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初読・江上冴子作品。寿たらこ作画と懐古趣味もあって手にしました!
ストーリーです。
主人公は、スポーツ用品問屋タカシマの2代目若社長。
幼馴染みの美人妻もいて会社経営にも意欲的で、傍目からは順風満帆だった。
それが、自分が出した小売店に立ち寄った際に出会った、アルバイトの桜木渉の寂し気な黒い瞳に魅せられた瞬間から、この物語は進み始めます。
高島の運命と決めた「禁断の愛」が、登場人物全員を苦悩させ迷わせる。
自分を貫き通すか裏切るのかの狭間に、漂う死のにおい。
高島と渉の切ない恋の行方は・・・?
シリアス100%でした!
そこには、会社経営の落とし穴に裁判、妻の嫉妬や執着心・婚家からの圧力、渉の自暴自棄・・・そして、自分がいかにボンボンで何もできない人間か、これでもかと思い知らされる高島に、救いの手は有りません。
悪い方に傾けばそちらに引っ張られてしまう、高島だけじゃなくよくある事じゃないですか?
奈落の底に堕ちるだけじゃなく、瀕死にしてから叩き落とす周到さに、作者の黒さが見えるようです・・・ヨシヨシ^^
高島の近くの悶絶と、可憐な渉の高島への想いは遠くからじわじわと沁みてきて、この対比・・・2人して読み手の耳元でワーワーしていないのが、良いのかも知れない。
死のニオイからの、思いがけない「薄い幸せ」エンドです。
あとがきに、作者も不幸エンドと考えていたとありました。
高島をいたぶり過ぎた事と渉の健気さに、知らないうちにほだされたか?
主人公達の救いへの渇望が、独り立ちしたか?
どちらにしても、ホッと胸を撫で下ろしました♪
さくさく読める作品ではなかったのですが、不幸何でもアリって、読後の充実感が有りますね~(鬼畜ですかね?自分・・・)♪