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周りの人をも巻き込み傷つけながら、結局お互いしか見えてない二人。
湿った依存とか執着とか嫉妬とか独占とか。
夏の蒸せるような暑さとかセミの声とか庭の草の匂いとか汗の匂いとか。
正直この内容、読んでいて非常に疲れます。
でもこの先忘れる事の無い作品だと思います。
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『来るな、この薄汚い裏切り者』
あの日のセンセイの声がよみがえる。
夏の嵐。
真昼の台風。
天気雨の中でヒグラシが鳴いていた。
強い雨が、庭に下りたセンセイの細い体を濡らしていた。
『お前は俺の体の腐った場所に寄生した蛆だ』
甘い声。
センセイの体から欲望のにおいが立ち昇り、拒みながら禁断の罠に誘う。
僕は眩暈にも似た情欲に、過去を振り返った。
あの暑い夏の日を――。
僕たち二人を襲った、強烈な誘惑の日々を――。