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内容を綺麗さっぱり忘れていた為に、新鮮な気持ちで読めたので得したと言うべきか(笑)。攻めの未熟さ弱さ、同時に受けの無自覚で悲しいドライさ、それら全てが愛しかった。
そして想いを同じくしていても必ずしも歯車が噛み合うとは限らないこと、それがごく普通に起こり得るのだということを忘れていた自分に気がついた(何せBL界はカップル成立率がハンパないのでw爆)。ただ何となく(二人の間に)生じるズレ。この“何となく”という曖昧さが歯がゆく、切ない。しかし一番重要なのかもしれないそれを、一般的には“相性”と言うのだろう。
ラストの再会シーンは使い古された感があるしクサイけれど、定番だけあってやはり美しかった。最後に二人がわかり合えた幸運に、読後に清々しさを感じられるところがこの作品の良いところだと思う。
この作品を境にしてたけうちさんは青春小説からBL小説へと変化していった様に思います。
そういう意味では最初から読んで行くと意外な変化が分かった様な気がしたり。
海の家でのバイトで出会った幸祐と伸との一夏の想い出話とでもいうのでしょうか。
70年代の洋楽が流れる海の家で彼等は出会い、ひょんな事から幸祐は伸を己のアパートへと暫く泊める事になります。
伸は真面目なのか不真面目なのかつかみ所がない青年で、感情のままに暴走したかと思えば妙に可愛気があったりして幸祐は魅かれながらも翻弄させられます。
ラスト近くはぷつんと彼等は成長し、そこで大人になった彼等はもうあの海の家ではしゃいでいた彼等では無いのです。
この作品以降もたけうちさんは青春物を書いてはいるのですが、この作品以前のあの匂いとは少し違う様に思います。