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boku ha koushite otona ni naru
幼少期は自分を女だと思い込んでいた少年が主人公のお話。中学生という感受性が強まりそうな時期に、気持ちが揺さぶられる事件がたくさん起こる。BLも描かれており、これは一応ハピエンなのかな?という終わりだった。
優等生としてクラス内の地位に多少の自信を持っていた一は、それが幻想だったと気付いていく。良かったのは、落ち込んだときに頼れる人としっかりつながっていたこと。
今までも、癒やしになる逃げ道を確保していないと辛い状況だったと思えば複雑ではあるが、電話だけでなく姿を見に来てくれる相手がいる安心を感じられて良かった。まあエロ込みの関係っぽいが。
登場人物は、誰も彼も第一印象が良くない。だがその真意や行動原理といった内面を知るにつれ、気付けば好きになっている。悪魔と思われた姉兄双子の秘密は、一を守るために必死に考えた苦肉の策で、優しさでしかなく泣けた。
口も態度も悪い七月に恋心を向ける一は、七月の視線一つに翻弄される。年齢にそぐわない悟りぶりと冷静さを持つ一だったが、相手が七月になると上手く対応できない。そして七月の謎行動の理由は、ああ中学生、と思った。
元より大人びた中学生の一が、さらに己を知り、現実を悟る描写に読み応えがある。一と七月のキラキラしたシーンで終わるのも、爽やかでとても良かった。