限定特典と割引が充実!
BL shousetsu anthology

暮田マキネ先生による表紙絵が眩しい…!まさに「アオハル」。
どのお話も、その年代ならではの瑞々しさに溢れていました。
読めて良かったー…
特に胸に響いたのは、安西リカ先生のお話。
攻めの一途な片想いに泣きました( ; ; )
以下、それぞれのお話の感想です。
全部書きたかったんですが、大きく文字数オーバーしてしまったので、
後半2編のレビューはコメント欄に残そうと思います;
全てネタバレレビューですが、特に川琴ゆい華先生のお話しは
ネタバレなしで読んだ方が良いだろうと思いますので、
未読の方、ご注意下さい。
●月村 奎先生「アオハル スパイラル」
五反田佑都×浜野辺柚
成績も性格も人との付き合い方も、まるで正反対の同級生同士のお話。
意地っ張り受けが「シャーっ!」と威嚇する猫みたい。可愛い(*´艸`)
お弁当自分で作る子に悪い子はいない。(と思う!)
そんな柚(受)の背景を知ると切なくて…
今問題になっている”ヤングケアラー”の問題も少し、関係しています。
(柚自身は否定しているけど、実際はそうだったところがあると思う)
両親の離婚時、どちらが柚を引き取るか、で揉めたことが心の傷になっている柚。
その時からずっと、常に誰かとつるんでいないと不安で、一人になりたくなくて…
小5の時に転校してきた五反田が”ぼっち”だったことからサッカーに誘うも、
すげなく断られたことが恥ずかしく惨めで、その時からずっと五反田のことを
”敵”と認識していたー
幼少期の誤解から勝手に五反田を敵対視していた柚だけれど、
つるんでるグループからハブられ”ぼっち”になりかけたところ、
思わぬきっかけから五反田との交流が始まります。
五反田がまーー、また面白い真面目君キャラで笑っちゃいました。
二人で一緒にお弁当食べてる姿、目では文字を拾いながら
脳内にその光景が広がりました。
お堅い真面目系なのに、仕掛けるキスはなんともえっち..だなんて
ギャップが最高に良すぎる。
五反田との交流が始まったことで、恋も進路も大きく動き出した柚。
いままで辛く寂しい思いをしてきた分、
これからは五反田に甘えに甘えて満たされて欲しいな。
●安西リカ先生「ブレイクライン」
新名鷹之×市川晴翔
これ、激しく萌えたし、読んでいて胸のときめき止まらず
涙も溢れて夜中に泣きながら読みました。
生徒会広報と陸上部、高2〜卒業を経て、再会を果たすまで。
恋のお話でもあるのだけれど、自分はこのお話を読んで
「陸上」という競技への見方がまるっと変わった気がする。
文字で綴られるレース、その臨場感が半端なく、
気付けば自分も手に汗握って市川のことを応援していました
で、もう一番にグッとくるのが、攻めの一途な超絶片想いです。
試合のたびに応援と写真を撮りに来て、交通費も馬鹿にならないのに
県大会や南関東ブロックにまで訪れ、重いカメラを抱えて炎天下…
で、同じ陸上部のどのメンバーのこともきちんと写真を撮ってる新名なのに、
市川が巻き込まれ事故の形で転倒し、失格した時のレースだけは撮れていないんですよ。。
なぜならその時、泣いていたから。
好きな人が無念の終わりを迎え、冷静でなんていられなかったんだよね。
苦しんで、悩みに悩んだ末の卒業式の日の告白。
その後一方的にブロックして逃げてしまうのは確かに卑怯なんだけど、
一ミリも希望なんか持てない状況でそうせざるを得なかった新名の気持ち、
分かる気がします
そして最高に”いいな”と思ったのが、完全な”両思い”にはなり切らずに
終わるところ。
それでも「好きだ」とまっすぐ伝えることを許された新名が心底嬉しそうで、
思わずほろり。
作中にも出てくるワード「ブレイクライン」のタイトル回収まで見事で、
文句なし!の極上の神アオハルでした。感服…
●海野 幸先生「君と世界の中心で」
高村巌×宮内悠太
元柔道部でわけあって美術部に入部した主役級男子と、
小柄な健気美術部員、同級生同士のお話。
ドラえもんを四足歩行の獣に描いてしまう高村の画力、恐るべし…!w
けれどそんな彼が、宮内に教えられた「90秒トレーニング」を一日3時間、
毎日続け…
運動部で培った反復トレーニングと、それを続けることのできる継続力、
精神力がさすが!
安西先生のお話とは逆に、こちらは自分の中の恋心に気付いた受けが、
その気持ちを押し殺して攻めとの日常を過ごす、健気受けのストーリーでした。
お互い頭を上げたら頬に唇がかすって、真っ赤になる二人…ただただ、可愛い…
「自分なんて所詮脇役」と自らを卑下する悠太に、
しっかりと言葉で「そうじゃない」と伝えてくれる高村、
その告白も男気溢れる堂々たるもの。
自分より一回り以上も大きい先輩相手に立ち向かった悠太は、
決して”ただのモブ”なんかではなく、主役そのものでした。
不器用同士の恋物語、甘酸っぱくて胸熱でした・:*+
●川琴ゆい華先生「21時に教室で会おうよ」
井川広輝×吉住那生
タイトルの「21時」に一瞬”はて?”と首を傾げたのですが、
読んでみて納得。
定時制に通う男子×同じ高校の全日制に通う男子、
秘密の”交換ノート”を通じた甘やかな交流が、やがて恋に変わり…
(以下大きなネタバレ含みます)
顔に青黒い太田母斑を二つ持ち、それがコンプレックスの受け。
自分も中高時代、かなり酷いニキビがコンプレックスで(友人に「ひどいね」と言われるほど酷かった)
不登校なりかけだった時期があったので、身につまされるお話でした。
さらにそれに加え、映画「君の◯は。」的お話の展開が切なかった…
が!最後はちゃんと、光が見えます。
でも、欲を言えば「再会後」から3年後のシーンに飛んだその「間」を
じっくり追いたかったかな;
アザのことを「ダンゴムシ」と呼ぶクラスメイトには
読みながら殺意に似たものを感じてしまいましたね。。
ギャフンと言わせてくれたクラスメイト女子、カッコ良かった。
夢を叶えた那生の姿に目頭熱くなる、夜明けのお話でした。
月村先生の柚と五反田の甘酸っぱい感じよかったなぁ。親の離婚で誰かと一緒にいないと不安だと思ってしまう柚も切なかったけどお父さんとの会話のあたりちょっとうるうるした。五反田とのお弁当時間もいい。自分の気持ちに気づいてしまってからの涙五反田がグイグイこれからも進めていきそうで良い
安西リカ先生の新名くんとイッチのお話も好き。
新名くんがイッチのことを好きなのは最初からダダ漏れだけど……しんどかったよね。イッチが気になってしまうの…からの再会の流れもよかった!この2人はまだまだこれからという感じなのでさらに読みたい。
海野先生の美術部のふたり。高村の実直な感じいいですねぇ。悠太が高村の一生懸命なところに目を奪われて気持ちを自覚していくさまが好きでした。自分の人生の主役は自分だよ、というメッセージも感じられて。ふたりでたくさん絵を描いて青春してほしい
川琴先生の不思議なお話すごく好きだった♡
時を超えて出会った2人、アナログな交換ノートで関係を深めて……。那生が自分のコンプレックスからこれからの未来を見出していくところもよかったなぁ。再会からのところもリアルでいいよね。大人と子供じゃ関係をすすめられないもの
椿姫先生のお話……すっっごく好みでした!
寮で同室の相手に片思い、相手は御曹司で卒業したあとには婚約者がいる……卒業までの最後の数日間恋人を提案する……切なくて愛しさパンパンでたまらなかったーーー!晴可愛いし夕星がそんな可愛い夕星にノックアウトされているのが伝わってきてよかった火の棒に爆笑
貴志先生の彗太と律希の話も甘酸っぱくてよかったなぁ。ゲームで知り合った相手は同じ高校の陽キャで、律希は過去のことがあるからあんまり気持ちを傾けないようにしていて、でもグイグイ関係をつめてくる彗太の陽!!な感じが良かった♡最後の盛大な喜び方もアオハルーーってかんじで好き。
どのお話も甘酸っぱくて切なくて、愛しくて素敵なお話ばかりでした。何度も読み返したいしこの先も読みたいお話
umeair
●椿姫せいら先生「七日間の恋人」
九条夕星×近江晴
名門高校に”特待生”枠で入学した「ど庶民」の受け。
そんな晴と、寮で同室の夕星とのお話です。
正真正銘セレブでエリートな夕星には、婚約者もいる。
大好きな夕星を困らせたくはないから、自分勝手な告白はしない。
そう決意した晴がひたすら「第二ボタンを自然にもらえる方法」を
考える様、可愛くて可愛くてたまらなかったー..
で、中盤のタイトル回収になるほど!と。
攻めのオ◯ニーを見、絶望的になって慌てる攻めをも見て
「可愛い」って呟く晴、君も十分可愛いぞー!!!
キス止まりではなく、エッチシーンもがっつりあって嬉しいビックリ( ̄▽ ̄)
攻めの婚約者問題が割とあっさり解決するところは
やや肩透かし感はあったものの、どこまでも初々しく可愛い二人の、
これまた可愛いお話でした。
●貴志 葵先生「放課後、ほうき星に会いにいく。」
堤彗太×高正律希
初めましての先生でした。
ゲームを通じてオンラインで仲良くなった友人が、
実は同じ高校の爆イケ同級生でーという物語。
輝かんばかりの陽キャ・彗太の言動が、
曇りなき青空ー!って感じで清々しくて良い!
過去に傷を持つ陰キャな律希が、
最後のシーンで「初めて学校で名前で呼ばれた」ってところが
なんとも切なかった…
明るい太陽そのものの彗太と共に、
これからはいっぱい笑って過ごせるといいな(*´˘`*)