500年ロマンス~死ねない呪いをかけられた僕と何度生まれ変わっても同じ相手に惹かれる彼~

500 nen romance ~shinenai noroi wo kakerareta boku to nando umarekawattemo onaji aite ni hikareru kare~

500年ロマンス~死ねない呪いをかけられた僕と何度生まれ変わっても同じ相手に惹かれる彼~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%
著者
川琴ゆい華 

作家さんの新作発表
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イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403526404

あらすじ

カフェ店員の遥は、仕事帰りに店の常連であるオカルトライターの灰嶋に声をかけられる。「遥さんって、不老不死だったりしませんか?」灰嶋が持っていたのは大正時代の帝劇前と、昭和の大阪万博で撮られた遥の写真だった。実は遥は織田信長の小姓で、敵方の邪術師から「運命の者と結ばれるまで解けない」という呪いをかけられ、現代まで生きながらえていたのだ。現世の『運命の人』に振られたばかりの遥は、灰嶋の誘いもあり、過去十三回のバッドエンドを遡ってトゥルーエンドを探すべく、それぞれの『運命の人』と出会った縁のある土地を訪ねることになる。旅のなかで灰嶋にある変化が現れ、遥の心もゆっくりと動き始め……? オカルトライター×永遠の二十歳、時を超えた運命の恋!

表題作500年ロマンス~死ねない呪いをかけられた僕と何度生まれ変わっても同じ相手に惹かれる彼~

遥の秘密に気付く常連客のオカルトライター
カフェ店員として働く呪いで不老不死な青年、20歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数1

500年間追いかけ続けた背中…時を超えた一途愛

楽しみにしていた、川琴ゆい華先生の新刊!

新書館さんのステルス値上げにより(少し前から文庫1,300円超え)、
実はちょっと購入を迷っていたのですが;

XにあげられていたWebCMで気になり、お迎え。
…結果、やっぱり面白かった。。お迎えできて&拝読できて良かったです。
もう今後は信じて黙って買って、他の削れる部分を削っていこう...


以下、内容についてレビューを☺︎

こちら受けではなく、攻めが転生してくるというのが
王道とはちょっと違う味のある一冊です。
(受けは呪われており不老不死)

「一途攻め」お好きな方…!・:*+
生まれ変わりながら500年間も片思いを続けてきた、
最高に健気で”受け一筋”な攻めがここに。


長い長い間、密かに続く攻めの一途愛。
その想いに心打たれ、胸熱くなる現代(だけじゃない!)
転生ファンタジー、夢中で一冊読み切りました。

オカルトライター×元・織田信長の小姓で現カフェ店員という
異色のCP。


主人公は織田信長の元小姓・遥(はるか・受)。
ポルトガル人宣教師との間に生まれた混血児で、
蒼い目と淡い栗色の髪を持つ20歳の青年です。

明智光秀軍にお館様が討たれた後、
恋人・ねねを連れて逃亡中に敵の手に落ち、
ねねを目の前で殺されたあげく
「宿世(=運命)の者と結ばれるまで解けない呪い」をかけられたー

という先世(13回生まれ変わっているので、前世ではなく先世)を
持ちます。

何度生まれ変わっても毎回、ねねの生まれ変わりとは
結ばれることなく、500年が経過。

現在はカフェ店員として、ねねの生まれ変わりと同じ職場で働く遥ですが、
ある日常連客・灰嶋から突然
「遥さんって不老不死?」と、証拠写真と共に訊ねられー


決して勘の良くない自分でも、
遥の本当の”運命の相手”が誰なのか、
という点は容易に想像がついてニヤニヤ(。-∀-)

灰嶋自身と遥はその事実に気付いていないため、
いつ、どのタイミングで彼らがそれを知ることとなるのかー

という点が最大の見どころで、先が気になり
夢中でページをめくりました。

序盤、遥が自分の身の上を灰嶋に打ち明けるシーンがあるのですが、
コミカルな描写に思わずふふっと笑ってしまった〜!

計算する時は空でそろばんを弾く、
手紙は筆で書きたい(でも、筆ペンで我慢している)。

お館様を「信長」と呼び捨てにした&変な語呂合わせを披露した灰嶋に対し
「御館様を呼び捨てにした上になんたる無礼!」

と詰め寄ったり。

その他キスのことを「口を合わせる」と言ったりなど、
時折覗かせる”武士っぽさ”が妙にツボでしたw
「戦国時代生まれの元小姓だけどNISAやってます」って
自己紹介(?)にも笑いました。


ストーリーは二人の出会いから始まり、
トゥルーエンドを探すべく過去を辿り、
遥に縁のある土地を二人で訪ね歩くロードムービー風に展開してゆきます。

”不老不死”なの?と問われた遥が咄嗟に逃げ出し、
トラックに轢かれる序盤のシーンにはハラハラしました。

しつこく遥を追いかけてくる灰嶋のことが
(↑読後もう一度読むと”一途!”ってなるけれど、
初読時は「しつこい!」と思ってた)はじめはなんとなく
好きになれなかったのですが…

大阪奈良、小豆島、東海道五十三次、東京(目白に池袋!)…と
旅する中で、二人が徐々に思い出してくる先世。

そのどの先世でも、叶わぬ想いを胸に秘め、
遥の手を離した灰嶋の切ない恋に心揺さぶられました。

特に強く印象に残ったのが、ねねの4度目の生まれ変わりが生きた
江戸時代の二人。
代筆屋だった灰嶋が、想いを寄せている遥本人から
”ねねへの恋文”を依頼され、それを断るーというエピソードです。

江戸時代に書かれ、今は額縁に入れて飲食店に飾られている
灰嶋の恋文の文。
届けるつもりのなかった恋文が、300年の時を超えて遥のもとへ…

「遥か遠く来世にて…」と綴られた、秘めやかで情熱的な恋文に
たまらなくグッとくるシーンでした。

思い出の地を巡りながら、少しずつ記憶を手繰り寄せていく灰嶋と、
そんな灰嶋と共にいる中で変わってゆく遥の気持ち。
じっくりと描かれるその過程を追う中で、私の中の萌えも加速…!

常に「追いかける側」だった遥が、
実はこんなにも灰嶋に強く想われ、追いかけられていたことを知り
喜ぶ様子も可愛らしくて。(*´˘`*)

過去が明らかになる度、何度も確かめるように
灰嶋に「好きだったのか」と問いかける姿から
溢れる喜びが伝わってきます。

そしてクライマックス、呪いをかけた張本人・伏見と対峙するエンディングは、
緊張感とスリルに満ちたもの。
えっまさか...!?と一瞬ドキッとしましたが、ハッピーエンドで良かった...
(伏見は既に亡くなっており生きた姿ではないため、
斬りつけられても灰嶋の命に関わることはなかった、ということなのかな)

目白のカフェの場面から始まり
同じカフェのシーンで終わるラスト、
甘い幸福感に溢れていて良かったなあ(*´◒`*)

二人が巡る土地、歴史跡を共に見て歩んでいるような感覚を覚える
歴史×転生ファンタジー。
高星先生の美麗イラストにより物語への没入度も深められ、
時を超えた一途愛にグッと萌えた一冊でした✨

1

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