Loxonin
romance no mokuhiken
読みながら、静かに静かに泣きました。
お話の中盤までは、『あぁ、いつものあの二人だな』なんてワクワクしながら、啓と准己の二人の掛け合いを見ていたんですが。
啓が国選弁護人として、ある交通事故加害者の弁護を担当することになり、その事件の真実が明るみになるにつれ、
被害者、加害者含めて、色々な人の想いが胸に流れ込んできて、特に最後の啓のお話は涙が止まりませんでした。
--啓の突き進む「真実」が、必ずしも皆を幸せにする訳ではないし、逆に真実によって傷付く人もいるかもしれないけれど、
彼のように真っ直ぐに前を向いて真実と向き合える人は、この世の中にどのくらいいるんだろう。
読み終わった後、 「お前はどうなんだ」
と、自分の原点や生き方を真正面から問われた気がしました。
実は、BL作品を読んで泣くのは、こちらで三作品目。
こういった作品と出逢う度に、BLを好きで良かったという気持ちで一杯になります。
同人誌ではありますが、少しでも多くの皆さんにお勧めしたいです。
全然レビューにならない雑文ですが、今書ける精一杯の気持ちで。
「ロマンスの黙秘権1」を読んですぐ、「2」「3」を注文するのと同時に、うえだ先生のホームページを見て同人誌を2冊とも注文しました。
いつもは、商業誌を最後まで読んでから、同人誌を買うかどうか考えるのですが、今回にかぎってそうしなかったのは、「1」を読んだだけで全部面白いに違いない、と思ったのと、レビューしている方が皆、口をそろえて、シリーズ全てを通して傑作だと薦めて下さっていたからです。
もともと「1」を読もうと思ったのも、こちらにレビューを書いてくださった方のお陰です。
一人でも多くの人が、私と同様のよい出会いを経験されたらよいと願っています。
商業誌『ロマンスの黙秘権』の続編同人誌です。まず、厚みに驚きました。148ページ・2段組みでびっしり。内容も量も商業誌(文庫)に遜色ないです。
表題作は、啓(受)が交通事故で幼児2人を死傷させた加害者の国選弁護を引き受けます。
啓は、父親を交通事故で亡くし、その裁判で弁護を引き受けて共に戦ってくれた弁護士・田上を尊敬し、自らも弁護士となって田上の事務所で働いています。父親の件があるため、啓には交通事故の弁護は回さないようになっているのですが、初めて交通事故加害者の弁護に携わった案件が、商業誌文庫1巻に収録されています。准己との再会でもありますね。
事件については、いつも加害者を信じて寄り添うというスタンスの啓が、加害者の言うことは本当なんだろうか・・・と『疑いの目』を持ってしまい、そんな自分に悩みます。
ラブ面では、准己が啓に同棲を持ちかけるんですが、難色を示す啓。啓が嫌がるのは『同棲そのもの』ではないんですが、准己には今ひとつわからないんですね。
でも、ある意味この同人誌でいちばん印象に残ったのは『舞茸』だった・・・いえね、准己が担当の仕事で栃木へ出張してるんですが、啓に栃木の名物をあれこれ挙げられて返す『舞茸だよ、舞茸が美味いんだよ』
仕事で疲れた啓が『(舞茸食べに)行こうかな』というのに『来いよ』と言うんですが、栃木まで会いに来た啓に准己が『お前、舞茸食いに来たんじゃないだろ』このあとに続く台詞が!准己、ヘタレなのにいざというときだけ決めるのね~。
ラスト、准己にお揃いの指輪を贈られ、2人の気持ちも行動も同棲に向けて動き出します。
田上弁護士視点でのSSも面白かった。先生、いい味出してらっしゃる。
いやもう、すごく読み応えありました。
同人誌って番外やSSが多いですが、この「ロマンスの黙秘権」同人誌は文庫本を丸々1冊収録したような読み応えで本当に満足でした。
少しずつ啓が甘い表現ができるようになり、ますますメロメロな准己(笑)
受にベタボレという攻は楽しすぎます。
長編では、そろそろ同棲・・?というところで終わり。指輪シーンも最高。
SSも2本収録されていて、1つは啓と准己の学生時代が覗けます。
まだ恋とは意識していないけど、態度から見れば啓を気にしている准己がかわいすぎ。
もう1つは、弁護士事務所の所長さん視点。
所長さん、2人の関係に気付いているのかな?と思ってたのですが、まだ気付いていませんでした^^面白い勘違いをして、笑えたー
ここでも准己の態度がかわいいです。
このシリーズ、面白くて大好きです。
商業誌で発表された【ロマンスの黙秘権】シリーズの続編です。
P148とボリュームたっぷり!!
【ロマンスの記憶】は、啓と准己の大学生時代のエピソード。
【The Divinding Line】は、田上先生から見た、二人の話。
どちらも短編です。
そしてメインとなる【ロマンスの黙秘権~a miracle for you~】は、
子供の交通事故を取り扱ったお話です。
やるせないお話なのですが、啓が悩みながらも自分の理想を曲げず、
前進する姿が素敵です。
【ロマンスの黙秘権】シリーズが大好きな人には、
ぜひ読んでもらいたい一冊です。