深海魚たちのうた

深海魚たちのうた
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
1
得点
26
評価数
7
平均
3.9 / 5
神率
57.1%
著者
ふゆの仁子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
成美堂出版
レーベル
クリスタル文庫
発売日
価格
¥476(税抜)  
ISBN
9784415088051

あらすじ

かつて惹かれ合った若手舞台芸術家の国府と学生だった鴫原。
二人の関係は国府の突然の渡英によって一方的に断たれた。
しかし3年後、過去を忘れ結婚を決意した鴫原の前に彼は再び現れた―。
元にも戻れず別れることもできない二人。
深海で呼吸も僅かに生きる魚のように密やかに愛し合うことを望むが…。

表題作深海魚たちのうた

国府良祐 若手舞台芸術家
鴫原聡

その他の収録作品

  • 深海魚たちのゆめ

レビュー投稿数1

「男は黙って……」の時代

なんと、ふゆの仁子さん、初読みでした。あんなにたくさん書いていらっしゃるのに。しかもこのお話、ふゆのさんが初めて書いたオリジナル作品が下書きになっているとの事。
初出が2001年ですものね。なかなか時代を感じさせる様な……いや、最近出版されたもので似た状況下の作品は読んだ記憶があるのですが。

えーっと、一言で言ってしまえば『不倫もの』です。
運命の相手だと思っていた人が夢を追って海外へ。残された受さんは安らぎを求めて自分を慕う女性と結婚することを決めるのですが、式の一週間前に攻めさんが現れちゃうんです。で、有無を言わさず連れ去られちゃう。
でも、結果として結婚しちゃうんですよ、予定通り。
それなのに関係は続く、おまけに子どもまで出来ちゃう、という……

いやー、やっぱり18年の月日というのは凄いですねぇ。
恋愛の捉え方がとんでもなく変わってしまったことを痛感しました。
重い。
それも、失礼ながら『無駄に重い』感が大きかったんですよね。

大変面白いことに、登場人物はみな真面目で悪人と言える様な人はいない。
でも、全員のやることなすこと全部裏目に出てしまうんです。
何て言ったら良いのでしょう……しいて言えば『運命』?

いや、本当は『運命』なんかじゃないのですよ。
思慕の念を口に出さない2人が悪いのです。
すれ違いはすべてそれが発端になっているのではないかと。

でも、そういう時代だったんですよね。
表立っては誰も口に出さないけれど、男同士の恋愛が異端でしかなかった空気感がひしひしと。
それと同時に、恋愛の思慕の念を口に出さないあり様が、もう、どんどん悲劇を大きくしていくんです。
この感じがねー『古の……』感を醸し出してくださって、登場人物に共感できないのに、語弊がありますが、大層楽しく読ませていただきました。
昭和を思い出しましたよ。

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