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mekakushi kingyo to deguchi no nai suisou
はっきり言って後味は良くない。最初から最後までずっと怖いし、主人公に救いが見えず、今の商業BL小説では無理そうな内容。でもこのダークな雰囲気にじわじわ取り込まれる感覚がクセになり、読むのを止められなくなる。
ラストの展開に驚きがあり、とても面白かった。
既婚者の上司に片思い中の花房は、その相手にそっくりな白城に出会う。ただの軽いセフレ関係になったはずが、徐々に不穏な空気が漂い始める。
付き合ってもいないのに、花房の動向を把握し監視している白城。花房はわりと早い段階から怖くなっており、心理描写から伝わるハラハラ感がすごい。別れようとしても逃げようとしても阻止され、白城に従うことに。
その後の監禁生活は衝撃で、白城はこんな形で罰を受けているのかと納得し、ここで終わるのかと思った。が、続く物語はさらに衝撃的。
花房と白城が出会ったときの気になるセリフの謎が解け、さらには物語の景色がガラっと変わる種明かし。
目を付けられた時点で終わってたというか、どっちに転んでも花房の行きつく先は変わらなかったのかな、と思える八方塞がりの恐ろしさ。“狂気ラブホラーサスペンス”のあおり通りの作品だった。
同時収録作は、同系統の雰囲気の監禁サイコホラーBL。表題作と同じく、何をするか分からないヤンデレ攻めを刺激しないよう、慎重に逃げ道を探す受けの心理描写が痛々しい。ミザリーの脅しは怖すぎた。
どちらも狂気をはらんだ執着攻めのお話で、揃って話が通じない。受けは卑屈というほどでもないけど暗く、どうしようもないエンドを迎える。
性癖の面から見れば好き嫌いが分かれるタイプの作品だと思うが、描き方のおかげで読みやすい。ハマればたまらないと思う。こういうのが読めるのも同人誌の魅力。
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