お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
500 nen romance ~shinenai noroi wo kakerareta boku to nando umarekawattemo onaji aite ni hikareru kare~

楽しみにしていた、川琴ゆい華先生の新刊!
新書館さんのステルス値上げにより(少し前から文庫1,300円超え)、
実はちょっと購入を迷っていたのですが;
XにあげられていたWebCMで気になり、お迎え。
…結果、やっぱり面白かった。。お迎えできて&拝読できて良かったです。
もう今後は信じて黙って買って、他の削れる部分を削っていこう...
以下、内容についてレビューを☺︎
こちら受けではなく、攻めが転生してくるというのが
王道とはちょっと違う味のある一冊です。
(受けは呪われており不老不死)
「一途攻め」お好きな方…!・:*+
生まれ変わりながら500年間も片思いを続けてきた、
最高に健気で”受け一筋”な攻めがここに。
長い長い間、密かに続く攻めの一途愛。
その想いに心打たれ、胸熱くなる現代(だけじゃない!)
転生ファンタジー、夢中で一冊読み切りました。
オカルトライター×元・織田信長の小姓で現カフェ店員という
異色のCP。
主人公は織田信長の元小姓・遥(はるか・受)。
ポルトガル人宣教師との間に生まれた混血児で、
蒼い目と淡い栗色の髪を持つ20歳の青年です。
明智光秀軍にお館様が討たれた後、
恋人・ねねを連れて逃亡中に敵の手に落ち、
ねねを目の前で殺されたあげく
「宿世(=運命)の者と結ばれるまで解けない呪い」をかけられたー
という先世(13回生まれ変わっているので、前世ではなく先世)を
持ちます。
何度生まれ変わっても毎回、ねねの生まれ変わりとは
結ばれることなく、500年が経過。
現在はカフェ店員として、ねねの生まれ変わりと同じ職場で働く遥ですが、
ある日常連客・灰嶋から突然
「遥さんって不老不死?」と、証拠写真と共に訊ねられー
決して勘の良くない自分でも、
遥の本当の”運命の相手”が誰なのか、
という点は容易に想像がついてニヤニヤ(。-∀-)
灰嶋自身と遥はその事実に気付いていないため、
いつ、どのタイミングで彼らがそれを知ることとなるのかー
という点が最大の見どころで、先が気になり
夢中でページをめくりました。
序盤、遥が自分の身の上を灰嶋に打ち明けるシーンがあるのですが、
コミカルな描写に思わずふふっと笑ってしまった〜!
計算する時は空でそろばんを弾く、
手紙は筆で書きたい(でも、筆ペンで我慢している)。
お館様を「信長」と呼び捨てにした&変な語呂合わせを披露した灰嶋に対し
「御館様を呼び捨てにした上になんたる無礼!」
と詰め寄ったり。
その他キスのことを「口を合わせる」と言ったりなど、
時折覗かせる”武士っぽさ”が妙にツボでしたw
「戦国時代生まれの元小姓だけどNISAやってます」って
自己紹介(?)にも笑いました。
ストーリーは二人の出会いから始まり、
トゥルーエンドを探すべく過去を辿り、
遥に縁のある土地を二人で訪ね歩くロードムービー風に展開してゆきます。
”不老不死”なの?と問われた遥が咄嗟に逃げ出し、
トラックに轢かれる序盤のシーンにはハラハラしました。
しつこく遥を追いかけてくる灰嶋のことが
(↑読後もう一度読むと”一途!”ってなるけれど、
初読時は「しつこい!」と思ってた)はじめはなんとなく
好きになれなかったのですが…
大阪奈良、小豆島、東海道五十三次、東京(目白に池袋!)…と
旅する中で、二人が徐々に思い出してくる先世。
そのどの先世でも、叶わぬ想いを胸に秘め、
遥の手を離した灰嶋の切ない恋に心揺さぶられました。
特に強く印象に残ったのが、ねねの4度目の生まれ変わりが生きた
江戸時代の二人。
代筆屋だった灰嶋が、想いを寄せている遥本人から
”ねねへの恋文”を依頼され、それを断るーというエピソードです。
江戸時代に書かれ、今は額縁に入れて飲食店に飾られている
灰嶋の恋文の文。
届けるつもりのなかった恋文が、300年の時を超えて遥のもとへ…
「遥か遠く来世にて…」と綴られた、秘めやかで情熱的な恋文に
たまらなくグッとくるシーンでした。
思い出の地を巡りながら、少しずつ記憶を手繰り寄せていく灰嶋と、
そんな灰嶋と共にいる中で変わってゆく遥の気持ち。
じっくりと描かれるその過程を追う中で、私の中の萌えも加速…!
常に「追いかける側」だった遥が、
実はこんなにも灰嶋に強く想われ、追いかけられていたことを知り
喜ぶ様子も可愛らしくて。(*´˘`*)
過去が明らかになる度、何度も確かめるように
灰嶋に「好きだったのか」と問いかける姿から
溢れる喜びが伝わってきます。
そしてクライマックス、呪いをかけた張本人・伏見と対峙するエンディングは、
緊張感とスリルに満ちたもの。
えっまさか...!?と一瞬ドキッとしましたが、ハッピーエンドで良かった...
(伏見は既に亡くなっており生きた姿ではないため、
斬りつけられても灰嶋の命に関わることはなかった、ということなのかな)
目白のカフェの場面から始まり
同じカフェのシーンで終わるラスト、
甘い幸福感に溢れていて良かったなあ(*´◒`*)
二人が巡る土地、歴史跡を共に見て歩んでいるような感覚を覚える
歴史×転生ファンタジー。
高星先生の美麗イラストにより物語への没入度も深められ、
時を超えた一途愛にグッと萌えた一冊でした✨