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「限りなく」シリーズのスピンオフです。
シリーズでは堀が主人公で、その恋人の高須賀(旧姓・千葉)、弟の慧二のロクデナシ2人がメインですが、ロクデナシは実は5人組であり、残り3人(甲斐・設楽・加藤)がこの作品で活躍?します。とはいえ、加藤は甲斐が逃亡先として部屋にやってきた時に、女2人はべらかして遊んでいたくらいなのですが、シリーズでほとんど登場しなかったことを思うと大活躍ですよね。
スピンオフ作品では1冊で読んでも支障のないものもありますが、この作品は3冊目「限りなく不幸に近い幸福」とリンクしているので、シリーズを読んでいた方が良いです。堀&高須賀も登場します。裏口の小窓からどうやって背丈ほどの胡蝶蘭2鉢を運び入れたのかはスルーして読みませう。
丸ごと1冊表題作です。甲斐(攻め)の目線で進んで行きます。
甲斐(攻め)は警察官キャリア。女より男が好きですが、好みの範囲が狭いので、タイプの男を見つけては強姦→脅迫が基本、警察官になったのも行方不明の元恋人を見つけるためという公私混同をするロクデナシです。
そんな甲斐に、「男とエッチがしたい」と設楽(受け)は迫り、断ると薬を持って束縛し、強引に身体を繋げます。翌日からはいつの間にか設楽家の婿として両親公認となっており、焦った甲斐は逃亡を試みますが…という話です。
甲斐は加藤宅、堀宅と逃げますが、設楽に捕縛され、「そのうち飽きるだろう」という甘い期待は裏切られ続け、「このままでいいや」と思う頃には元恋人のことを思い出さなくなっていた、というオチでした。結局は、金と権力をもつ設楽が最強という話ですね。
作中で甲斐が執着する元恋人・里和の話題がよく出てくるので気になりますが、スピンオフ「最果てのロクデナシ」「ロクデナシよりロクデナシ」が発刊されています。序盤の北海道ナンバーの車もその布石っぽいです。スピンオフが決まっていたとしても、里和のことはもう少し控えめにして欲しかったなと思いました。
慧二・高須賀とはまた一味違った不愉快さを感じさせる甲斐が主人公ではありますが、そんな甲斐が設楽に押されて困る様子はちょっと爽快です。甲斐は自分を「優しい男」だと思っていますが、好きな相手へのアプローチとしては、一服盛る前に口説いてはみた設楽、好かれようと擬態した高須賀の方がずっと優しい気がしています。施設に丸印つけるとかマメなところはあるのですけれどね。
麻生先生のあとがきイラストの「甲斐のアソコを握りながら眠る設楽の図」、甲斐が膝枕をしてあげているところが妙に可愛らしかったです!
エッチに積極的な受け、傲慢俺様な攻めが困る姿が見たい方、シリーズのファンにはお勧めです。
慧二と千葉も結構クズですが、甲斐の方が上回りました。
慧二も千葉も立派な女たらしですが、あいつらは来るもの拒まず去るもの追わず、無理やりな方法を使って女を落すことがありません。
しかし、ロクデナシの王様甲斐は気に入った男を落すために手段を選ばず、権力と腕を使って、気に入った男を強引に自分と関係を持ちます。
つーか、警察のくせに、犯罪するなよクズ!(暴言すみません・・・)
甲斐はいつも「なぜ好きな男は俺を愛してくれない」を考えて、「自分を強姦した男に惚れるのが無理」という概念がなさそうです。
千葉も結構苦労して堀さんを手に入れたから、千葉のやり方を参考してみたらどうです?
まぁ、ロクデナシの頭の中にそんな常識がないですね、分かります。
落とした男に「愛してる」とか言って、実際甲斐はただ人のものを奪うのが好きで、愛もくそもないです。
堀さんは自分の好みじゃないのに、千葉のものだから奪ってみたい、さすがロクデナシの王様。
正直、甲斐があんまりにもクズすぎて「趣味じゃない」にしたいが、設楽が好きで、「中立」にしました。
甲斐が里和に惚れる前に、すでに甲斐に恋心を抱いた設楽の純情さがたまらないです。
天然なお坊ちゃまがかわいいです!
大好きな甲斐のために、どんな方法を使っても甲斐を縛りたい、自分だけを見て欲しい、も~うお坊ちゃま萌えすぎて辛いです。