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souheki no shugosha to noroi no houken

幼馴染同士、共に国を守ろうと誓い合った親友2人が織りなす中華ファンタジー。国を守護するため、切磋琢磨しながら敵と対峙していくバトルものです。
その過程で想いを交わし合い、幼馴染以上の距離にグッと近づく恋愛ターンは意外と早い段階で訪れるので、焦れったさとかはナシ。関係性がある程度できている2人だったせいか、恋愛事モードに進むタイミングもスピード感もちょうど良かったです。
早いうちに両思いとなるからには、そのあとに色々あるんだろうな…と予測できちゃうのが如何ともし難い。国の不穏な情勢と相まって予想が確信に変わっていく中盤付近に訪れる2人のすれ違いが、まさか攻めの龍炎の闇堕ちルートの引き金になろうとは……。愛し合う2人が敵対勢力となっていく事件ターンの読み応えは抜群でした。
一見すると戦う相手は敵の抵抗勢力ですが、実はそうではない社会の闇構造がこのストーリーの大きな核。確かに、国を滅ぼそうとする者たちとのバトルが最大の見せ場であり、最高のクライマックスシーンではあるんですけど、真に戦うべき相手は目の前の敵ではなく、この国自身っていうメッセージ性が深い終幕でした。
正すべきは国内の社会構造にあって、これまで払ってきた多くの犠牲は、結局のところこの国が自らが招いた結果に過ぎませんでした。
国に蔓延る選民意識、特権ヒエラルキーや差別……身分によって不平等や不公平が生じている国内の歪みこそが本当に倒さなければならない諸悪の根源そのもの。そこに呪いの宝剣アイテムがうまくマッチングし、胸に巣食う悪の感情を増幅させ、遂には瘴気を生み出すエネルギー源となっていくカラクリがなんともやるせません。
父を裏切り者だと罵られるばかりか、身分の低さまでをも馬鹿にされてきた龍炎は、これまでどんな気持ちで耐えて頑張ってきたのか……。あれだけ気丈だった男が夜雪とのすれ違いから一気に闇堕ちしていく展開は目も当てられないほどでした。
国賊化した龍炎の目を覚ますことが出来るのは後にも先にも夜雪のみ。愛する人と敵対関係になってしまった中盤以降はハラハラの連続です。
恋愛的には割とすんなり進んでいただけに、龍炎との対立は歯痒さいっぱいでしたが、夜雪の龍炎への信頼や絆の強さが試されたと思えば、切ないストーリーも乗り越えられました。
登場人物の中で1人、毎回すんごい嫌味を言ってくる差別野郎がいるのですが、奴が最後に龍炎の擁護に回ったのがあまりにも急すぎて、一体何がどうして考えが改まったのかとそこだけが気になりました。
あんだけ龍炎に酷いことを言っていたし、密告もしたくらいの性悪男だったので最後にギャフン展開があれば良いなと願っていたところに、突然の良い人モード。龍炎と夜雪が許しても私は許しません。(とりあえず龍炎に謝んなさいよ)
最後は普通に味方サイドに位置取りしていたこの男のことだけが少々不完全燃焼でした。
社会体制がこれから大きく変わっていく中で、2人がどう国に貢献し、また愛を育み合っていくのか大いに期待していきたいなと思います^ ^