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kimi no shohousen
18年前の作品で、まさにヒーリングロマンスという雰囲気の優しい小説でした。なんでしょう、この透明感。ミニシアターで2000年頃の日本映画を観たような独特の読後感がありました。時代が変化したとは言え、最近のBL作品は高校生であってもキスもセックスも躊躇ない展開が普通なので(それも嫌いではないが)、新鮮でした。
主軸は二人の恋愛ではなく二人がともに暮らす家族の物語です。二人の少年らしい思考や行動、二人を取り巻く人々の飾らない言葉がとても心に沁みました。特に最後、智朗が克巳に言った言葉が本当に素敵で、名言だと思います。大人が言うと嘘くさく聞こえる内容ですが、智朗の本心なんだと思うとその優しさに胸が詰まりました。
2004年に出た新装版にはその後のお話も載っているようなので機会があれば読んでみたいです。
主人公の屈折の方向性が好きで、切なくて、キューンとなりながら読みました。
口の悪い暴言マンな主人公です。マイナス思考で不器用な部分は月村小説によくあるタイプですが、暴言マンなのは珍しい。内省するタイプより、こっちのほうが好きですw
良かったなァ。
月村さんの小説らしく、セックスしそうなのにしないという寸止めで物語が終わっちゃうんですが、その物足りなさも好きですw
攻めと受けは義理の兄弟です。
母子家庭だった攻めの母親が亡くなり、伯父の家に引き取られるのだ。
伯父の家には一歳年上の病弱な兄がいた。
主人公は、新しくできた家族になかなか心をひらけない。屈託なく明るく接してくる義理の兄や妹にも、どう対応していいか分からない。
ひとつの家族が再構築されていく物語です。過去の秘密がひとつひとつとぎほぐされていき、主人公の心もひらけていく。
いいお話でした。