限定特典と割引が充実!
ao no idenshi

佐竹先生の現代もの!
ファンタジーのイメージが強い佐竹先生の現代ものとは、
一体どんなお話だろう…とドキドキわくわくしながら手に取ったこちら。
今まで読み慣れた先生の作品とはだいぶ毛色が違って
びっくりしました。。
好みも大きく分かれるし、確実に読み手を選ぶお話だなと思います。
ざっくり、ちょうどふた回り違う年下攻め×セレブオジ受けのお話。
ですが受けの執着が攻めを精神的に支配していて、
そういった意味ではむしろ受けの方が攻め的ポジションのような…
「執着受け」と言うのにぴったりの、ねっとりした執愛、哀愁を感じさせる受け。
お話に全く甘さはなく、暴力も出てきて
(受けが望んでのことなので、「痛い」とも少し違う)、
”萌え”とは違うベクトル上にある、20年以上に渡る愛憎物語です。
あとがきによると、こちら先生がデビュー前に書かれたお話とのこと。
まだ知らぬ佐竹先生の一面を垣間見た気がして、
読んでいてなんだかドキドキしました。
「萌え」も「キュン」も、そこにはない。
甘いときめきの排除された世界で、二人を結びつけるもの、
感情は一体何なのかー
愛と憎しみとは表裏一体なのだな…と考えさせられるお話で、
一度読んだら忘れられないインパクトがあります。
主人公は高級紳士靴店に勤める23歳の見目麗しい青年・神谷(攻)。
顧客の1人である川辺(47歳、受)に声をかけられ気に入られ
共に出かけるようになるのですが、ある日彼の自宅を訪れた際、
「この靴を履いて踏みつけて欲しい」と頼まれー
と続きます。
紳士で教養深い顧客から突然訳のわからないリクエストをされ、
混乱する神谷。
気持ち悪さに吐きそうになり一度は逃げ出そうとするものの、
結局言われるがまま川辺の背中を踏みつけ、蹴り付け、頬を殴り…
歪に続く関係に、ピリピリした緊張感が続きます。
憎みながらも絡みとられ、離れられなくなってゆく神谷の気持ち、
正直なところ自分にはなかなか理解・共感が難しいところがありました;
けれど。
どうしたって恋情にはならないんじゃないかーとは思いつつ、
先生の文章によって「憎みながら愛す」神谷の言動と
川辺の歪んだ執着愛に引きつけられ、ページをめくってしまう。
で、タイトルの「遺伝子」とは…?と思っていたら。
(※「青」については川辺の部屋の中の色として
印象的な記述が出てきます)
なんと川辺が神谷の前から姿を消し、神谷の遺伝子を継ぐ者ー
神谷の息子へと視点が引き継がれるのですね。
息子視点で見る実の父親と川辺との繋がりがまたなんとも
生々しく歪な愛に満ちていて、なんともいえずグッと胸の詰まる思い。
”共執愛”とでも言うべき、神谷×川辺の決して切れぬ系。
決して”読後、気分すっきり!”と言える作品ではないのですが、
大きなインパクトと薄ら寒い余韻(語彙力…!)の残る物語。
「愛の反対は無関心」と言われますが、
確かに「憎しみ」は関心の表れであり、愛の裏返しなのかもしれないー
そんなことを感じさせられる物語でした。