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浪人生で大人しい純矢が、従兄弟の後輩である大学生とシェアルームをするお話です。
初対面の人といきなり同居という二人なんですが、最初こそ一悶着あるものの、相性はよくて毎日がとても楽しそうなほっこりする雰囲気のお話でした。
男性にしては頼りなく、周りに心配をかけてばかりの純矢と、飄々とつかみどころがない、でも優しい修平は読んでいるうちにとても好きにな組み合わせになりました。
修平のどんな話でも真面目に聞いてくれるところや、純矢のささいなことにもいつも純粋で真っすぐなところに互いが惹かれているのがよくわかり、ふとした瞬間にキスをしてしまう…とうシーンもとても自然で、恋愛ものとしては初心者向けのようなソフトなお話なのにドキドキしました。
けれど、修平は純矢に大きな隠し事をしています。それがばれたからといって恋愛関係がダメになるものではないんですが、二人の今の幸せな同居生活は崩れさってしまうものです。
このお話では「相手の何を知れば恋ができるか」、反対に「知らなくても恋は出来ないか」ということがデーマに描かれています。
純矢は女の子に告白され、「自分のことを何も知らないくせに」と酷い言葉でその子をフリます。
でも女の子は名前と顔だけでも恋は出来ると言います。
純矢は修平の隠し事を知ったときにその言葉の真意を知るのですが、100を知っても、1しか知らなくても「恋心」は芽生えるということ、1しか知らずに好きになったとしても、その思いは100を知って恋をした場合に比べ嘘などではないんだなぁと考えさせられる作品でした。
逆説的だけど好きになってから相手を知っていくということも恋としてありなんだなあという、いつもとちょっと違った考え方にはっとしました。
二人が恋をしていく過程は柔らかく自然でほほえましく、派手ではないけど見守りたくなる、なんてないのに素敵で大好きな作品です。