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hana ga futtekuru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
淡い色彩の今市子先生の絵が、静謐なお話の雰囲気にぴったりでした。
涼嗣の壊れっぷりが、いいですね。
一見完璧な男なのに、人としての大切な部分が欠けているんですよ。
それを、秋祐視点で読者は知るんですね。
好きな相手というフィルターを通しているからこその、掴めなさ、もどかしさがこんなにもじわじわと実感できるなんて…。
秋祐は、甘やかされている割には強かで、ちゃんと「自分」を持っているイメージ。
甘えもワガママもカワイイ〜。
ずっとずっと片想いで、気持ちに蓋をしていて…なんてケナゲなの。いいコ。
この攻め受けバランスが良いおかげで、涼嗣のことを嫌なヤツとは思わずに読み進めたような気がします。
蛍の舞う沢。葉擦れの音。川面の反射や虫の声。
原風景が、ここにあります。
静かに流れる時の中での上質なお話だったと思います。
今市子さんの表紙に惹かれて買いました。綺麗!
作品は耽美風。BL要素少な目です。
秋佑がゲイであるからBLなのか?BLでなくてもよいかもしれない作品でした。
久しぶりに小説らしい小説を読んだ気がします。
焦れるほど丁寧な心情描写で、秋佑目線と涼嗣目線が交互するように展開していくのですが、秋佑の気持ちに涼嗣が従う事が多い進捗です。
色々な女性が登場するけれど、結局秋佑を選ぶ涼嗣。
面白かった。特に秋佑が、自分の恋愛対象が同性であることへの悩みと解釈を「昆虫の生態」に擬えている場面が興味深かったです。・・私は、人の性別は二種類に区切れないと思っているので、共感を覚えました。
進捗がやや牛歩なので、じっくり読む人向けです。イケイケではないので、結論を早く読みたい人は途中で積読になるかも。
著者の他の作品のレビューをざっと目を通すと、BLの範疇を超えたものが一貫してテーマに流れているようです。【精神的な「歪み」と「依存」】について。確かにこの作品にもソレが若干秋佑に見当たる。
興味深いので、主に絶版本から読んでみる事にします。
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静岡県? 本家分家の従兄弟同士
蓮実秋祐 主人公 分家長男 大学院生
蓮実夏葉 5才上の姉・・涼嗣の初恋の人
茶どころの大地主の本家次男
袴田涼嗣 従弟 証券会社ディーラー
涼嗣の恋人だった理奈は、涼嗣の友人佐伯とこの後交際。(同人誌)
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従兄弟同士は鴨の味:
いとこどうしが夫婦になったときの情愛の深さは、鴨の肉の味のようによいものである。(暗に近親婚を推奨しているような格言)
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従兄弟同士のラブストーリー。
30手前の男女の痛いくらいにリアルなセリフの数々を、しっとりした世界観で包み込んでる作品です。ずっとシリアス。
なんか妙にゲイに理解があるファンタジー的社会設定ではないです。
文章はもちろんお上手で、安心して物語に漂っていられます。
攻めの涼嗣は田舎の旧家の次男。IQが高く、なんでもそつなくこなす分、恵まれてるがゆえに執着心が薄く、すこし傲慢。
涼嗣には秋祐という弟的存在の従兄弟がいて、生活能力のない秋祐のことだけは心配でたまらず、同居して面倒を見ています。
恋愛も理屈で考える主義な涼嗣は、3年付き合った彼女に結婚をせっつかれ、まあ断る理由もないしと承諾。
一方、同性愛者の自分を後ろめたく思いながらも、涼嗣をずっと好きだった秋祐は、涼嗣の婚約を機に今度こそ想いに決着をつけることにします。
秋祐の告白シーン、切ない場面ですがとても素敵。
そして秋祐は涼嗣の家を飛び出してしまいます。
涼嗣は完璧に自分をコントロールしているかに見えて、実は自分の秋祐への気持ちにも気づかなかったウカツさんです。
が、気づいた後の彼の行動は早かった!……っていうのがあらすじです。
読後感は、ハッピーエンドなんだけど、なんだか切なさのカタマリが胸につかえてるかんじ。
二人は別れてしまうんじゃないかとか、そんな心配ではなく、別れないが故のこれからの困難とそれに苦しむ秋祐が容易に想像できてしまうからです。
これからも落ち込んだり罪悪感に苦しむ秋祐を涼嗣が全部受け止めてくれる、と確信してはいるんだけど…あー切ない。
崎谷先生って、ほんっとに引き出しが多いですね。
余談ですが、崎谷先生はいつも特定の形容詞をひらがなにしてらっしゃって、個人的に時々それが気になる(美しい→うつくしい、とか)ことがあるんですけど、今作は世界観が淡く「うつくしい」感じだったので、全然気になりませんでした。
繊細な先生の言葉選びと作品の雰囲気がすごくマッチしてた思います。
崎谷作品としては異色な感じもしましたが、妙にしっくりくるのはそのせいかな。
だいぶ前に読んだ時には崎谷作品として過大な期待をもって読んだものの、主人公の受け様のネガティブな性格も合いまってあまり好評化を抱きませんでした。
私は年に1度、読み返さないだろうと思われる数百冊の本を一気に処分するのですが…読み返すわけでもないのに毎年何故か捨てられない1冊でした。
そんなこんなで数年ぶりに読んだのですがこのしんみり感はいいですね。
なぜ素直に面白かったと思えないのに未練がましく気になってたのか謎でしたが、セリフが一つ一つ胸にくるのです。
ファンタジーとは言い切れない切なさを感じ印象に残るものがあるのです。
そして不思議ちゃんと言われる受け様より、攻め様の天然さに萌えを感じます。
攻め様の彼女の立場視点からすると同情すら湧きますが、攻め様の隠れ天然な思考をまえにすると責められない気もしてきます。
紙一重で地味な話ではありますが、たまに読み返したくなる一冊だと今なら素直に思えます。
皆様の評価は高くありませんが、地味話好きの私は高評価です。
数ある崎谷作品の中でもベスト3に入ります。
決して涙脆くはない私がホロリとさせられました!!
読んでいてBLだという事を忘れてしまう位、淡々とした普通の話でした。ですが、何でだろ?妙に心に響くセリフがあるせいか、切なくなるんです。
同い歳の従兄弟・涼嗣(攻ノンケ)に長年片想いをしている秋祐(受ゲイ)。
作中に出てくる蛍の儚さが、秋祐と重なります。涼嗣から見た秋祐は、弱くて庇護すべきモノ、まさに蛍のような存在なのでしょうね。実際はセフレもいる、自立した男なんですが…。
―ひどく細やかに気遣うくせに、秋祐の顔色を読むのには長けているくせに、本当の望みにだけは全く気づいてくれない男―
ホントこんな最悪鈍感野郎な攻め様です。
涼嗣の結婚話によって、長い片想いをやっと葬る事が出来る、彼女程の素晴らしい女性なら、諦められる。
そう思えたのに…
―条件が合ったから結婚を決めた―
何だソレ?
秋祐の行き場のない想い。
そしてとうとう全てをブチまけてしまう。
「条件が合うなら俺でも良いんじゃない?」
「おまえ男だろ、仮定条件がそもそもおかしい。」
―ぱりんと何かが壊れた音がした―
(えぇ、私の心も壊れました。ついでに涙腺も…)
ヘテロセクシャルから無意識に見せつけられる絶望、涼嗣の恋の対象には男の自分は 絶対になれない。
もうね、これでもか!という位、心に響くセリフが多いんです。アンダーライン引いて、崎谷名言集作りたくなりました。
イラストは今市子先生。これがまたストーリーと凄く合っています。崎谷先生の方から挿絵をお願いしたそうで…納得です、今先生の優しくて儚げな絵柄が お話のイメージそのもの。
地味な話好きな方、是非読んでみて下さい。ちょっぴりホロリとしますよ~(多分)
袴田涼嗣は、いとこの蓮実秋祐と同居している。
同い年でありながら、大学助教授をしている秋祐のことが涼嗣は放っておけず、ついには「お目付け役」として同居まで買って出てしまう。
ところが、涼嗣が結婚することになり、二人の関係は変わり始める。
当たり前のはずなのに、涼嗣の結婚とともに「家を出る」という秋祐に涼嗣は動揺する。
そして、涼嗣は近すぎる二人の距離を見つめなおし……
というのが、大体のあらすじです。
結局、涼嗣は結婚しようとしていた恋人よりも、近すぎるが故に、今まで離れることなんて考えられなかった秋祐を選んで、ハッピーエンド……なんですが。
物語としては、割と淡々として進む感じの話でした。
大きな盛り上がりもなく、ごくごく当たり前のことをごくごく当たり前にする感じの小説でした。
今までの思いのたけを涼嗣にぶちまけた秋祐を涼嗣は追いかけたかったけれど、それこそドラマみたいに、何もかも放っておいて追いかけるわけじゃなくて、まず最初に結婚する予定だった彼女に別れを告げてから、秋祐を探しに行く……
本当、現実だったらそうなるんだろうな……と思います。
まぁ、そこで彼女を選ばずに、秋祐を選んでる時点で、非現実的と言えば非現実的なのかもしれませんが、でもやっぱり勢いだけで突っ走れないのがある意味、本当なのかなって思います。
たんたんとした中にしっかり愛はある小説がお好きな方にはオススメです。
大学で助手をしている秋祐は、訳あって同い年の従兄弟の涼嗣と同居している。
お互い、いい年なのに際限なく自分を甘やかす涼嗣のことが秋祐はずっと好きだった。
男同士で、ましてや従兄弟同士。好きだなんて言えるはずがない。
自分の気持ちを押し殺すことが当たり前になっていた秋祐だったが、涼嗣が恋人の女性と結婚を決めたことから、涼嗣と離れることを決意するが……
崎谷さん作品でイラストが今さん?と一瞬びっくりしたけれど、今さんのイラストがぴったりな、しっとりとしたお話でした。
同い年の従兄弟同士。
決して派手な話ではないんだけど、なんか心にしみてくる。
ずっと涼嗣ことを想いながらもそれを口に出来ず、彼の元に居候している秋祐。
そんな秋祐を甘やかしまくりながらも自分の気持ちにも秋祐の気持ちにも気づかず、付き合っていた彼女と結婚しようとするにぶちんの涼嗣にいらいらしたのも束の間、自分の本当に大切な人を自覚してからの彼の行動の速さと潔さは素晴らしいです。
ただちょっと元彼女さんがかわいそうだけれど。
こうやって女の子を悪役にしないところもいいな。
他の方も書かれてますが崎谷さんに今市子さん挿絵というのは珍しさがありますね。
エロ描写が少なめなだったせいか意外と合ってました。
静岡地方の本家次男と分家長男の従兄弟同士。
作中に「いとこ同士は鴨の味」という言葉が出てくるんですが今までこの諺って単純に仲がよいって意味だと思ってたので、そう言われればなんかちょっとセクシャルっぽくもあるなあと妙に納得しちゃいました。
涼嗣の婚約者は崎谷さん作品によく出てくる「イイ女風」うーん、そろそろ崎谷さんはこのテンプレタイプの女性からもう一歩抜け出して欲しいんだけどなあとちょっと思います。
今作はそんな出番無いので気になる程じゃないですが。
秋祐[受]はゲイで昔から涼嗣[攻]の事が好きで、研究者にありがちな少し生活能力に欠けているタイプではあるんだけどちょい欠けてるって位でこれなら性格の範囲かなって感じ。涼嗣を好きではいるけどセフレがいたりと結構しっかりはしているのでウジウジしてるって印象は無いかな。
涼嗣も秋祐とは違う意味で少し変ってるので良いカップルかも。
地方の名家の従兄弟同士って関係と、田舎特有の跡継ぎとしての役割等がいい感じにスパイスになってました。
イラストの今市子さんの印象も相まって、作品全体に色彩が薄いイメージでした。
ただこれは内容が薄いという意味ではなく、普段の崎谷作品が極彩色で彩られた華やかで濃厚なイメージであれば
この「花がふってくる」には 穏やかなのに底辺をはうような執着を表面上には感じさせないイメージというか。
色が薄いと言っても水墨画のような白と黒だけの世界ではなく明度の低いカラーの作品というか。
Hのページ数は少なかったので、そういった意味でのエロ度は少ないです。
理名の聡明さが際立っていました。
従兄弟という切っても切れない間柄で、それを越える存在に二人がこれから成っていき、抱えていかなければならない業のようなものを、最後の“百日紅”の赤がそれまでの色の薄い世界で一際華やかに主張していたのがある意味物哀しかったです。
イラストの今市子さんの雰囲気のせいか、崎谷さんに思えない、普通の話。
よくまとまってるし、破綻もないけれど、いつも感じるような、くどいくらいの崎谷節がないのが物足りない。
これが崎谷さんじゃなかったら、それなりの読後感になると思うんですが、崎谷さんならでは、のテイストが足りないせいで、物足りない印象。
期待が大きすぎるのも、よくないですね。
崎谷はるひ×今市子という組み合わせって
なんだか珍しいなぁと思って手に取りました。
地元の名家の次男・涼嗣と、分家筋・秋祐のいとこ同士のお話。
IQが高く、努力せずなんでも出来てしまう涼嗣
家柄のせいもあって人生に不自由なく暮らしていて
それゆえに淡白というか欲しいものがとりたててない。
秋祐は、涼嗣とおない年なのにどこか子供っぽくかわいい。
家事能力ゼロの世話の焼けるタイプの受けw
虫を研究している院生。
秋祐はずっと涼嗣にひっそり片思いしつづけているんだけど
焦れ焦れを味わうってほどでもなく
涼嗣の気持ちの転換がものすごくさっぱりしていて
IQの高い人ってこんな感じなのかなぁとも思った。
竹を割ったようにスパ!っとしていて後半すごく気持ちよかったです。
エロは、いつもの崎谷節に比べれば薄めなのかもしれないが
情景が浮かぶエロは健在で、短いながらにも濃厚でしたv
秋祐は虫を研究しているので、ちょっとコアな虫の話がでてくるのですが
それがわりと興味深くて・・・
無性生殖、雌雄同体、モザイク個体、人間だけでなく
小さな虫も性があやふやなものが生まれる
そんな虫に自分を重ね、研究してしまう秋祐の話は
もう少し掘り下げて語ってほしかった。おもしろい。
作中に「いとこ同士は鴨の味」と書かれているのですが
血縁関係が近いと相性がよくって鴨肉のように味わい深いとかv
鴨肉にエロスを感じてしまいそう。
世界観の素晴らしさに「神」です。一級の作品だと思います。
生まれながらに全てを兼ね備えている男・涼嗣。その涼嗣に長年恋をしてきた秋祐は、涼嗣の結婚を機に離れることを決意。その時涼嗣は…?
涼嗣と秋祐、それぞれの視点で書かれているので二人の想いやすれ違いがもどかしくもあり、読んでいてドキドキします。
特に「神」だと感じたのは涼嗣の壊れ具合です。全てが優れていて、人間としても男としても常に上位にいる涼嗣。しかし彼は何かが足りなく、どこか壊れてる。崎谷はるひさんはこういうタイプの攻めを書くのが上手いと思います。
涼嗣は病弱で生活力のない秋祐を「庇護すべき存在」だとしてきました。
しかし秋祐は涼嗣の知らない所で成長していた。本当は秋祐はしなやかで芯の強い人間だと思うのですが、いつまでも「護るべき弱い子供」としてきたのは涼嗣でした。
涼嗣の結婚を機に、今まで一緒に暮らしていたマンションを出ると告げる秋祐。結婚をするのは自分のくせに、涼嗣は秋祐が自分の元からいなくなることなど全く考えていなかったと、急激に焦りを覚えます。
これほどまでに「鈍い」涼嗣。やはり何かが足りない男です。秋祐の方がよほど人間として温かみがありまし、大人です。セフレもいたようですし(笑)
秋祐が自分から離れていく。自分ではない誰かに面倒をみられる。
言い知れない喪失感と寂寥感に襲われる涼嗣。秋祐から別れを告げられ、呆然として動けなくなる涼嗣は人間らしくて好きでした。
涼嗣が最終的に下した決断は、初めからそれしかないだろうというものでした。婚約者と別れ、秋祐のもとへ向かう涼嗣。
秋祐は自分のことが好きだったとは言っていたが、果たして今もそうなのだろうかとグルグル考え込む様子は読んでいてスカッとしました(笑)
今まで秋祐を切なくさせてきた分、もっと悩んで焦るがいい。
そしてようやく一緒になった二人。ここまで来て涼嗣が秋祐を逃すはずもなく、愛情の裏に見え隠れするほの暗い執着と共に、二人は「共生」していくのだろうなと感じました。
エロスは他の崎谷作品と比べると少ないです。ただしそれはページ数が少ないからそう感じるのであり、密度は高いと思います。
まるで官能小説を読んでいるようで、美しい描写でした。
崎谷氏もあとがきで述べていましたが、これが著者の原点なのだなと感じました。
淡い恋心と薄暗い執着心を見事に織り交ぜた「神」作品でした。
地方名家の本家次男・涼嗣(攻)と、分家長男の秋祐(受)。
同い年の従兄弟同士。
涼嗣は生活力の無い秋祐と同居しています。
涼嗣は成績も良く、仕事も順調で、人間関係も良好。
3年ほど付き合っている恋人もいる。
特別に欲しいものも無ければ、不満に思うことも無い。
こんなものなのだろう、という淡々とした人生を送っています。
冷めているんですね。
理性的で、周囲に興味が無い。
執着もないし、結婚にしても「するものだから」という、感情ではなく理性で決めてる。
同じ様な考えを持っていると思っていた恋人の方が、ずっと人間らしいです。
「結婚に必要な条件は、相手を好きだという感情があって初めてあるものだ。条件だけでは結婚を決めたりしない」
という恋人の言葉は当たり前のこと。
それを分かっていなかった涼嗣はひどい男だし、傲慢。
でも、気付かなかったのも仕方ないかなぁ。
身体も弱く「虫愛でる姫君」な秋祐は周囲から「守り慈しまれる」存在でした。
涼嗣にとっても、秋祐の面倒を見るのは子供の頃からの習いで、従兄弟をかばい面倒見ることは当たり前のことだった。
高校卒業時に秋祐が同性愛者であることを知って、よりいっそう保護しなければ、守らなければ、といった感情が生まれたようですが、あくまでも被保護者としか思っていなかったんです。
だから恋人との結婚を決めたことで、秋祐が離れていくと知って初めて動揺した。
普通に考えたら、片方が結婚するなら同居は解消されるものだし、秋祐だって一応は大人だから一人で生活してゆくことは出来るはずなんです。
それを今まで考えもしなかったというのが…涼嗣の傲慢さでもあり、気持ちの深さ、自然な感情だったんですね。
感情の種類はともかくとして、涼嗣は一番大切なものを持っていたから、不満もなかったし何にも執着しなかった。
結婚した後も秋祐が自分の側にいるのだと、変わらずに従兄弟を保護してゆけるのだと当然のように思っていたわけだすから、鈍感も極まれりですよ。
恋人との決着をつけ、秋祐を迎えに行く。
自覚した後の行動は早いです。
感情的な性質ではないので、表面的には見えにくいのですが、一度覚悟を決めたら揺るがない涼嗣はいいです。
むしろ秋祐の方が戸惑ってる感じ。
長い長い片思いでしたからね。
恋人になることで、涼嗣が失うものが多いということを分かってるし。
そういう不安も怯えもひっくるめて腹を据えた涼嗣の行動は、これまでの鈍感さを補って余るかしらね。
﨑谷作品にしては珍しい、空気の色や温度までが自然と伝わってくるような静かな作品です。
片思いしている同い年のいとこと同居してる受けの話~
視点は結構変わるので、どっちが主人公なのか微妙なラインなんですが…。
攻めが結婚を決意してから、関係が変わって?という!
良くも悪くも崎谷さんとは思えない作品かも~
ずーーーっとシリアスだし、みんな精神衛生がよろしくない気がするww
ちょっと病んでる感じww
話の中で「いとこ同士は鴨の味」っていう言葉が出てきたんですよね~
表の意味は、いとこで結婚した夫婦は鴨のつがいのように仲が良い。
で、裏の意味は千の近いもの同士でセックスすると恐ろしいほど相性がよく、鴨肉のように味わい深いということ。
っていうのがあって、こんな言葉があるんだーーって驚きました!何かエロい!
小説家さんてどっからこういうの拾ってくんの!?
すごいよなあ(@_@;)
初心に帰るという意味で書いたというだけあって、いつもの崎谷作品とは、趣の違う今市子先生の表紙の雰囲気のそのままのしっとりとした話になっています。
後半部の短編小説「夏花の歌」の骨子を考えたのが15年ほど前で、書き上げてみようと思いたったのが、スランプだった頃の4年前、10周年めに書き上げたという思いいれの深い作品だと、文章からひしひしと伝わってきます。
登場人物も魅力的です。秋祐は、研究バカで、日常生活能力皆無です。仕事も、家事も人並み以上に器用にこなす、いとこの涼嗣が、みかねて世話をやきますが・・
涼嗣のことが好きな秋祐にとって、そうやって世話をされるのは、くすぐったいような、せつないような、それでもいやじゃないので、ついつい涼嗣が世話をするに任せていますが・・
涼嗣の結婚が決まった段階で、切ないですけど、この作品のいいところは、結婚をきめて本人にいわれるまで結婚したら秋祐の世話をやくことができなくなることに、涼嗣は気付いていなかったというところでしょう。
なんでもそつなくこなしていた涼嗣が、唖然とします。
秋祐にいわれて初めて秋祐を失うことに気付くのです。あまりに近い存在で、あまりにいっしょにいることが自然だったから、自分にとって一番大切なものが誰なのか気付かなかったんですよね。ある意味「にぶちん」です。笑