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tsuratsura tsubaki
京言葉が良い味出してる江戸時代もの。医師を志す伊純の日常が淡々と描かれている。BL要素はあるが、恋心より医療者としての矜持が強く語られていたように思う。とはいえ想い合う二人のハピエンで終わるので、そこは安心できた。
伊純は想い人である有岡と気持ちを確かめ合いつつも、身体をつなげる前に長崎遊学に向かう。そこで出会った和蘭人医師は、身体を捧げなければまともな指導をしてくれない。そんな状況に耐えながら、医学のために知識を身に着けていく伊純。
他にも何かしそうな雰囲気を醸し出しながら、伊純の周りをうろうろする若旦那がいたり、有岡に縁談が持ち上がったりと騒がしい。医師としても手術や出産介助に忙しそうで、充実した日々。
起承転結はなくエピソードのつなぎ合わせのような構成。物足りなさを感じるのは、印象的な出来事があまりなかったからかな。奉公・番頭・与力などなど、時代の雰囲気を感じられる単語の数々がとても良かった。