂で、十年も経ってるのに喧嘩するほど仲がよくて、もう夫婦みたい。

2

最高でした

いやーーーーbl小説って、というかblっていいですね、と再確認させてくれた一冊でした。
めちゃくちゃ面白い。

理不尽なように見えて受けにゾッコンな男前(男臭い)攻め×クールに見えて同じく攻めにゾッコンな男前(美人系)受け
って感じで、最高でした。
相手のことをとことん愛してるだけじゃなくて、相手に対する憧れ、そこに付随するプライドのぶつかり合いなど、出来る男2人ならではの恋愛や葛藤が描かれていて兎に角面白かった。
特に攻めの有堂がいいですね。ダメなところもあるけど、兎に角人を惹きつけてやまない魅力溢れる男前。野生みまであって、とあるセリフで思わずカッコいい!と声が出てしまいました。
先生ならではの軽快で読みやすく、だけどどこか色っぽい文章とあいまって、ページを捲る手が止まりませんでした。
(紙だと90ページ弱となっていたけれど、電子だと200ページ以上ある体感でした。紙だと二段組になってるのだろうか?)

とにかくおすすめな一冊でした!

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