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地味で物静かなお話ですが、とても好みでした。
内容は、高校生のころキスをされて以来気まずくなった親友と、4年後にバイト先で再開するというものです。
自分はバイトであっちは社員。
どうしてあんなことをしたのか、何を思っていたのか、聞けないままよそよそしい空気がながれます。
丁寧な心理描写がじんわりくるお話でした。ハラハラはないけど、ゆっくりしみてくる感じ。
小柄なのに威勢のいい宏紀と皆から頼りにされるのに本心は誰にも見せない和成。この和成がとても理解しがたいキャラなのですが、最後のほうでいっきに心の内が紐とかれていく展開がよかったです。短いお話なのに綺麗にまとまっていて、足りないと思うところもなくてよかった。
実は二人にはキス以上の秘密もあったのですが、それが読者に最後まで隠されたままだったのも、上手い見せ方だなあと感じました。
後半半分は二人が高校生のころの回想話です。恋人になったと思ったら、黙って引っ越してしまった和成。
そのもやもやから宏紀は高校の頃のことを思い出します。
私はなぜか結ばれてからの過去の話というのが、あまり興味をもてなくて・・・どっちかというとその後のお話をもっと長く読みたいと思ってしまうため長い回想話は少し残念な気もしました。
でもなかったほうがいいかというともちろんそうではなく、これがあってお話の冒頭にもどるとお話に深みが増す感じです。
地味ながら落ちついた作品、心理描写に長けた作品、同級生の再開ものが好みな方には、少し古い作品ですがオススメしたい本だと思いました。