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toshishita no kareshi
年下攻め大好きだし、ましてやワンコ。
大好物!と期待して買ったんだけど、受けの後ろ向き加減にイライラしてしまってダメでした。
ちなみに読み始めて数ページで両片思いだとわかるし、攻めの愛情はひたすらまっすぐ。
だけど受けは家族の事はあるにせよ、27歳にして全てを悟ったような諦念の境地に至ってる青年。
そこが悲劇のヒロインの変化系みたいに感じてしまったんですよね。
悲観してる自分にちょっと酔ってる?みたいな。
年上受けといっても、まだ27歳。
たかが27歳。
付き合ってても超ネガティブ思考で、それが300P超え(電子で)‥‥
まだこのメンドくさいグルグルが続くのか……と。
受けの気持ちに寄り添うことができれば、すごく楽しめると思います。
うーん、何だかいろいろ考えさせられる作品でした。。
これは人を好きになって、考え方が変わっていく、人生が変わっていくあるカップルの様子を丁寧にえがいたお話です。
たまたまこれはBLで相手が男だというだけで、同性でも異性でも人を愛するということはこういう事なんだろうと思います。
前に読んだ同作者さんの「同い年の弟」がとてもよかったため購入。
300ページを超える読みごたえです。でもすごくよかった。
前に読んだ時に感じた「丁寧さ」が健在で、なんてないお話なのに急がずゆっくり読みたくなる作品でした。
実はむか~しこの方の本を読んだときはあんまり合わなくて^^;それから長い間読んでなかった作家さんなのですが、他の作品も探して読みたいなぁと思います。
内容は題名通りズバリ、27歳で塾の講師である楓と同じ塾でバイトをする大学生の鴻島の歳の差カップルのお話。
鴻島は留学で一年間日本を離れていて、2人が再開したところからのお話です。
楓は自分のために大きく世界を動かそうとはしないキャラ。
悪い意味ではなく、昔付き合っていた彼氏にも献身するばかりで、両親は亡くたった一人の妹を嫁に出した今は、実家でたった1人で静かに余生を送ろうと思っています。
生まれてから学校も仕事も同じ町で暮らす楓と対照的に、鴻島は「移動本能」のあるキャラで、日本を自転車で旅し、カナダに恐竜に惚れて留学してしまうという行動力のある人間。
楓は鴻島とメールのやりとりをしているのですが、送られて来るメールから恋心が募るのがすごくよく伝わってきます。
「どうしてこんなに好きになったんだろう」というシーンがしみじみとしていて素敵。
好きになるのが早い!って作品もたくさんあるけど、最初鴻島ってどんなキャラか伝わってこず、留学先から来るメールだけです。
好きだと自覚してから数ヶ月経った時に留学してしまい、ずっと会えないのにどんどん好きになる。でもそれが不自然でないんです。
1人で家で孤独を味わう楓と、カナダの大自然の中で孤独を感じる鴻島。
彼はわくわくしながら、大自然の中で味わう孤独は悪くない孤独だと送ってきます。
こんな孤独な大自然にいても自分のことを考えてくれている、そんなメールがいっぱいあふれるほどに好きになっていったんだなあと思う。
くっつくのは早いのですが、幸せに身を任せきれない楓はどこか幸せを受け入れられず常に不安があり、鴻島もそれに気づいています。
両親をなくして妹と身を寄せて生きてきた楓は、大切な人ができるのは悲しいことだと思っています。幸せに来る終わりを常に考えています。
幸せなのにすごくせつないお話です。特に楓の子どもの頃と今とこの先の孤独まですごく丁寧に描かれています。
「孤独」や「寂しい」という負の感情をすごく綺麗に書いているんです。
孤独はつらいけど受け入れないといけない時もあること、そして共存できること。
それは大人になってわかったんでしょうけど、苦しくもあり悲しいけどある意味で真理だと思います。
止まって生きている楓と明日がわからないから楽しいと言う鴻島ですが、次第に楓は「飛び出したい願望」のある鴻島は自分がいると足かせになるのではと思い始めます。
一緒にいるとためにならないのでは、という話はたくさんありますが、でも鴻島は軽く受け流さないで、そんなの大丈夫なんて簡単に言わないで、
「あなたが好きだから、本当に好きだから、今の自分に価値や力がないとわかっている」と素直に認められるところが本当に真摯ですごいと思う。
難点をあげると、鴻島が結構な魅力的キャラなのでなかなか直視するには眩しいこと^^;やりたいことが出来たら我慢出来ないという彼は、旅行が好きで写真が好きで、人と触れ合ったりまだ知らないことを知るのが大好きで、どんなことにもわくわくしていて真っすぐ走りぱなし・・・
なかなか人間、こんな風にはなれないよ~と思います。
お話自体はなんてないです。なんで300Pも?って最初は思うのですが、ただ2人の人生観の変化をものすごく綺麗に描き切っています。
最初と最後では明らかに楓という人間の人生感が変わっています。
何もかも終わる前提に幸せを味わう楓は妹に「自分の人生に参加していない」と言われます。
そんな風に凪のように生きてきた自分が今鴻島のために揺れていること、でもこの揺れをなくしたくないと楓は変わっていきます。
そして鴻島も変わっていくんですよね。悩みなんてあるの?というタイプ(失礼ですが)だったのですが、彼は楓とは正反対の孤独を持っている。
ふらふら出て行っていつか帰ってこなくなるかもという空想癖と移動本能のある鴻島にとって、同じ場所で居続ける楓は「必要な場所」となります。
またすぐに海外に行こうとしていた鴻島もまた、楓を好きになって考え方ややりたいことが少しずつ変わっていくのが読んでいてわかります。
「アイニードユー」って言葉が本当にぴったりくる2人でした。
こんなにずっしり全編通して、キャラの行動よりも気持ちを味わえるお話って珍しいのではないかと思います。誰かにおすすめしたくなる作品でした!
健気に頑張るワンコ系もいいんですが、年下攻めの醍醐味ってやっぱり年下だけど同年代の子たちより大人っぽくてかっこよくて、受けの抱える色々な問題まで一緒に抱えようとしてくれるような、包容力のある子だと思ってます。
受けを守れる強い大人になりたくて、一生懸命背伸びする。でも、やっぱり自分の思ったようにはいかなくて、年上の受けに甘えるような形になってしまうこともあって歯痒くてやりきれなくなっちゃう。
そんな攻めに死ぬほど萌えます…特にそういうおいしさを際立たせるエピソードとして、受けに年上の元彼なんかがいると本当にサイコーです。
攻め二人の三角関係の場合、当て馬の攻めは最後に結ばれる攻めと対比されるので、正反対の性質であると物語が引き立ちますよね。
この作品では案の定大人の落ち着いた元彼が現れて年下攻めをとことん悩ませるのですが、そこが本当に年下攻めの苦悩萌えがぎゅっと詰まっててサイコーでした。
また、年下攻めの今彼と年上攻めの元彼が受けを介してバッタリ遭遇した時に元彼の鉄板台詞の「…宗旨替えしたなんて聞いてないぞ」がばっちり聞けるので、ほんと期待裏切らない作品です。
ネガティブで控えめな受けが大丈夫だったら絶対に楽しめる、おすすめの年下攻めBLだと思います。
数年前に購入して、何度か読んだのですが
この度また読み返してみたくなりまして。
塾英語教師・石田楓(受け)が、優しいけれどネガティブで
自分の幸せは二の次三の次と思うようなタイプだったし
「違う、やめて。嫌なのそれ、もう駄目なの」という言い方が好ましくなかったのですが
そこまで幸せに臆病で、自分のせいで鴻島の将来を壊してはいけないと
恋はいつか終わるものだと幸せの最中に思ってしまう気持ちが
今ならわかる気がしました。
両親と祖母を亡くしてしまい、可愛い妹もフランス人と結婚して
滅多に会えない日々の中で
幸せに貪欲になれと言う方がもしかしたら間違っているのかもしれないです。
塾でバイトをしていた、明るくて誰とでも仲良くなれて健全で
優しさの感情を全て詰め込んだような鴻島亮平。
自分に無いものを持った彼に惹かれていた楓は、
高校時代に先輩の辻と付き合っていて
体の関係も勿論あったのですが
自分から好きになって、性的欲求も込みでどうこうして欲しいと思うのは
人生の中で鴻島たった一人なのです。
バンクーバーに一年間語学留学しに行っていた鴻島からは
毎週のようにメールが届きそれだけでも幸せだと思っていたら
予定日よりも数日早く、しかも楓の自宅に突然現れて
直接「ただいま!」と言うのです……可愛い……。
わりと早い段階から二人は互いの想いを告白して
めでたくお付き合いすることになるんですが
楓の後ろ向きな気持ち、辻との再会と寄りを戻そうと多少強引に迫られた事、
鴻島の、愛されている家族に本当の事を言えない罪悪感と
また留学したいと言っていたのに繋ぎとめてしまう怖さ、
じわじわ染みてきます。
“──この幸福はどこから欠けていくのだろう”
大切な人々を失ったことで感じてしまうのでしょうね。
高校時代、辻と付き合ったのは
辻の家が金持ちで成績優秀でなんにでも恵まれているはずなのに
周囲の期待に応える事に疲れていて
全て受け止めてくれるような楓に執着したのです。
当時は辻が高校卒業後壊れた関係でしたが
辻は結局それ以来本当に好きになれる相手が出来なかったと。
当て馬は強引なくらいが丁度良いと思うので
楓が断っても「十年後にまた口説かせてもらうさ」と
アメリカ本社に異動になった辻……良い男じゃないですか…!!
楓が(私もww)ベタ惚れの鴻島は、
楓と初めてするキスは触れるだけの優しいもの。
肌を重ねる時も、キスと触りっこだけの熱の交換だけ。
何日もゆっくりかけて挿入に至る描写は
「どんだけ優しくて甘いんだお前は────!!!!」って叫びたくなるくらいですw
楓は辻以来、12年振りの行為ですし…って、
鴻島はそれを聞かされていなくて
後々楓の妹・菜桜(なお)にポロッと言われて
その晩、いつもより意地悪く楓を抱くんですが!!
そういうのも全部愛おしくなっちゃうんですよ!!!
辻と鴻島が直接対決で言い争いになった時
辻ならば楓を全部包み込めるくらいの財力も将来もあるのに
鴻島はまだ何者でもない、
楓を絶対的に幸せに出来ると実証できるものが何もない、
ただ好きだと言う気持ちだけだと突きつけられたのが切なかった…。
作中の、楓のところの塾長というか室長が良い感じにくだけていて
「女の子と書いて好きと読むんだぞ」とか
「良い女と書いて娘だぞ」とかおっさん全開な事を普段言うくせに
「子供なんてもんは、誰か一人でも大人がちゃんと自分を見てるってわかってたら
歪まないもんだろ。教育は愛だってそういうことだよ」と
いつも生徒達に声を掛けたりする姿がじーんとしました。
鴻島を好きになってしまった、
周囲に溶け込まない派手な服装と化粧までする14歳のミチルが
家庭内の悩みを抱えて誰かに必要とされたかったが為に
大人みんなに心配をかけてしまったけれど
結果的に鴻島と楓をしっかり繋げるきっかけだったわけなので
ナイスな脇でした。
菜桜も、寂しい想いを幼い頃分け合ってきたからこそ
兄にはちゃんと幸せになって欲しくて
電話で発破をかけてくれた男前さがありましたし
全体的に、周囲が鴻島と楓を人として愛してくれていて微笑ましかったのです。
楓も健気と言えば健気でしたが
なんといっても鴻島亮平が好みの年下攻め過ぎてどうしよう!!!!!
たぶん(というか絶対)穂波さんのイラストのせいもありますがww
色んな攻めタイプがいますが、受けを大事に想って
時には頼もしく、時には年相応に甘えたりな年下攻め、
たまらないです……!!!
「あなた」って呼んじゃうのがもう………。
塾講師の石田楓は、幼い頃に両親を亡くし、育ててくれた祖父母は他界し、唯一の肉親である妹は外国へ嫁いでしまっていて、広い自宅に一人暮らしをしていた。
そんな楓が唯一楽しみにしているものは、七つ年下の大学生、同じ塾にバイトで入っていて、今はカナダに留学している鴻島涼平からのメール。
カナダから送られてくる写真付きのメールは、楓の心を和ませてくれていた。
そんな涼平が留学してから一年。
予告もなく、涼平が帰って来た。
急に自宅を訪ねてきた涼平に、楓は戸惑いながらも嬉しく思っていた。
けれど、決して自分の気持ちを知られまいと考えている楓は、涼平に自分の気持ちを打ち明けずにいた。
そんな時、楓の元彼が楓の元を尋ねてきた。
そのことをきっかけに楓は涼平に「俺の彼氏になってください」と告白される。
楓は、告白されたことに喜びを感じるけれど、幼い頃に両親を失った経験を持つ楓は、「始まったものには、いつか必ず終わりがくる」とかたくなに信じていて、恋人同士になった喜びよりも終わりの予感に怯えていて――
という話でした。
万事において控えめな楓は、自分よりも他人の幸福を望んで生きてきた。
そして、一番の生きがいだった妹の結婚を期に、このままゆっくり閉じた世界で終わっていくのだと考えていた。
そんな楓が唯一自分から「ほしい」と「好きだ」と望んだ相手が涼平だった。
けれど、自分から望んでしまったが故に、不安ばかりが募る――という感じで。
ある意味、閉じた世界にいた楓が、開いた世界へ一歩踏み出す話でした。
愛することしか知らなかった楓が「愛されること」を知る話。
切なくて、胸がぎゅっとしますが、出てくる人みんながとっても優しいので、読み終わった後、とてもあったかい気持ちになれました。
優しい話です。
ただ、思ったよりも一冊が長いので注意してください。
元々、両想いなのにこうも時間がかかるとは!
カップルになってからも始めは良かったのに
楓のネガティブな思考が元カレや塾の生徒にハラハラさせられ
妹がいなかったらどうなっていたことか!
それにしても、かわいいカップルです。
この二人が20歳と27歳だなんて・・・。
そして、何気に楓が天然でエロかわいいです(笑)
エッチ中の二人なんて読んでて恥ずかしいくらいで。
こういうじれったくってかわいい話は私には大好物です。
他人が傷つくくらいなら、自分が傷ついたほうがいい。
子供の頃に両親を失った石田は、年下の妹が結婚して家を出てからはまるで隠居したおじいさんのような心境です(まだ27歳なのに!)。
他人には限りなく優しいけど、自分には何も望まない。
そういった、石田の心境がとてもよく理解できて共感することができました。
友人の数は決して多くはないけど、周囲にいる人達は皆、よく石田を理解していて温かく見守って、石田の幸せを願ってくれている。
決して派手なお話ではないけれど、日常の営みが丁寧に描かれていて、それぞれのキャラの心境がよく理解できました。
雪が降る冬の夜に、蝋燭がともった家の窓を外から見て、ポッと心が暖かくなるような、そんなお話です。
年下攻め、ワンコ攻めは好きなんですが、とにかく長い。
しかもテンポがのろく、淡々とつづられていくので、盛り上がりに欠けるような?
この三分の2くらい、せめて前半をもう少しタイトに進めてほしかった。
後ろ向きグルグル思考の受けは、きらいじゃないけどもどかしいし、悲観的な自分に酔ってる感もあって、微妙に苦手。攻めのフリーダムな性格は悪くなかったけど、後半の才能みたいな部分はどうでもよかったかも?
丁寧に書かれた作品だというのはわかるが、いかんせん長くてダルかった。
しみじみとよい話、というには何か足りない気もする。
いろいろと残念。
菱沢さんは好きな作家さんだけど、萌えは合うけど、テンポやノリが合わないと感じる時が多い。
イラストはきれいで、内容にも合っていたけど、最初の再会シーンのイラストの受けが、ほんとうに高校生みたいだった。
題名からして「年下」と入っていては、買わないわけにはいかん!と、ばかりに購入。
期待に違わず年下ワンコだし、受けはメガネのへタレ気味(大人の分別ゆえなのは、分かっちゃいますが)で、じりじりと進んでいく関係が宜しゅうございました。
過去の男兼アテ馬としての辻先輩も、上手く立ち回ってくれてました。交際当時にもっと楓に対して気を使ってあげていられたら、今とは違う関係になれていたんだろうなぁ。
楓の生い立ちに絡めたストーリー展開に無理が無くて、読みやすかったです。
何事に対しても諦観していふうな楓が、年下の鴻島と付き合い始めた折、常に抱いている終わりの予感は、以前に亡くしてしまった両親のことが大きく起因していて・・。
鴻島の行動力の高さと、年下でも落ち着いている感じに好感がもてました。楓がいつか、すぐに終わりを想像することがなくなるように、楓以外に誰もいなくなった家に、今一度大切な人といる温かさを思い出してくれるよう、鴻島の働きに期待です。