触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない

furerarenai te de kimi wo suki ni nattakedo, kani dakara atozusari shinai

触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神66
  • 萌×210
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない6

19

レビュー数
24
得点
402
評価数
94
平均
4.4 / 5
神率
70.2%
著者
いしだ赤月 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576250854

あらすじ

最期はサワガニの姿に戻してください

サワガニのチャロ、オス、独身。夢は人間になってアオ○ンすること。ある日「人間になる素」を飲んで変身し、通りすがりの男・龍治に拾われる。一人と一匹(?)の奇妙な同居生活が始まるが、変身後もチャロの手はシザーハンズ、精液は蟹ミソと、どうも蟹要素が強いまま。そんなチャロを気味悪がりながらも受け入れてくれる龍治に惹かれるチャロ。チャロの天真爛漫さに孤独を癒される龍治。しかしチャロには蟹としての運命が待ち受けていて…
不思議で切ない異種族ラブ。

表題作触れられない手できみを好きになったけど、蟹だから後ずさりしない

26→46歳、SM風俗店の雇われ店長
サワガニ

その他の収録作品

  • 五センチのきみが教えてくれたこと
  • あとがき

レビュー投稿数24

お伽噺としても、人間(蟹)ドラマとしても

蟹でも、人間でも、ままならないことってあるじゃないですか。「自分はダメなやつだ」「誰にも期待なんかするもんか」そう思ってしまうじゃないですか。みんな違ってみんな苦しい。だからすれ違い、傷つけあったりする。生きてきた時間も生活ぶりも何もかも違って、それぞれの痛みを抱えているのにわかりあえることなんてあるだろうか……。

そこに希望を与えてくれるのが、チャロと龍治です!
種族が違っても、生きる時間の長さが違っても、癒し合うことができる。そんな心強いメッセージを送ってくれる作品です。

蟹っていうのが斬新で、物珍しさに読み進めるうちに、いつの間にかのめり込んでしまいましたね……。チャロと龍治の最初で最後のア◯カンシーンは胸に迫るものがありました。

そしてチャロの「食べて」という願いと龍治がそれに応えたこと。龍治がチャロの過去にまつわる罪の意識と孤独を受け入れてくれた時に、そうなることは決まっていた気がします。
賛否両論あるみたいですが個人的には「蟹と人間だからできたことでもあるよな」と思っています。チャロと龍治だけの愛の証なのです。

いしだ赤月先生の物語をもっと読みたいな〜!と思わせられる良作でした✨️

0

サワガニBLとはなんぞや?

カニ料理屋の生け簀の中から「俺を食う気か?やんのか?」と睨みつけてくる強気なタラバガニとか、子どもの頃に釣り上げたザリガニが赤ちゃんで「まだ小さいから」と逃してもらい、数年後に「あの時助けてもらったザリガニです」と恩返しにくるとか、そういうカニの話ですらBLにはならんだろうと思うのに、まさかのサワガニ。
どうやったらサワガニでBLを書こうと思うのかいしだ先生の思考に興味が湧きました。
そしてその想定外の設定で泣かされるとは思いもしなかった。
サワガニに泣かされるとはどういうこと?
横にしか進めないサワガニ・チャロが人間の姿になった時に自分の脚で前に進む。
そのいじらしさが愛おしいのです。
秀逸なタイトルに偽りなしです。
読んでみてください、一泡吹かされます。

1

ファンタジーと割り切れる人には合うのかな

 人の体液を飲んで蟹が人になるという設定は斬新でした。生まれ変わりではなく、人に変身するだけで、腕の先は蟹の爪です。途中で引っ張られて「自切」という蟹の特性で両腕の先が失くなります。蟹ならば新たに生えてくるようですが、人の体を維持している弊害か生えてこなかったので、両手は失くしたままです。

 寿命も早くに来てしまい、最後は蟹の姿に戻ります。
 死ぬ前に受けは攻めに、自分が死んだらその時は脚一本残さず食べてほしいと願い、攻めはその願いを叶えます。

 亡くなった人の魂を受け継ぐために信仰としてそういう風習を行っていた部族もあると聞いたことはありますが、それと似た感覚に思えます。そういう思想的なものはなしに蟹の習性だからと考えると、愛情のない単なる生存本能に思えて余計にグロテスクです。
 蟹だから食べてもいいとは思えず、自分に置き換えて考えたら、その蟹が愛する人本人ではなく愛する人の生まれ変わりであっても、到底無理な話です。
 食べられて攻めの血肉となり生きていきたいという思いや攻めの究極の愛に涙するよりも、受け入れがたい気持ちのほうが勝りました。

 現代日本人の常識を完全に頭から排除して、ファンタジーと割り切れる人には楽しめるのかもしれません。

7

人魚姫オマージュを超えた意欲作

イラスト担当の笠井先生が連日サワガニネタをポストされていて気になっていた本作。設定だけ見れば、BL史上屈指の異物感を放つ作品だと思います。

人間になりたかったサワガニのチャロは、人間が捨てたゴムの中の精液をすすって人間になります。かなり衝撃的なオープニングですが、読み進めるうちに、まるで幼少期に読んだメルヘン童話のような感触へと変わっていき、けなげなサワガニの姿に思わず涙腺が緩みます。人魚姫オマージュの作品と言えますが、ややグロテスクな描写もあり、残酷童話の系譜とも感じられます。

この作品が、単なるコミカルな童話オマージュで終わらないのは、終盤の凄みにあります。前段として、蟹の父が脱皮した母を食べるという描写があり、人間から蟹に戻ってしまう受けは、自分が息絶えたら攻めに食べてほしいと願います。人間の倫理の際を強く揺さぶる展開で、ラノベやBLの枠を超え、オマージュを超えた意欲作だと感じました。

特に攻めの人物描写が素晴らしく、愛した蟹を食べるという狂気と純粋さを併せ持つ人物像がきちんと提示されており、強い説得力があります。自分だったら、とても相手の望みを叶えてあげられないだろうと思うからこそ、攻めが背負う壮絶な孤独と腹の据わった覚悟に感情を揺さぶられます。

とんでも設定にこわごわと読み進めた本作ですが、倫理観と感情を揺さぶられつつ、世界観に引き込まれたまま一気に読了しました。創作を読む醍醐味を味わうことが出来ました。純度の高いラブストーリーであることは間違いありません。
ラストには祝福と救済が用意されており、大きな余韻を残しつつ、読後感よく物語は閉じられます。

0

今夏最大の衝撃「サワガニBL」

発売前、Xに流れてきた「サワガニBL」というタグがついたポストを見て知ったこちらの作品。
あらすじを読んでもツッコミどころばかりで何ひとつわからないのに、逆にそれが「一体どんな話なんだ…!?」という好奇心を不思議とかき立てる。
そして思い切って本を開いてみれば、笑い、戸惑い、胸キュン、切なさ…様々な要素と、溢れんばかりの蟹のエッセンスがぎゅっと詰め込まれた、蟹ミソのように濃厚で味わい深い作品でした!
年の瀬に今年読んだ作品を振り返ってみても、未だその衝撃は色褪せず、記憶の中に鮮烈に残っています。

まず、人間に変身するサワガニの受け・チャロが可愛い!
何故かアオ○ンや人間の営みに興味津々なエロガニ?ですが、未知の世界にも臆さず、持ち前の明るさと行動力でどんどん突き進む姿を見ていると、不思議と勇気をもらえる気がします。
蟹ゆえの無知さからちょいちょい飛び出す天然ボケや突拍子もない発言には何度も笑わされました。
純粋無垢でいつも明るいチャロですが、そんなチャロが人間に憧れる理由を知った時、思わず涙が…
手がシザーハンズだったり、いまいち人になりきれていないチャロの蟹要素が、物語の後半にかけて切ないエッセンスとして絶妙に効いてくるところもたまらないです。

そして、蟹姿のチャロを何気なく拾った攻め・龍治のぶっきらぼうな優しさも刺さりました。
擦れた攻めには無垢な受けを与えよ。王道パターンとも言えますが大好きな組み合わせです。
いろいろと人とは違うチャロに驚いたり呆れたりしながらも、放り出したりせず何だかんだ面倒を見てくれる辺り、心根の優しいイイ男ですね。
「人間に変身するサワガニ」を受け入れる懐の広さを持った攻めはそうそういないのではないでしょうか。

個人的に一番の推しポイントは、蟹への細かすぎるこだわりです!
シザーハンズや蟹ミソなどのライトなおもしろ要素(?)から、果ては人と蟹の生態や習性、生物的な構造の違いまで。
こんなに蟹に特化したBLは二度とお目にかかれないんじゃないだろうか…?と思ってしまいます。
本当に、ここでしか読めないものを読ませて頂いたなぁ…と。
この奇抜すぎる設定できっちり物語を書ききった、いしだ先生の筆力を讃えたいです。

次々に飛び出す蟹要素!蟹ギャグラブコメ…に見せかけた切なめ純愛路線!予測できないストーリー!
王道BLに飽きてきた方にぜひ読んでほしい一作です!

0

人生初のサワガニBL

チャロのちるちる評価の属性がサワガニ(笑)もうそれだけで笑える面白さが伝わると思います。タイトルも秀逸です。笠井あゆみ先生のイラストも素晴らしいです。
お話もとにかく面白いです!そして面白いだけではない感動とBLがあります。

人間に憧れてニンゲンになったチャロがなにしても可愛いです。頑張り屋さんで人間の愛についての探求心と龍二への愛も一生懸命です。それに応える龍二も不器用で優しいです。ひたすら応援したくなる2人の面白い愛の形を堪能できます!
間違いなく今年(あるいは今後もないレベルの)一番の強火サワガニBLです。

0

設定のインパクトにまず驚かされますが、読み始めると意外とすっと物語に入れる一冊です。
サワガニのチャロがとにかく素直で健気で、その一生懸命さに思わず頬が緩みました。

人間の龍治との距離感も重すぎず、日常のやりとりが微笑ましいです。
ファンタジー要素はありつつも、話の軸は「好きな気持ちを大切にすること」で、とてもシンプル。
深刻になりすぎない展開なので、気軽にBLを楽しみたいときにぴったりだと思います。
ちょっと変わった設定のBLを読んでみたい人にもおすすめです。

0

切なくて

お友達の話題になっていたので拝読。
設定が設定だったので、まゆつばで読み始めましたがとても良かったです。
本当に良かったです!今年の印象に残った作品の上位です!

まず蟹っていうところも初めてですし、なんで蟹?って思いましたけど
その設定、意外にもイメージしやすかったです。
また笠井先生の挿絵もあって、ちょっと儚げで、ファンタジー味が強くて
それでいて都市部のダークなところとちょっと別次元の染まらないチャロがいて…
物語はトンデモ設定のまま進んで行くのですが、不思議とまとまりがあり
不条理さがガロ系というか、サブカルの風味を感じた作品でした(伝われ

切なさは一級品でした。
人生の長短が生む生物としての悲しさと
感覚が合わない人種差としての哀しさと
でも憧れが愛情になっていく過程が、ほのぼのと面白くて
気がついたら泣いてました。

いしだ赤月はこれがデビュー作なのですね。
新人賞を差し上げたい。
とても素敵な世界観と表現方法にトキメキました。
これからも注目したくなる作家様と出会えました。

3

サワガニBL

サワガニBL?って思ったら、読むしかありません。泣けます。笑えます。失敗させません。一度お読みください。一度読んだらサワガニファン??になれます。

2

蟹だけど大号泣の純愛ファンタジー

サワガニのチャロは人間に憧れアオカン観察を続け、言葉も少しわかるようになった。
ある日精液を摂取したら人間の姿に変身したチャロは、故郷を離れ都会へ旅立つ。そこでゴミと一緒に捨てられていたところを風俗店の店長龍治に拾われ、面倒をみて貰う事に。

精液を定期的に摂取しないとすぐ蟹の姿に戻ってしまうチャロを、戸惑いながらも受け入れてくれた龍治。龍治は過去のトラウマから心を閉ざしていてチャロとのセックスはあくまでも食事としての行為だったのだけど、チャロの天真爛漫さと健気さにいつしか2人の気持ちが溶け合っていくのがたまらない。
愛を得られず拒絶した龍治と、愛が何だかわからぬまま求め続けたチャロ。
やっと想いが1つになったのに、サワガニのチャロの寿命は短くてやがて悲劇が⋯。もう切なすぎて大号泣した。そしてまさかの20年後の奇跡!最高だ!!

蟹と人間の恋ってどうなるのかと思ったけど、めちゃめちゃ良いお話だった。人間の姿になっても爪のハサミはそのままなチャロは、正にサワガニ版シザーハンズ。好きな人に触れられない切なさよ。
友人にオススメされて、蟹と人間?小説?と少し心配しながら読んだのだけどもう素晴らしかったので、ぜひ皆さま怯まずに読んでみて欲しい。私はこちら大好きです!!
笠井あゆみ先生の挿絵も美しくて素敵です〜。

2

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う