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父が亡くなったため、7年ぶりに帰国した藤井家次男・将吾。長男の千真が大好きで、吹っ切るために渡米しMBAの資格も取ったいい男ですが、三男・郁が言うように『脳みそまで筋肉』なため、人の機微には疎いんです。
藤井グループの心強いパートナーである大手ゼネコン・風間建設の社長が、将吾の幼なじみの裕貴でした。
「将吾が僕のものになるなら、なんでもしてやる」
と、将吾の本気を確かめるふりをして、本音をこぼす裕貴。でも、自力では気が付かず、弟の郁にヒントをもらってやっと気が付く有様ですが。
裕貴の気持ちに気が付いたら、あとは裕貴が可愛くて仕方がなくなっていく将吾は、野獣(可愛らし目のですが)に豹変。ガンガン攻めまくってます。
また裕貴は裕貴で、今までツンツンしていたけれど、将吾の前ではデレ。まさにツンデレの本領発揮ですね。
自分の気持ちを隠して……という、まさにBLの王道って展開です。
鈍ちんな攻めと突っ張っちゃう受けがお好きな方、どうぞ~。
藤井グループの三兄弟の下二人の過去話でした。過去というのは、シリーズ1巻から考えたらという意味です。兄弟全員男と出来ちゃうまでの話…なんですが。
次男は一番父に似てがっちりとガタイが良く、頭の中まで筋肉タイプ、三男は見た目が一番母に似てて、少し華奢なタイプみたいです。
容姿の事がよく出てくるんですけど、割とその辺関係あるエピソードも多いです。
今回は二人の話がそれぞれ入ってたので、全体的に薄いなと感じました。
たまたまなのか、二人とも相手に前々から気に入られてたので、話がとにかくとんとん拍子なんですよね。
そして、キャラとかそういうのが結構テンプレで、話の流れまでなんだかテンプレに感じてしまって、サクサク読めるんだけど先が読めすぎてしまうので萌えに至る前に終わってしまったー!って感じでしたね、両方とも。
なんでこう心に引っかからないんだろう?って考えてみたんですけどね、エロは標準的にあるけどキュンが足りない気がしました。
何というか、切ない、もどかしいって感じが足りないんですよね…密かに思い続けてた相手と結ばれる話(次男)なんかもあるんですが、どうにも感情移入できない。
最初からもうハッピーエンドになるんだねっていうのが見えすぎてしまうせいでしょうか?
王道でハッピーエンドで悪い話でもないのに、読後感があまり良くなかったのは残念です。