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同担拒否激束縛執着彼氏

なぜか懐かしさを感じた。萌え特化の投稿作品を読む学生気分を味わえるような。個人サイト文化(？)を通っていたら、作中キャラによりシンクロして楽しめたのかも。
かっちりした起承転結はなく、愉快な日常話がたくさん詰め込まれており、とても緩い雰囲気。少しずつ読むのを日課にしたいタイプの作品。

オンラインとオフラインで話が進み、狭い世界で実はたくさんの人がつながっている。
メインはBL小説を投稿する“豆乳”と、そのファン“キッコウ”、会社の先輩後輩の大豆と茂木。読み手は早い段階で二人の正体が分かるけど、作中では片方だけが気付いている状態が続く。このムズムズする甘酸っぱさが堪らない。

茂木のキャラも強い。外面はクールでも、内面は激しい束縛癖と執着心であふれ、自分だけを見てくれないと気が済まない。相手を神と崇め、Web上ですら自分以外との交流を制限し、同担拒否と叫ぶ。それは異常性を感じるレベル。

が、徐々に大豆も負けていないことが分かってくる。普段は失敗ばかりのぽわぽわ系だが、心の奥底には闇を抱えていて、精一杯我慢してから独占欲を爆発させる。茂木の渇望するものを惜しみなく与えられるのは大豆だけでは、と思わせる。

二人の想いが通じるシーンでは、二つの凸凹が隙間なく綺麗にはまるのを見た気がした。
ちなみにエロシーンは、茂木「最高最高最高！」／大豆「だいしゅきぃ」って感じでテンション高め。

後半の書き下ろしでは、イケメン当て馬の十勝が登場する。大豆のために、知らなかったBLの世界に飛び込み、イベントで本を買い、自分で小説まで書くなんてすごすぎる。争う相手が茂木なだけに不憫に思え、好感度が上がりまくりだった。

お互いに正体を知らないまま終わった他の脇キャラたちも皆楽しそうで魅力的。全員名前の付け方に遊び心があって好き。読んでてただただ楽しいお話だった。