罪深き吐息さえも愛おしく

taumibukaki toiki saemo itooshiku

罪深き吐息さえも愛おしく
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
4
得点
18
評価数
8
平均
2.6 / 5
神率
0%
著者
華藤えれな 

作家さんの新作発表
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イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784861343117

あらすじ

発展途上国や被災地で医療活動をする蓮見祐紀は、帰国中の数ヶ月間大学病院で働くことになる。そこには「神の手を持つ男」と評判の心臓外科医・志岐栄司がいた。歓迎会の席で教授と衝突するほど、金や出世に興味がなく不器用なくせに、医師としての崇高な理想を熱心に語る蓮見に志岐は苛立ちを覚える。志岐は、偽りの恋と快楽で、純粋な蓮見を籠絡して彼の志を挫き、傷つけようと企むが――!?
出版社より

表題作罪深き吐息さえも愛おしく

エリート心臓外科医
普段は辺境で仕事をしている医師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

ひどいヤツ攻

エリート外科医志岐×海外医療ボランティア帰りの医師蓮見。
最初は遊びのつもりで志岐から手を出したけれど、本気になるのが怖くなって捨てて、でもやっぱり蓮見のことが忘れられなくて追いかける展開。

途中までの志岐の酷いヤツっぷりにイライラ。
だいたいこういう話だと攻は後から酷い目にあったりするんだけど、志岐の場合それがイマイチ生ぬるいのですっきりせず。

ラスト。蓮見と志岐が二人で診療所をやっていますというところで終るのですが、志岐が来るまで蓮見といっしょにいた大城先生はどこに行ってしまったんだろう?

0

すべて微妙

攻めもかなりひどい、イタイ人なんですが、受けも微妙。
医者としての腕もいいハイスペックな攻めは、いかにも甘ちゃんで傲慢。
その傲慢さに気づいているのに、自分では軌道修正できない甘さが、イライラしました。ラストで改心?というノリなんでしょうか。でも信用できない。ハイスペックな攻めなら、ハイスペックならではの改心した姿を見せてほしかった。
さらに受けも流されまくりで、うっとうしい。
健気っていうか、献身的になりすぎて薄ら寒い。
攻めが好きになって、それまでの自分の仕事がゆらぐなら、ゆらぐ程度のものだったのか、ゆらがせるほどの攻めへののめり込みを見せてほしかった。

とにかく攻めも、受けも、どうも受けつけないかんじ。
前半と後半で舞台となっている場所が違うんですが、前半はさっさとまとめて、後半をじっくり書いてくれたら再会物として楽しめたかも?

華藤さんの昼メロなノリは好きなんだけど、すべてが微妙、中途半端で乗り切れなかった。残念。

0

ぼくはただ、あなたにも誰かを愛してほしいと思って

一言でまとめると、
傲慢な攻め様が、純真な受けを貶めようと抱いたつもりが、
その純粋な心に触れるうち、真実の愛に目覚める。
という、実にポジティブなラブラブ話。

大病院の息子で、技術もあって、容姿もよくて、何でも手にしているのに、だからこそ空虚で、満たされてない志岐。
退屈な日々を送っていた志岐の大学に、短期の臨時採用で赴任してきた医師は、発展途上国の非営利団体で働いていた変わり種。
経歴に興味を惹かれて参加した忘年会で会った彼、蓮見は、、、、

このお話、前半は、志岐が蓮見を弄んで捨てるまで、
後半が、一度捨てた蓮見を忘れきれなかった志岐が、蓮見を訪ねていった離島で、自分の道を見つけて、蓮見も手に入れて、めでたしめでたし。

いろいろ波乱はあっても、二人は強い愛で結ばれて、離島医療に生きていく。
実に前向きで、幸せな結末。

と、これだけだと、なんだか清廉すぎて物足りなそうですが、
お話が清廉なのに反し、エロ方面はかなり濃厚です。
蓮見の「真面目でポジティブ」が、セックスにも「この時だけでも」と積極性を発揮してしまうので。

このお話、作りがしっかりしているので、ドラマCD向きかも。
キャストは、志岐でゆうきゃんかコニタンで、蓮見は、えーっと、誰にしようかなぁ
若くて、クセがない、さらっとした感じの声がいいんだけど
やっぱり、ノジ?
う~ん、もっと新しい感じが欲しいんだけど
みゆ君とかBLデビューして、、、くれるわけ無いか。

1

面白かった。

金、容姿、知性とすべてにおいて類稀なるほど恵まれていた故に、退屈を託つ医師・志岐。
有名病院の息子である志岐は生まれた時から人生のレールは敷かれていて、本人もそれに相応しい天与の才を持ち「神の手を持つ男」などともてはやされている。
その才ゆえに、瑣末な作業の全ては周囲が請負い本人はその恵まれた技術を発揮するだけ。志岐にとって医師の仕事とはただそれだけのこと。

そんな志岐の勤務する大学病院の救急に、臨時のアルバイトとしてやってきた青年医師・蓮見。
彼は普段は非営利団体などを通して、発展途上国や被災地、紛争地域などに派遣され医療活動を行い、将来は離島での医師活動をしたいと考えていて、金や出世には囚われない崇高な理想と信念を持っている。
見た目は若く、風に飛ばされそうな痩せた体をしたやぼったい男だが、その情熱を語り始めると絶対に折れず、出世や派閥にどっぷり浸かった教授や周囲の医師たちを苛立たせる。
志岐は、お綺麗な理想を真剣になって追う蓮見に腹立ち、彼に偽りの恋をしかけ快楽に溺れさせて、その崇高な志を穢し貶めてやろうと決意する。

内容はほぼ前半と後半に分かれていて、志岐が蓮見に偽りの恋をしかけ、蓮見を地に落そうとするのが前半。
蓮見が志岐に本気になって、自分の志を裏切り発展途上国へ行くことを断り志岐の元で仕事をすると決意した瞬間、志岐は容赦なく蓮見に別れを告げて彼を切り捨てる。

そこから後半は、志岐が自分の「医師」としてのあり方に迷い、あんなにひどいことをしておきながら忘れられずにいる蓮見を追い求めるという展開。
本当は蓮見と同じように金や出世ではない医師としての仕事を追いたかったけれど、恵まれすぎていたゆえにそれを実現できず言葉にすることもできなかった志岐だからこそ、蓮見に苛立ち、同時に惹かれていた・・・とはさもありなん。理解しやすいですね。
見た目は弱々しいけれど心は真っ直ぐで強い蓮見と、見た目は傲慢だけれど迷える志岐と、どちらも医療の現場でそれぞれに道を模索していると感じられるのがいいな。

面白かったです。
愛する人が同じ志を持って離島で一緒に医師として活動してくれるという、これ以上ないめでたしめでたし。
志岐の後ろ盾は完璧ですから実利的な面も心強いのが美味しすぎる(笑)。

2

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