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「やめてくださいっ。兄弟なのに」 「おまえを弟だなんて思ってない」
ani no iru niwa
2008年7月に刊行された3冊のうちの一冊。
う~ん…
BLを読んだという満足感とは程遠い。
異母兄弟の攻め受けって格好のシチュエーションだというのに、肝心の愼一郎と志乃に対してタブー萌えって気持ちが湧かなかった。
何だか『愛人の子を受け入れざるを得ない心の闇』って切り口で感じ入るところが大きかったかな。
作中では政治家の妻として表向き賢くとも、愛人の子(受け・志乃)には正直に葛藤や憎しみをぶつける昭江(攻め・愼一郎の母)の苦悩に惹かれた。
決して意地悪な継母なんかじゃなかったし、彼女なりに精一杯だったと伺える。
一番アカンのは当人は責任を負っているつもりでいて、現実は亡くなった愛人の子の面倒を本妻に丸投げしているのに気付かない父親だけどさ。
何だか愼一郎も父親そっくりに、政治家として表向きは家庭を持ちつつ、志乃とは離れたくないから愛人に据えるって人生を歩みそうな気がする。
水原さん作品のDV・陵辱攻めって、大抵荒んだ生い立ちや辛辣な過去が背景にあるパターンが多いが、愼一郎の場合は親の期待通りに跡を継ぐ重荷はあっても愛情も境遇も恵まれている。
そんな歴代の不遇攻め達と比べると彼の不満自体"生ぬるい”気がしてならない。
志乃を無理矢理押し倒したのも不満の吐け口って意味合いが大きいし、互いに高校生ってのもあっていじめを彷彿させられて嫌な気分だった。
志乃にしか見せない愼一郎の我儘、身勝手さも子供っぽいし、志乃を手離したくない為の周囲への言い分や囲い込み方も姑息で苛ついた。
ただ、志乃が愛人の子として始終萎縮しつつもひ弱一辺倒じゃなかったのは救いだった。
昭江の憎しみ・やり切れなさを受け止めた姿勢は、彼自身にはどうしようもないのに健気さを感じた。
とかく気弱な性格で義兄と分かっていても愼一郎に絆されていく様子には不安があったが、彼の反対を振り切って一定期間離れて暮らす選択にはほっとしたのに…
自分はBL読んでいても稀に『いっその事くっつかなくてもいいのに』と思ってしまう事があるが、久々にそんな気分になってしまった。
くっつきたいならば、愼一郎のほうが激変するであろう境遇を受け止める覚悟が必要だと思うのだけどな。
不憫な可哀想受けの話…そんなイメージを抱いていたので積んでいました。
受けばかりが辛い目にあう話はイマイチ趣味じゃないので…
本作は、政治家の愛人の子・志乃が、母親がガンで亡くなったことで本宅に引き取られる…という所から始まります。
本宅ではもちろん本妻さま、本宅の真っ当な長男・慎一郎、本妻寄りの家政婦たちの中で針のむしろ状態の志乃です。
志乃も志乃の母親も、自分たちの存在がどれだけ本妻に苦しみを与えてきたのかをはっきりと自覚していて、志乃は本宅での居場所のなさを「仕方ないこと」と受け入れているわけです。
もちろん慎一郎も敵意むき出しで…
1人になれる自室で無防備に眠っていた志乃を襲う慎一郎。
政治家の後継者としていつも行動に制限のある慎一郎は彼なりに息苦しさに耐えていて、志乃の存在がイラつきと同時にどこか心の秘密の明かし場になっている…
行動は素っ気なく冷たく言葉もキツい慎一郎だけど、読者には志乃に惹かれてそれを隠しているのがわかります。
だけど志乃には全然通じてなくて、大好きな慎一郎に激しく犯される日々に傷つく志乃の姿。
こんな誤解とすれ違いの描写がずっと続くのですが…
大学入学で上京する慎一郎に連れられて同居する志乃。またいつ犯されるのか怯えていますが、何事もない平穏な兄弟の時間が過ぎていきます。
高校時代の同級生と大学で再会し、相手から告白されて自分でも彼が好きだ、と思った…だけど本当にずっと好きだったのはやはり兄の慎一郎だった…それを慎一郎の嫉妬で知る志乃。
長い年月、誤解と思い込みですれ違い続けた慎一郎と志乃。日陰に生まれ疎まれて育ち、様々なしがらみに縛られた志乃は、しかし一つの大きな愛を得た…たとえそれが異母兄との隠さなければならない愛でも。
ラストがあっけなく甘いのですが、はじめの痛みが薄れて読後感は良かったです。
兄弟モノがあまり好きな設定ではなく、なんとなく「日本家屋で繰り広げられるロマンポルノ的な監禁モノ」っぽいタイトルとあらすじと表紙絵に少々ビクつきながら読み進めましたが、とても面白かったです。神率が50%近いのも頷ける、面白い小説でした。
お話は一つだけですが、おおよそ三部構成になっていると思います。あらすじは第一部のさわりの部分だけを表していて、ここから徐々に変化(成長)していく二人とその関係性も、時間がちゃんと経過していることが分かって頼もしく感じました。(義)兄弟モノに欠かせない(?)、受に執着する攻、独占願望、背徳感などなどのキーワードも織り込まれつつ、単純な共依存に陥らなかったところが素晴らしい。第三部にあたる描写のカタルシスが、もう、個人的に大満足でした。
主人公二人をはじめ登場人物がそれぞれ良い面も悪い面もあるキャラクターになっていて、嫌味なだけの人が出てこなかったのも良かったです。
叶わぬ願いですが、あそこで分岐する「If」なお話も読んでみたいなと思いました。
評価が高いのでワクワクで読んだんですが、ちょっと期待しすぎたか、、、
ちょっとトチ狂っちゃってる異母兄も健気な異母弟も良かったんですけど、でも最後がだめでした。
終わり方が納得いかないです。時間だけ経っていて状況が一切変わっていない。
時間が経っていても、兄がお硬い外務省に勤務してて、そのうち父親の後を継いで選挙に出るだろうという事も、その為に誰かと結婚しなきゃいけない事も。二人が一緒に居られない状況が全く変わっていない。5年経ったから良いってもんじゃ無いのでは、、
これで兄が家と決別して、、とか弟と居られるような未来を選んだとかいうんだったら、分かるんですけど。乗り越えずに放置さた問題はそのまま残されていて、二人で生きて行ける道を探そうで終わっていて、、結局どうなるのかが分からない。
結果は分からなくてもいいけど、気持ちを確認し合った二人の生きて行く為のはじめの一歩くらい見せて欲しかった。
水原さん作品にハズレは大概にしてないのですが、期待しすぎたためでしょうか。
イマイチ乗り切れずに終わってしまいました。
兄弟モノが駄目とかまったくないのですが、むしろ障害はたくさんあった方が好きなのですが、しいていうなら「もっと障害よ、多くなれ~」という心境でした。
途中まではすごいよかったです。
志乃の諦めの入った人生観。
鬱々とした空気。
取り付く島の無い慎一郎、家族、お手伝いさんたち。
慎一郎の策略による突然の理不尽な上京。
志乃と佐々木くんの恋。
それがバレて怒り狂う慎一郎。
そこまではすごい良かったのです。
慎一郎の
「俺はいい兄だっただろ」
のようなセリフもすごい好きでした。
ただ志乃が思いを伝え合い両思いになった後、
「ごめんなさい、好きになってごめんなさい」
と頻繁に言うのが目について、「いいよ~、わかってるよ」
と何度思ったことか。
結局、志乃の留学を一つの区切りとして二人は距離を取るのですが、五年後再会。
慎一郎は
「もう、いいことにしないか」
と志乃に言います。
そして二人は再び…という運びなのですが、「期間が短いよ~」と言いたくなりました。
もっと2,30年たち、お互い背負うものも多くなる中でそれでも、それでもお互いが必要で、見た目も中身も変わってしまったけどそれでも惹かれてしまう。
それくらいな思いの強さを見せてほしかったです。
でも水原さんの描く情景はとても綺麗で、時のながれも滑らかに流れるのを見せてくれ、とても読後感が良かったです。
近親物スキーとしてはやはりこの作品は外せませんです。
名家の兄と、愛人の息子の義弟……もうこの設定だけでご飯食べられそうです、ばくばく。
水原作品としては痛さは普通か控え目位かな?
適度にドロドロで、あと禁忌感がある!そこが良いです!
やはり兄弟物には禁忌感があって欲しいのですよーー自分的にはそこが大きな萌えポイントなのです。
同性+禁忌感……ああ、このダブルタッグの素晴らしさときたら!
最初は強引に陵辱で執着系の兄はもろ好みです、執着攻大好物な上に、弟は健気受です、もうこれ理想ですよ、理想。
途中で普通に兄弟してる部分が何気に萌えました、こういうのもいいなあ。
そして独占欲に暴走する兄!!よっしゃーー!!
最後が少し年月が掛り過ぎてる気もしますが、義母の感情が本当に落ち着くまでにはこの位の時間が必要だったのかも。
途中痛い部分はありますが、読後感はなかなか良いですよー。
受け目線でずっと進むんですが、私はどんどん追い詰められていく攻めの気持ちがじわじわ伝わってきて辛かったです。
攻め本人も言うけど、最初にやり方を間違ってしまったのがすべての始まり。
本当にヒドイから最初は「だからってやり方ってもんも限度もあるだろ」と腹が立つんですが、なぜか憎めないんですよね。
高校生には重すぎるものを背負いながら、それでも弱音を吐かず逃げずになんとか立っていようとする姿とか、家族を実はとても大切に思っていることとか、そんなの見ちゃうとどうしても応援してしまう。
BL慣れしてしまって脳の腐った私は、「好きなんだからそんなに遠回りしなくて良いじゃん!」と何度も言ってしまいたくなりました。
兄弟で良いじゃん!こんなに好きなんだもん!とか思っちゃう。
屋敷での閉じた関係とか、東京での兄弟としての暮らしとか、その距離感が物凄くもどかしくて仕方ありませんでした。
兄弟なんだもんなぁ……。
正直「受けの気持ちって恋かなぁ?」と思わなくもないんだけど。
誰にも受け入れてもらえない場所で話しかけてもらえたとか触れてもらえたとか、兄弟として1年幸せに暮らせたとか、そういう気持ちを勘違いしてないかなぁ?
人と関わるのに慣れてないから、気持ちに体の関係が上乗せされて、恋だと思い込んでる気がしないでもないんだけど……。
だからこその5年だったんだろうなぁ。
好き~!って気持ちで終わってまとまらないあたりが、兄弟だって葛藤に説得力を持たせていたんだとは分かります。
が、私はちょっと、後半ダレた。
告白は本当に本当に、ちょっとウルッてくるくらい良かったんです。
受けの切羽詰った告白も、攻めの苦しげな告白も。
凄く凄く感動したから余計に、その後がくたびれてしまいました。
お父さんのスキャンダル騒ぎとか、離れたてからの5年とか、攻めがお墓参りとか、義母さんとの仲直りとか、意味のあるエピソードばかりだし、この全部を乗り越えなきゃこの結末には辿り着かなかったんだろうとは分かっているんですが。
告白までが間違いなく「神」だったんですが、読後感が「疲れた」だったので、自分的にもちょっと不本意な「萌」評価です。
佐々木君だけ、どうか救って欲しいです。
帯の台詞が良かったんです。兄弟なのに敬語って萌えました。
ドロドロであっても悪役らしいキャラは殆ど出なくて(しいて言えば本妻?)、兄弟の関係は最後まで誰にも知られません。
弟、とことんマイナス思考です。兄に愛されてるとは思わず「もしかして・・・」と予感しても期待を裏切られて悲しむのが怖いだなんて。でも読んでるほうは、兄ちゃんバリバリ嫉妬しまくりやんっ!とつっこみたい(笑)
結局、二人は関係を持つ前から惹かれ合ってました。二人とも一緒に遊んだ幼い頃を思い出していたら、ふと視線の先に成長した相手が立っていたのが最初でしたね。
しかし、お互い終盤まで「あれは自分だった」と告白しない。あとがきで「兄弟そろってしつこい性格」と書かれただけに二人とも似たもの同士かも。
読み終えた後の勝手な予想だけど、お兄ちゃんはもう暴力ふるわないんじゃないかな・・・と思いました。嫉妬したらわからないけど、魂開放し合った二人の絆は固いですから!!
ん~ おもしろいっちゃぁ おもしろかったです
これをもし映像化したら それはきっととても切なくて美しいものだと思うんです
一面の緑の庭に小さな白い花びらが雪のように舞う画が浮かんできます
けど お兄ちゃんの壊れっぷりには共感できなかったのですよ
そして いくら幼いころの思い出があるとはいえ 身も心もレイプされてもお兄ちゃんに惹かれるっていう 志乃ちゃんも理解できなかったです
父親もねぇ いい人として描かれているけど この家族の苦悩は
もともとがコイツの蒔いた種なわけだし「もっとしっかりせいや」っていいたかった
実のところ佐々木君とのシーンと ラストのお迎えのシーンがなかったら おいらのこころ挫けてたかも新米 orz
兄弟もの、特に兄攻めが好きな自分にとって押さえてほしいポイントがきっちり押さえられていてうひょうひょ舞い上がってしまい、完璧個人的趣味に走って神評価。なので参考にしないで下さい。
ツボを壊れる勢いで押されてもうお手上げです…というわけで以下単なるツボ語りです。
精神的に鬱屈した所がある兄からほぼ無理矢理始まる関係…恋愛感情だけでなく溜まった鬱屈やストレスをぶつける八つ当たり的な要素があるのにムラムラ萌え。
それと肝心なのはやはり、この関係が禁忌であることが全面にでていること。両親への罪悪感や倫理に反する背徳感がしっかり伝わってきてでムラムラ萌え。
そんでもって葛藤。
禁忌を犯しているという葛藤に加えて、体だけだった関係に気持ちが追い付いてしまった時点から始まる新たな葛藤にムラムラムラ萌え。
体の関係一切絶っていた時期に、弟と兄、双方の苦悩が感じられるのが特に良かった。(鼻息)兄ちゃんだって迷える子羊。
地味ながらも意外と重要なのは、二人の関係に答えが出るまで何年もの長い期間があることです。長いスパンでの禁断愛にムラムラムラムラ萌え~。
両親が生存していること、倫理に反する関係であることを考えると、そー簡単にラブラブされると「ぅおいっ」とタックルでつっこみたくなるので。
禁忌を犯すからには、それ相応の覚悟を求めてしまいます。
その点このお話は、将来は何らかの形で修羅場が待っていると予想できても、それを乗り切るだけの静かな覚悟と絆を二人にしっかりと感じられるラストがとても好印象でした。
異母兄弟とはいえ近親相姦というアブノーマルな題材ですが、雰囲気がドロっとせずにしっとりしてるのも良かったです。あと、両親達を無理くり悪役キャラにさせていないのも。
とにかく個人的にごちそうさまでしたと拝みたくなるツボ本でした。ふぅ。
ツボすぎてあらすじ全く触れずじまい…まあいいや。
そして佐々木君に幸あれ。