親代わりのつもりが伴侶として溺愛されて――

若き竜王に求愛されて番の花嫁になりました

wakaki ryuuou ni kyuuai sarete tugai no hanayome ni narimasita

若き竜王に求愛されて番の花嫁になりました
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

140

レビュー数
2
得点
49
評価数
14
平均
3.7 / 5
神率
42.9%
著者
八陣はち 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
戸帳さわ 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784434362538

あらすじ

竜人と人間が共生する世界で、今や伝承にのみその存在が残る黒き竜王とその番の遺跡調査を続ける考古学者アウファト。「白い柩」と呼ばれるその遺跡の最奥部で彼は黒き竜王と同じ特徴を持つ青年ジェジーニアと出会う。古代語しか話せない彼は、なんと竜王の忘れ形見だという。初めて会った瞬間から懐いてきたジェジーニアに、親恋しさゆえの言動だろうと、現代の知識を教えながら慈しむアウファト。そんな日々の中、ジェジーニアが『アム』――護るとも愛するとも訳せる古代語を何度も口にして……

表題作若き竜王に求愛されて番の花嫁になりました

「黒き竜王」の息子である竜人
30歳,考古学者(王立研究所の史学科主席研究員)

その他の収録作品

  • 後日譚 竜王の花嫁と卵の行方
  • 番外編 夜の果てと竜王の約束

レビュー投稿数2

時を超えて見つけた大切な人

今回は黒き竜王の竜人と民俗学者のお話です。

伝承の遺跡調査をする受様が遺跡に隠された宝である
攻様をみつけてから番になるまでと
後日談番外編2話を収録。

遥かな昔神は世界を等しく見守るため
神の下に代弁者である竜王を
その下に彼らに仕える神獣と竜、精霊、
その下に竜人、そして人など数多の命を配します。

竜王の声をきき彼に愛された白き王は
悪しき王から民を解放し竜神と人が共存する国を作りますが
王に反旗を翻した人が竜人を蹂躙し白き王を斬首し
彼の目や心臓や臓物を奪います。

最愛を失った黒き竜王は人に裁きを下しますが
白き王の剣によって命を奪われ
呪詛を残して息絶えた事で神代は終わり
白き王の築いた都はあらゆるものを拒み続けます。

今は白い棺と呼ばれるかつての王都の遺跡は
年に1度の竜王祭の時だけ周囲の嵐が収まります。

王立研究所史学研究員である受様は
師匠の首席研究員とともに白き棺の調査に訪れ
古代文字の刻まれた新たな扉を発見します。

今の彼らの知識では読み解くことができず
扉の先には進めず、王都に戻った師匠は研究所を去り
受様は首席研究員となり、古代語解読を続けます。

翌年の調査は直前に助手が隊長を崩したため
単独で調査に挑み、吹雪の中で水戸を失いかけた時
何者かの声に導かれて遺跡に辿り着きます。

受様が昨年発見した扉の前で古代文字を読み解くと
部屋の中に隠されていたのは古代語を話す竜神で!?

WEB小説サイト「アルファポリス」掲載作を
改題、改稿、加筆しての書籍化で長く眠っていた攻様と
発見者である受様のもふもふファンタジーになります♪

受様が遺跡で発見した竜人が今回の攻様です。

攻様は黒き竜王と白の王の子で
白き王が残した宝こそが攻様だったのですが

眠り始めは幼子だったと思われる攻様は
棺の中で成長したものの古代語しか話せない上に
受様に番認定されるのです Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

古代語を理解する受様ですが千年前の言葉が
今に伝わる言葉と同じ解釈なのか判断できません。

攻様の存在が今の世界に何をもたらすのか。
攻様に番認定された受様は受け入れるしかないのか。

タイトルそのままのお話なのですが
攻様と受様の関係に攻様の両親の死が横たわっていて
ドキドキしながら楽しく読ませて頂きました♪

世界設定がとても凝っていて
攻様の両親の最後を含めた世界の歴史と
攻様と受様の番関係の背景やそれに至る経緯は
とても練られています。

だだ時を超える恋だからこそそうしたのかなとは思いますが
主要登場人物はほぼ何らかの秘密を抱えていて
隠された理由で収束する展開が続きすぎで
ドンデン返しより抜け道感が強く少し残念でした。

2

くるる、と鳴いて愛を伝えて…黒き竜王の寵愛

「つがい」に心からの愛を伝える、わんこな竜王攻め。
静謐で優しく、けれど切なさも漂う素敵な物語でした。

向かい合って微笑み合う二人の表紙が美しくて、
読んでみたくなり手に取ったこちら。

攻めの一途溺愛(年下ワンコ系)、切ない過去
(→攻め自身ではなく両親の物語ですが)などがお好きな方に
特に刺さるのではないかと。

少し硬質で、どこか淡々とした趣の文体が、
物語の雰囲気にとてもよくマッチしていたように思います。



竜人王×人間、妊娠・子育て描写ありのファンタジー。

主人公は考古学者のアウファト(アウ・受)。
神話・伝承として残る”黒き竜王”とその番の遺跡調査に向かった
アウファトは、遺跡の奥で眠る青年・ジェジーニア(ジジ・攻)を
発見します。

アウを見たジジは、”愛”を意味する「アム」という古竜語を発し、
ジジを番として認識している様子。
そして二人一緒に過ごすうち、発情期が来たジジがー

と続きます。

発情期→襲われ、というBL的流れはスタンダードながら、
その後明らかにされるジジの正体、そして滅びた神代の国のジジの両親の物語は
切なく痛く、”どうなるの?知りたい!”という気持ちを加速させ、
目が離せなくなりました。

ジジが初めてアウを襲う描写は、ちょっと衝撃かもしれません。
お尻が裂けて出血する…って描写、自分の中では久々に見た気がします。(((;゚Д゚)))))
(その後しっかりジジが舐め舐めして治療してくれます)

きゅんと萌えた最大のポイントは、タイトルにもなっている
ジジからの求愛!

出会ったその瞬間からアウを番として認識し、
「くるる」と求愛の言葉、歌を歌い、愛を囁く。

愛情深い竜王の一族ですが、実は番から愛を得られず
拒絶されると、その体は石化していき死に至るー

という恐ろしい事実も。

しかし普通の人間の男(でDT)であったアウには、
「男同士」で、「愛し合う」ということがいまいち理解できず…

(→で、後半、”愛を知りたい”と娼館に行っちゃう描写あり(未遂)。
これは個人的にちょっと「えーーー!」だった。。⤵︎
苦手な方、ご注意ください;)

狂おしいほどにアウの心と愛を求めているはずなのに、
アウの戸惑いを知って「受け取るだけでいい」と囁いて
ひたすら愛を注ぐジジ。

そんな彼がアウに気付かれないような速度で
石化・弱っていく様子、その愛の深さに胸が詰まって泣きそうになりました( ; ; )

二人のセックスも、最初こそ無理やりでしたが
(その時も事後、泣いて謝るワンコになってて「許す…!」ってなりました)
その後のセックスは「痛くしない」「大丈夫」と、
ひたすらアウを気遣い安心させ、優しさで包むスタイル。
甘いよー...読んでいるこっちが幸せ...✨

攻めは年上でも年下でもとにかく、
受けを「溺愛」していてくれっ!! と考える自分には
萌えて萌えて仕方ない描写でした(*´◒`*)

と、そんな愛を受けて絆される受け…という
”あまあま”だけでは終わらないストーリー、
ジジの両親(竜王×竜王)のお話がまた、物語に深みを与えていて
刺さる、刺さる...

自分の命が断ち切られる運命を予知していたフィオディーク。(ジジの母)
そして、神との約束を破り、愛しい番を殺した相手に
報いを与えたジジの父・トルヴァディア。

二人の間にあった番への愛、そして子・ジジへの愛…
彼らに二度と会うことはできないけれど、巡り巡ってー

という運命のいたずら、神様の優しさを感じる配慮、
ジジ×アウの間に宿った命にまた涙。。

最初は拳大ほどだった卵が大きくなり、
孵化して生まれた小さなチェルシカ。
このチェルシカの仕草なんかが最高に可愛くて(イラストがないのが残念ー...!)、翼と角の生えたちっちゃな子を頭の中でイメージし、
おおいに癒されました✧*。

切なさと甘さ、そしてラストに訪れる幸福感。

そんな感情の振り幅、バランスがとても心地よい、
読み応えある竜人王のファンタジーでした(*´˘`*)

4

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