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傷付いた二人が出会って愛し合うようになるお話で
序盤から橋場のそっけなさに私の心が折れそうになりましたが
逆にこれからどんな風に夏南へ心を開いてくれるのか楽しみになりました。
冷たくされても夏南がめげずに話しかけたり健気だったのですが
やっぱり当て馬がいると展開が早いですね。
夏南が橋場より先に出会っていたカフェのマスター・西脇は
橋場と夏南を心配してくれてよく橋場の家へ顔を出してくれていて
西脇の優しさに夏南がリラックスして自分の前では見せたことのない笑顔を向け
そういったモヤモヤの積み重ねで橋場が恋を自覚したので
二人だけでいる時間も大切ですが第三者の存在は不可欠だったのでしょう。
橋場の仕事関係者である池永も、カメラマンとしての橋場を諦めかけていたけど
夏南との生活で立ち直りつつある彼を嬉しく思えて良かったです。
ただ、夏南が逃げ出した最大の理由でもあった従兄の晋一がクズでしょうもない…。
「お前は俺がいなきゃダメだろう」と依存しているのは自分の方で
金に困って夏南を売るような真似までして酷い男でした。
夏南が好きだった晋一ではもうなくなってしまったのだから
もっと強く拒否しても良かったのではないかと思いましたが
夏南は優しいから仕方なかったのかもしれませんね。
でも晋一が現れた時点でもう少し危機感を持つべきだったような…。
橋場の言葉責め的なセリフが「大きいだけか?」とか
若い夏南に何を言わせたいんだろう…とちょっと我に返ってしまってすみません。
ぶっきらぼうだった橋場にしてみればだいぶ進歩しましたけども。
誰も自分を知らないところでやり直したい。
そんな思いを胸に、夏南は幼い頃一度だけ訪れた海辺の町にやってきた。
たまたま立ち寄ったカフェで紹介された住み込みの雑用の仕事を通じて偏屈なカメラマン洸陽と出逢う。
初めは無愛想な上偏屈な洸陽に面食らった夏南だったが、次第にその無骨な優しさに惹かれ初めて……
雰囲気とか話の流れは好みだったんだけど今ひとつ内容に入り込めず。
そもそも夏南がやり直したいと思った理由がちょっと唐突だった気がする。
逆にもっとベタベタの方がわかりやすかったかも。
好きだった人に性癖がばれて拒絶される……とかさ。
無口でクールな洸陽さんには最初もっと怖い人でいて欲しかったかもしれません。
割と最初からいい人風味なので。
全体的にサクサクお話が展開しすぎて、もったいない気がしました。
傷ついた二人が寄り添い、未来に向かって歩き出す物語。
夏南と橋場、それぞれ抱えている心の傷は、結構深くてハードなのですが。
海辺の家が舞台のせいか、それとも藤代さんの作風なのか?
ドロドロと暗くならずに、全体的に爽やかで優しい雰囲気に包まれています。
物語の展開は王道で、読者の多くはオチを予想できるのではないかと思います。
代わり映えがないと言えばそれまでなのですが、二人が親密になっていく過程は
くすぐったいほど甘くて。読み終わった後は温かい気分になれます。
静かで淡々としていますが、素直で前向きなお話しでした。
表紙が作品の雰囲気をとても上手く表現していて。これも好印象です。
それぞれに傷ついたふたりが、初めは反発し、やがて理解しあって、想い合うようになる。
藤代さんの二作目は、わりとよくあるお話と言えるかもしれません。王道ですよね。
一作目のボディーガードものでは「ちょっと甘さが足りない」と思ったけれどこちらはたっぷり甘いです。一作目のような路線でずっと行く人なのかな~と、なんとなく根拠はないけど思っていたんですが、こういう普通のお話も書く人なんだ。
橋場は再び希望を抱き、夏南は本当の居場所を見つけ、橋場の友人たちにも暖かく見守られて穏やかな日々が続く・・・と思われた先、夏南の従兄が夏南の居場所をつきとめ、執拗に自分の元へ連れ戻そうとする。
従兄の苦悩については夏南の母から事情を聞くことと、本人の行動から想像するくらいしかなかったですが、この人の心理をつきつめていったら、かなり屈折したドラマがありそうです。読みたくないけど(笑)。
読みやすいラブストーリーですが、海千山千の読者には物足りないかもしれません。そして印象には残りにくいかも。
海辺のコテージで、庭にはふたりで花壇を作り、一緒に買い物に行って料理をして、友人が時折訪ねてきて、天気のいい日にはドライブする。
そんな穏やかで優しい日々を過ごす恋人同士。
そういうのも好きですけどね。
表紙とあらすじに惹かれて購入!
帯にあるとおり、愛と再生がテーマになってる…んですが…
何か結局カタがついてないことばかりで尻すぼみになっちゃって残念…。
途中まではおもしろかったのになあ(Тωヽ)
利き手に障害を持った元カメラマン×実家を飛び出してきた心に傷を負った青年でした~。
藤代さんと相性悪いのかなあ…
一冊目の「誘惑」も結局読まずに売っちゃったしな;