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glass no meiro
物理的な擦れ違いを続けるカップルのお話です。
互いに会いたくても会えない…かなりじれったくてハラハラしました。
ストーリーはものすごくシンプルなんだけど、ラストが気になって一気読みしました。そのラストというのも、どうなるの?という感じではなく、はっきり「こうなる」というのは設定上わかりきっているんですが、それでも気になる面白さ。
楽しい・明るい、みたいなお話ではなくずっと悶々とします。それでもキャラが作りこまれているのが素晴らしいなぁと感じました。
社会人の作倉と学生の史郎は同棲中の年の離れたカップル。
作倉は大人げないところもあるけど要領のいい男性という感じです。
でも平気で史郎をほったらかしにして女性のいるお店に入りびたりなところや、それを史郎に隠していないところは最初はもしかしてロクデナシ攻めなのかな?と思いました。
でも読んでいれば次第に作倉の立場というものもわかってきます。
史郎は子供っぽく、精神的に未熟なところも多く、手が早くて切れやすく口も悪い。
かなり意地っ張りで作倉の浮気を疑いながらも口に出さないでいます。素直に「好きだから浮気しないで」と云えない性格なんですね。
付き合いが長くなって、そろそろ不満もつのってきたころ…という二人。
作倉は史郎の意地っ張りをなんとかしようと、内緒で海外出張に出かけます。
そんな時史郎はレイプされそうになり、傷ついて帰ってきても作倉がいない…何日待っても帰ってこない。
捨てられたんだと気付いて落ち込む史郎は、偶然知り合ったゲーム会社の社長・柴崎の家に泊めてもらうことになり、2人で作倉の行方を追います。
手がかかるから捨てられたんだと泣く史郎がもうかわいそうでかわいそうで。
こっちはそのうち帰ってくることがわかっているんですが、でもその一週間で憔悴していく史郎がかなりせつない。
一週間以上たって、作倉が帰ってきたら今度は史郎が家にいない。反対に、今度は作倉が史郎を探し回ります。
これはケータイがない時代の作品だから成り立つストーリーですね。
実際故意に逃げ回っているのでなければ人間2人がずっとすれ違って会えないということはないとは思うのですが・・・。史朗も、最初から作倉の会社に聞きに行くなり電話するなりすればいいのだし。
でもそれをうまく調理して、BLとしてハラハラできる設定に仕上げていて時間を忘れるくらい楽しませてもらいました。
最後はもの凄くポシティブな感じで終わります。
なんだか2人のしたことは互に遠回しすぎる愛情確認で周りを巻き込み、うーんて思わなくもないのですが、こういうイレギュラーなお話もたまにはいいなぁと思いました。