何度巻き戻っても繰り返される絶対の愛

嫌われオメガは死に戻った世界でベータに擬態する

kiraware omega ha shinimodotta sekai de beta ni gitai suru

嫌われオメガは死に戻った世界でベータに擬態する
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
1
得点
26
評価数
7
平均
4 / 5
神率
71.4%
著者
灰鷹タイラ 

作家さんの新作発表
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イラスト
秋久テオ 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784434367861

あらすじ

俳優として活躍していたオメガの柿谷夏希は、予定外の発情期のせいで、先輩俳優でアルファの三間晴仁と関係を持ち妊娠。その直後、何者かに階段から突き落とされ、お腹の子供とともに命を落とす――だが、次に目を覚ますと、三間と知り合う以前に時間が巻き戻っていた! 夏希は自分の命を奪った犯人が三間だと考え、彼と関係を持たないように気持ちを押し殺し、ベータに擬態する。一度目の記憶を頼りに三間を避けていたはずが、 オーディションをきっかけに彼と共演することに。切ない思いを隠して接する夏希に、三間は、一度目よりも優しい顔で接近してきて――!? 芸能界を舞台にした、切なく泣けるオメガバースBL!

表題作嫌われオメガは死に戻った世界でベータに擬態する

α、26歳、実力派人気俳優
Ω、20歳、βと偽る若手俳優

その他の収録作品

  • 番外編 三間晴仁の憂鬱

レビュー投稿数1

死に戻りに期待するものは、回避かそれとも希望か

BL小説における、死に戻り(タイムリープともいう)ストーリーの市場は本当に活気があってアツいですね。
時代もの現代もの問わずに、断罪ルートから巻き戻るもの、何らかのトリガーが働いて巻き戻るもの、不慮の事故から巻き戻るもの等々……死をきっかけとした人生やり直しストーリーのバラエティに富んだ面白さは底なしだと思います^ ^

数多ある死に戻り系のストーリーの中、こちらの作品は現代もので、かつ切ない系の物語です。オメガバース設定や思い違いの恋愛模様に加え、シリアスな事件までもが複雑に絡み合いながら、どんどん引き込ませていく読み応えはすごかったです。
……最後なんてね、泣いちゃいました。
物語の冒頭と物語の最後が、ここでこう繋がっていくのかと。三間と夏希の物語でありながらも、まだ姿の見えないちっちゃな第三者の存在によって2人が惹かれ合っていくのはもちろん、親と子のささやかな幸せが刻み込まれたラストエンドには涙が溢れて止まりませんでした。

夏希の一度目の人生ターンと二度目の人生ターン。
三間の一度目の人生ターンと二度目の人生ターン。
単純に考えて、この物語には2人×2つの人生ターンが交錯しており、彼らの視点と時間軸で感じる思いが異なるのが見どころでしょう。

一度目は幸せといえるような人生ではなかった。
でも二度目はそんな終わりにならないように色んな可能性から逃げた。
死に戻った結果、夏希は何者かに殺されたかつての人生ルートから逃げるように三間を避けるようになるけど、三間がそうはさせてはくれません。
明らかに変わった三間の自分に対する態度の違いに戸惑いつつも、三間に惹かれずにはいられない夏希の静かな恋心は恋愛ターンの1番の見せ場です。夏希に執着してる三間の態度にも同じく注目です^ ^

三間のそうした執着の謎は、この物語の大きな軸となります。
一度目とは違う態度変化の理由は何なのか。また、死にゆくときに聞いた子どもの声が意味するものは何なのか。また、自分をあのとき殺した犯人は誰なのか。。。
犯人は三間だと思っていたことの疑惑が解け、新たな犯人が判明していく一連の謎解き展開は全く目が離せないドキドキとハラハラの嵐でした。


恋愛や事件、そして俳優という仕事のこと。じっくりと丁寧に進むストーリーがあってこその涙と感動の物語でした。
やはりこの物語のキーマンは、三間と夏希の2人の子どもではないでしょうか。恋人同士だったわけでも好き合っていたわけでもなく、突発的な発情期で授かった命の種のおかげで踏ん張れたことがたくさんあったと思います。
未来のパパとママのためにあるべき方向へと導く小さな存在は、正真正銘2人の恋のキューピット。時を超えて結ばれる家族の絆の深さに心打たれて、素晴らしい感動の余韻に満たされました。

死に戻りに期待するものは、回避かそれとも希望か……
一度目の人生のようにならないために逃げることを選択した夏希と、新たな希望を追い求めた三間とではやり直しに向けるベクトルが違っており、そうしたところに注目しながら、彼らの思いや行動を最後まで見守って欲しいなと思います。

4

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